長年価格据え置きの商品を値上げしたい時のポイント
こんにちは!
業務改善サポートの専門家、MC-Faceの濱野です。
前回は新規立ち上げの価格設定についてお話しました。今回は現行商品の値上げについてお話します。
長年価格を据え置きにしてきて、売上は頭打ちだけど、なかなか値上げに踏み切れない方は多いと思います。
・値上げをしたらお客様が離れるんじゃないか…
・売上が落ちて取り返しがつかなくなるんじゃないか…
そんな不安から、値上げしたいのに躊躇されていませんか?
値上げするときの最重要ポイントは
「客数が減っても、利益が減らない価格を見つける」ことです。
売上ばかりに目がいきがちですが、大切なのは利益です。
これからご紹介する方法により、私のクライアントさんは素晴らしい結果を出されています。
どんな業種でもお役に立てる内容だと思いますので、ぜひご覧ください。
1.値上げ4つのステップ
私が関わったこちらのクライアントさん。
個人で美容室を経営されており、素晴らしい技術と接客でお客様が増え、休みがとれないくらい忙しくなり、それなりに売上も上がるようになりました。
ただ、売上は頭打ちになり、既に忙しいので大量の新規集客もできない。
売上を伸ばすためにどうすればよいかがわかりませんでした。
ここで実施したことは、以下の4つの手順です。
これは「客数が減っても、利益が減らない価格を見つける」ために行いました。
2.競合と比較して値上げ額を想定する
まずは周辺の競合と見比べて、どのくらいの価格であれば勝負できそうかを想定しました。
下の表は、周辺美容室のカットの価格を調べたものです。
平均単価と最大・最小単価も調べました。
値上げする前のクライアントさんのカット価格は3,300円でした。
周辺の美容室にの平均価格(4,551円)と比べてもかなり安いことがわかります。
今のお客様は長く通っていただいている方が多く、お客様との関係の深さやクライアントさんの技術を踏まえると、現状価格が安すぎるという結果でした。よって、周辺の平均単価ぐらいまで値上げしてもお客様は大きくは離れないだろうと考えました。
なお、周辺の競合調査方法の詳細については、前回のブログに掲載していますので、詳しくお知りになりたい方はそちらをご覧ください。
3.客数の減少と経費を想定する
どれだけ素晴らしいサービスを提供していても、値上げをするとお客様が減る可能性はあります。そこで、どのくらいお客様が減る可能性がありそうかを想定しました。また、お客様が減ることにより、薬剤などの経費が下がるので、その金額も想定しました。【下の表2】
お客様がどのくらい減りそうかは、クライアントさんとお客様との関係性も踏まえた上で相談して考えました。
お客様が減ることにより、薬剤などの経費の削減が見込めますので、そこは私の方でこれまでの経費の実績を調べた上で計算をしました。
ここまでイメージしておくことで、値上げに対するリスクがかなり具体的に見えてきたと思います。さらにそのリスクに対する不安を払拭するために、次のまとめに入っていきます。
4.ケース別に表にまとめる
これまでの作業を踏まえて、値上げ率と客の減少数の組み合わせパターンを作り、それぞれの場合の売上、経費、利益、施術時間を比較できる表を作りました。【下の表3】
この表で見ていただきたいのが、利益です。
上表のケース⑤(表の一番右)のように、20%値上げ(カット4,400円)をして客数が20人減っても、利益は今と変わらない【どちらも280,000円】ということがわかります。また、客数が減ると施術時間が減るので、利益は変わらず勤務時間は減り、今よりも効率的に働けるというメリットが出てくることもこちらの表よりわかります。
このように具体的に数字で見える化しておくことにより、値上げに対する恐怖感を払拭することができます。
これが「客数が減っても、利益が減らない価格を見つける」ということです。
5.最終、価格をどう決めたか
ここまでいろんなケースでシミュレーションをしましたが、
最後は「意思決定」です。
最終的に、
以下の3つの点を考慮して、価格を決めました。
上記の要素も踏まえ、
メインのメニュー中心に20%の値上げ(カット4,400円)を実施しました。
周辺サロンの平均価格ぐらいの金額です。
結果については、冒頭でご紹介した通りです。
売上も利益も大幅に伸びた上に、休みまで増えるという、素晴らしい結果をもたらすことができました。クライアントさんもより充実感を感じながらお客様に向き合うことができています。
6.まとめ
値上げしたいけど、なかなか踏み込めない。
そういう時は「客数が減っても、利益が減らない価格を見つける」ということをしてみてはいかがでしょうか。
手間はかかるのですが「自信を持って」決断することができます。
反対に、ただ売上だけを見ていると、
「このままの働き方でずっと過ごしていくのか…」
「値上げしてお客様が離れたらどうしよう…」
と足踏みしたままで、今の状態から脱却することができません。
もし私の場合はどうしたらいいの?
と思った方は、遠慮なくお問い合わせください。
あなたの場合はどうしたらいいのか、一緒に考え、ご提案させていただきます。
本日の内容が、皆さんのビジネス成長のヒントになれば幸いです。