色彩検定1級 2次 Vol.03 PCCS トーン その1
前回まではPCCSの色相環について解説しましたが今回からPCCSのトーンについて解説します。
PCCS トーン
PCCSでは色の三属性(色相、明度、彩度)のうち、色相は色相環で表しますが明度と彩度はトーンによって表します。
トーンは色調とも呼ばれ、「鮮やかな」「明るい」「暗い」など色の印象によって分類が分けられPCCSでは明度が高いものは上、低いものは下、彩度が高いものは右、低いものは左に配置されます。
以下の図ではトーンの配置に「トーンの略記号」「英語のによるトーンの名称」「日本語によるトーンの名称」が記されています。
すでにこれまでに何度か書いてますがPCCSでは色相環の番号とトーンの略記号を組み合わせて色を表現します。
鮮やかな赤はv2、暗い灰みの青紫はdkg20と書きます。
無彩色では明度を組み合わせて灰色の表現をします。
中明度の灰色はGy-5.5、高明度だとGy-9.5、低明度だとGy-1.5など。
そしてGy-9.5は白でもありPCCSのトーンではWと表示され、Gy-1.5は黒と同じ扱いでBkと表示されます。
これらは必ず試験で出るので覚えてください。
なお、ltとpは試験や教科書などでは新配色カードでの表示の関係上、小さい+マークがついているのですがこのブログでは表現できないので省略します。
試験では必ず+をつけるようにしましょう。
v:さえた、鮮やかな
一番の高彩度で中明度の色はvと表示され、ビビッドと読みます。
純色と呼ばれるトーンであり、各色相の一番代表的な色になります。
このトーンのみ色相環は24色相あります。
他のトーンは12色相のみです。
b:明るい
高彩度、高明度の色はbと表示されブライトと読みます。
明清色に分類され、その中で一番純度が高い色です。
dp:濃い、深い
bと同じ彩度で低明度になるとdpと表示され、ディープと読みます。
こちらは暗清色で一番純度が高いです。
s:強い
高彩度、中明度に当たりますが新配色カードには存在しないため試験では出ません。
忘れて結構です。
lt:浅い
中彩度、高明度の明清色でltと表示され、ライトと読みます。
bよりも彩度は低いですが明度はこちらの方が高いです。
英語ではlightと表記されていますが日本語では浅いという意味になっています。
英語名から「明るい」、または「軽い」が想起されますが「明るい」はb、「軽い」はpに分類されます。
紛らわしいので気をつけてください。
なお、上でも書いてますが本来はlt+(+は小さく上側に表記)と書くので試験の際はそれもお気をつけください。
sf:柔らかい、穏やかな
中彩度、中明度の中間色と言う領域に分類されsfと表示され、ソフトと読みます。
d:鈍い、くすんだ
中彩度、中明度でsfよりも暗い色でdと表示され、ダルと読みます。
なんだかだるそうな色です。
これも中間色ですが後述予定のトーナル配色の典型的なトーンでもあります。
覚えておきましょう。
dk:暗い
中彩度、低明度で暗清色でdkと表示され、ダークと読みます。
dpよりも明度が低いです。
p:薄い
低彩度、高明度の明清色で、一番明度が高いトーンです。
pと表示され、ペールと読みます。
ltと同様に試験の際は+をつけるのを忘れないようにしましょう。
また、ltの説明でもありましたが「軽い」というイメージも含まれています。
ltg:明るい灰みの
低彩度、中明度の中間色でtlgと表示され、ライトグレイッシュと読みます。
g:灰みの
低彩度、中明度でltgよりも暗い中間色でgと表示され、グレイッシュと読みます。
このぐらいの明度で低彩度になってしまうと色相の区別がかなりつきにくくなります。
dkg:暗い灰みの
低彩度の低明度、暗清色の一番暗いトーンでdkgと表示され、ダークグレイッシュと読みます。
ここまで明度の低い低彩度になってしまうと色相の区別がかなり困難になります。
無彩色
上でも書きましたが無彩色の場合は灰色はGy-明度と書きます。
白がW(大文字)で黒がBkです。
これらも必ず覚えておいてください。
明るいライトグレイはltGy、中ぐらいのミディアムグレイがmGy、暗いダークグレイがdkGyと書きますがこれらはあまり出ません。
トーンの基本的な説明は以上となります。
次回もトーンについての説明を続けます。
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