防御の9類型

■ウクライナ兵のスマホに脅迫メッセージか ロシア軍、士気低下狙う
(朝日新聞デジタル - 06月09日 21:50)
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攻撃に対する防御状態の9類型

【防御の9類型】
損害の少ない順に記載していく 上位の概念になればなるほど「高度」「安全」

①無敵
そもそも敵対する相手が存在しない理想の状態
●事例:ひきこもり(1人部屋状態)
戦争などで敵方の補給を断つ行為がなぜ強いのか?
短期的には「無敵」なこの状態を時間はかかるにしても確実に崩せるからに他ならない。
われわれ人間の生存には、空気や水、食料が必要不可欠であり、現世に存在し続ける限り常時スリップダメージを受けているということだ。
なお、ロシアのウクライナ侵略で話題になった「降伏論」は一見、この「無敵」につながるようだが、むしろこの論から考えると「論外な愚挙」である。
理由としては「侵略者との約束が信用できないから」ということだ。侵略者は際限なく要求を拡大していき、果ては約束など破って命まで奪われかねない。侵略者に対しては「実質的に徹底抗戦一択」である。
外交交渉によって隣国と仲良くするというのは理想的ではあるが、約束を守れない相手との交渉は無意味だ。図々しい相手にすべて譲歩するのでは、全面降伏とほとんど同じになってしまう。
和して同ぜず。基本的に仲良くやる姿勢は持つべきだが、約束を守れない相手には毅然とした態度をとるしかない。

②認識外
敵対する相手がいるとしても存在を認識されていない ステルス状態 索敵
●事例:ステルス戦闘機 黒子のバスケ
無敵と類似しており、どちらが上位概念となるかは難しい。たとえば、いわゆる「イジメ」で周囲から無視されてる状態でダメージを受けるとするかどうか。私はノーダメージであった。もとい、この事例は違うな。だってイジメてる連中は私を認識はしているんだから(笑)。
基本的には「敵対相手の認識外」という意味ではあるが、しばしば「味方の認識外」にもなりえる。自分が透明化してしまうと、味方にも認識してもらえず、有効な支援を受けられないという困った点も生じるので一長一短である。
同士討ちを誘う場合などにも重要な概念である。敵を味方、味方を敵と誤認させたり、相手の意表を突く場所(心理的陥穽)への戦略的な機動と情報操作によって自らの手を下さずに勝利できてしまうケースもあり得る。敵と認識するから「索敵」できるのであり、身内で味方の振りをしている敵は索敵の対象外となると考えると①の概念が含まれる。

③射程外
敵対する相手の射程範囲にいない 攻撃が届かないので回避動作も不要
●事例:長距離ミサイル アウトレンジ攻撃 大艦巨砲主義 剣VS長刀 剣道3倍段 インファイターVSアウトボクサー
まずは彼我の射程の関係性、その後に機動による間合い調整が如実に問われる。射程が相手より優れている場合、一方的に攻撃できる間合いを保つのが望ましい。ここでは便宜上「中距離」と称する。
逆に射程で不利な場合は機動により、間合いを一挙に詰め「近距離」に持ち込む、あるいは遠ざかることで射程外に逃れる「遠距離」という間合いを目指すことになる。
近距離戦は短期決戦狙い、一方で長距離戦は援軍が来るなど「時間を味方とした持久戦」狙いとなる。中距離での攻撃威力や攻撃回数、攻撃の精度やサブウェポンの性能、前進速度と後退速度の違いや拠点防衛の重要性なども絡むので最も考える甲斐がある概念である。
「センサーの射程外」となれば②の概念も含まれてくる。日本が敵基地攻撃能力という相手に届く攻撃手段を持たず、専守防衛を順守し続けると要は相手のミサイルが尽きるまで「一方的に袋叩きになる」という事だ。「攻撃は最大の防御」は成立するが「防御は最大の攻撃」は成立しない。逆必ずしも真ならず。

④回避
攻撃は飛んでくるが回避する「当たらなければどうということはない」 
●事例:迎撃ミサイル シューティングゲームやドッジボールの回避運動 フロイドメイウェザー
相手の射程内にいて、相手に攻撃機会を与えてしまっている状態。自身の位置をずらすことで回避する。射程外の相手が急接近して射程を合わせつつ攻撃を企図してくるのをバックステップで外すのは③と④の中間概念か。
ダッキングで間合いを詰めつつ回避するのは反撃力を含めた「攻撃的回避」。スウェイでのけぞって回避するのは③の概念を含んだ「防御的回避」。
彼我の射程の関係性や短期決戦を望むか長期持久戦を望むかでも回避の性質は異なってくる。

⑤装甲
被弾はするが装甲で弾くなどでノーダメージ
●事例:マジンガーZ 機動防御 ボクシングのショルダーブロック 重装歩兵 ワンパンマン
相手の射程内にいて、相手に攻撃機会を与えてしまっているのは④と同じで命中されているが分厚い装甲などで弾いて一切の影響がないノーダメージな状態。回避に比べると手間がかからないが、相手の攻撃がたまたま不発だった可能性もあるので油断は禁物。完全に回避はできないまでも、より装甲の分厚い頑丈な部分で受け止める機動防御の概念は④が含まれる。

⑥よろめき
被弾してダメージを追うほどではないが衝撃などで影響を受ける
●事例:転倒しつつ回避 エアバッグ、リアクティブアーマー 爆炎砂煙による見えない状態 よろめき ノックバック
攻撃が当たっているかあたっていないかにかかわらず、「攻撃の影響で体勢を崩している」とすれば④⑤の間に入る概念かもしれない。
いわゆるhpダメージを受けているわけではないが、それ以外の何らかの悪影響を受け事態としては悪化している状態。
自動車のエアバッグやリアクティブアーマーのように攻撃に反応して作動する防御手段の使用を消費しているケースも含む軽微な「バッドステータス」も一部含まれる

⑦小ダメージ
多少のダメージを負うが機能不全するほどではなく回復などが間に合う
ダメージコントロールができている状態。軽微な損傷で機能的な問題も軽微。
ドラクエあたりはこの小ダメージのやり取りがメインとなる。

⑧大ダメージ
大きな損害を受け、従来に比べて大きく機能を損なう。回復が間に合わない
意識を失うほどの攻撃ではないながら著しく不利な状態に陥る。
素早く逃亡に転じるか、距離を取るか。逆に一撃に賭けて相手を殴り倒すか。
冷静に防御に徹して追い打ちを耐え忍んで反撃機会を探るか。

⑨致命傷
一撃で意識を刈り取られるような致命的な攻撃
一般人VS悪人では悪人が先手を取ることが多い。その初撃でこれを食らうと終わってしまう。
なにせ一撃で致命傷を負う事だけは避ける必要がある。逆に言えば初撃さえしのげば事の善悪は悪人に不利に働くようにできている。日本の国土防衛のための先制攻撃論に慎重になっているように「善人側」は先制攻撃を行えない、行いにくい事情がある。
一方で倫理やタガのはずれた「悪人側」ほど軽々と先制攻撃を仕掛けてくるものだ。アメリカ銃社会が危険なのは悪人の先手で容易に致命傷となる銃という攻撃手段が気軽に手に入るからである。

とりあえず以上。次回は攻撃側から見た4段階を書くかも。

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CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。