1998年4月
「やっほー、これ用意してきたんだ」
あおばは横断幕をもっている。
「それなになに?」あかりはわかっていながら一応聞いてみる。
もみじは目を輝かせてそれを見ている。
「じゃっじゃーん」
祝!もんこれ部 と書かれた横断幕が公開される。
「えーとここは、もみじさんのお家だと思ったけど。」
「そう!今日からここがモンコレ部の部室よ!」もみじが宣言した。
「さて古代帝国の遺産は皆さんいくつぐらい購入しました?」
「3パック」あおばが元気よく答える
「私は妹と1ボックスを分けました。」あかりが答える。
「全日本選手権で使用できるカードは古代帝国までとスペシャルカードです。
古代帝国のカード内容はすべて目を通してデックの強化はしてきました?」
「はい もちろんしてません。部長命令です。もみっちゃんデック」
もみじが説明し終わるタイミングで、
あおばは立ち上がりもみじを指さす
「はい これです」
もみじは即答でデックを差し出した。
あれ? あかりはモンコレ部の上下関係がわかってきたような気がした。
「私もデック作ってきました。」
あかりもニコニコ笑顔でデックを持っている。
あおばはもみじが用意したデックを確認していた。
「これ、かめはいらなくない?」
「《アクアマリン・バックラー》は儀式スペル対策に必須です。」
「儀式スペル?」
まわりに儀式スペルを使う人もいないし、いつものお店にもいない。
あおばが儀式スペルを知らないのも仕方ない。
「枠が紫色の儀式スペルカードです。重儀式デックの得意な人がいればいいんですけど」
「儀式スペルを使う人いないなら、やっぱりいらない。」
「そう言われるのであればカードは入れ替えましょう。」
「あの、重儀式得意な知り合いならいますよ。」あかりからの一言
「え!誰?私の知ってる子?」
「妹のまほだよ。」
「明日部活に連れてきなさい。部長命令です。」
「まほは恥ずかしがりやだから、まほが良いと言ったら一緒に来るね。」
「今日は部長とあかりさんで対戦してみましょう。」
「あかり今日も勝つからね。」
「部長そうは行きませんよ。」
第1ターン
あおばの先手、最初の召喚で《髑髏の騎士》《髑髏の騎士》《ゴブリン馬車強盗》
「はっはっは、もうあかりに勝ちはない。」
「部長、ウォータードラゴンはどうしたんですか?」
「あかりのデックはどうせ綺麗な聖属性しか入っていない。
この髑髏の騎士に勝てるかな?」
「でも部長、私は負けませんよ。」
第2ターン
あかりも
本陣に《空に舞う天使》《太陽を睨む天使》
《鏡蟲》《プラズマ・ボール》を召喚
第3ターン
《妖精の輪》を配置して《髑髏の騎士》x2を進軍
本陣に《ウォーター・ドラゴン》《七つの海の王子》を召喚
《髑髏の騎士》に《シューテイング・スター》を装備
第4ターン
代理地形を配置して
《空に舞う天使》《太陽を睨む天使》
《鏡蟲》
を進軍
本陣に《スフィンクス》《ワルキュリア騎兵隊》《シュリーカー》《シャイニング・バタフライ》を召喚
《ワルキュリア騎兵隊》に《ブラック・ライトニング》を装備
第5ターン
「さぁあかり覚悟しなさい。」
《シューテイング・スター》を装備した《髑髏の騎士》と《髑髏の騎士》で
あかり本陣前の天使たちへ戦闘を仕掛ける。
あおばの即時召喚は無し、あかりは《虹の雫の精霊》を即時召喚。
イニシアチブはあかりが6を出してあかりの先攻
《鏡蟲》さえいなければあかりは思っていた。
「《太陽を睨む天使》の「太陽の槍」を部長のパーティへ使用しますよ。」
「そいつにはくらえ《髑髏の騎士》の「闇の波動」。」
「《髑髏の騎士》へ《空に舞う天使》の「ターンアンデット」ですよ。」
「《空に舞う天使》へ弓を装備した《髑髏の騎士》からの「闇の波動」」
この特殊能力は除外だから《リザレクション》も意味はない。
《鏡蟲》もいるので戦闘スペル自体が使えない。
「部長は《髑髏の騎士》を初めて使うから知らない《髑髏の騎士》の有名コンボを教えてあげますよ。
弓を装備した《髑髏の騎士》へ《虹の雫の精霊》の「零れる虹」を使って「闇の波動」の「聖」を「魔」へ変更しますよ。」
「「魔」に変更?」
「《虹の雫の精霊》の「零れる虹」はカードテキストの属性を書き換えることができるんですよ。」
「仕方ない、《トルクメンの矢》で《虹の雫の精霊》をたおーす。」
「やっぱりありますよね。もう対抗はありませんよ。」
《虹の雫の精霊》は《トルクメンの矢》のダメージで死亡。
《空に舞う天使》《太陽を睨む天使》は「闇の波動」で除外。
「でもまだ《鏡蟲》がいます行動完了した《髑髏の騎士》でどうします?」
「先攻普通タイミングがまだ終わってないから早くして」
「わかりました。では一応《鏡蟲》で攻撃しますよ。」
「かかったな、くらえ《キュクレインの矢》」
「やられちゃいましたね。」
あおばのユニットはあかりの本陣前への進軍を成功させる。
本陣からも《ウォーター・ドラゴン》《七つの海の王子》を前進させる。
本陣に《マーメイド女王親衛隊》《サキュバス》《ワイト》を召喚。
第6ターン
「本陣前を取られて困りましたね。」
本陣横へ《魔法陣「泉」》を配置、つぎに泉の前に《妖精の輪》を配置。
本陣の《スフィンクス》《シャイニング・バタフライ》《プラズマ・ボール》をこのターン配置した《妖精の輪》へ進軍させた。
本陣に《スフィンクス》《虹の雫の精霊》《シャイニング・バタフライ》を召喚。
第7ターン
「あかりこのターンが最後、第1手札調整で3枚破棄して3枚補充。《髑髏の騎士》2体であかり本陣へ進軍。」
あかりはそっと《スフィンクス》のカードをあおばに見せる。
「なにそれ、本陣へ進軍できないの? ずるいよあかり」
もみじは横からあおばの膨れた頬をつつきながら
「あおばさんはカードを全部覚えてくださいね」
「ということはこの横の《スフィンクス》にも進軍できないじゃないか」
「部長気づきました? 部長のデックでは私の本陣へ入れないんですよ。」
横に代理地形を配置、2体の《髑髏の騎士》を横へ進軍させて《ウォーター・ドラゴン》《七つの海の王子》をあかり本陣前へ進軍させた。
「本陣へ進軍できなくても敵軍領土へたくさんユニットを送り込めば判定で勝てる。」
「部長すごいです。このまえもみじさんに教えてもらったこと忘れていなかったんですね。」
「えっへん」
さらに自軍本陣前の《妖精の輪》に本陣から《サキュバス》《ワイト》を進軍させた。
本陣に《ウォーター・ドラゴン》を召喚。
第8ターン
「わたしも本陣を目指して行きますよ。」
あおば本陣斜め前に《魔法陣「泉」》を配置。
あおば領土内の《魔法陣「泉」》へ《スフィンクス》《シャイニング・バタフライ》《プラズマ・ボール》を進軍。
「これで私も部長の本陣へ進軍できますよ。」
第9ターン
「あかりの弱点分かったぁ。」
あかり領土の《妖精の輪》に《ウォーター・ドラゴン》と《サキュバス》を進軍。
あかり本陣前に《髑髏の騎士》と《ワイト》を進軍。
本陣から《ウォーター・ドラゴン》と《ゴブリン馬車強盗》をあおば領土の《妖精の輪》へ進軍。
本陣に《ウォーター・ドラゴン》を召喚。
第10ターン
「部長、私の弱点ってなんですか?」
「知りたいかいあかり君」
「はいはーい、教えてください」
「5と3と1と1足して10。こちらは4と2と2と2足して10。
本陣前に4レベルと2レベル2体そして飛行進軍の《サキュバス》の2レベル合わせて4体で本陣へ進軍できるのだ。」
何度目のことだろう。ふんぞり返っているあおばにあかりは《シュリーカー》のカードを見せる。
「なにこの0レベルのユニットって」
「部長私の本陣には5体のユニットがいます。2レベル5体で来てください。
でもそのころには1レベルユニットを並べて8体とかにもできます。」
「部長の勘違いも分かったのでいきますよぉ」
あおば本陣横へ代理地形を配置。
配置した代理地形へ《シャイニング・バタフライ》《プラズマ・ボール》を進軍。
あおば領土の《魔法陣「泉」》へ《明星に奏でる天使》《シュリーカー》を召喚。
《ワルキュリア騎兵隊》に《ブラック・ライトニング》を装備
第11ターン
「本陣へ進軍するつもりだったのにぃ」あおばは少し怒っていた。
「こんどこそあかりの弱点発見!」
あかり本陣横の《魔法陣「泉」》に《サキュバス》を進軍。
あかり本陣横の《魔法陣「泉」》に《七つの海の王子》《サキュバス》《ワイト》を召喚。
《七つの海の王子》に《ブラック・ライトニング》を装備。
「これであかり本陣へ進軍できる」
そう、あおばは進軍することしか考えていなかった。
第12ターン
「部長の本陣へ進軍します。」
《シャイニング・バタフライ》《プラズマ・ボール》
《ブラック・ライトニング》装備の《明星に奏でる天使》
即時召喚で《虹の雫の精霊》《鏡蟲》《ウィル・オー・ウィスプ》
前のターンで2レベルを出せるだけ出したため、あおばの即時召喚はなかった。
あかり:《ウィル・オー・ウィスプ》《鏡蟲》《虹の雫の精霊》《シャイニング・バタフライ》《プラズマ・ボール》《明星に奏でる天使》《ブラック・ライトニング》装備。
あおば:《ウォーター・ドラゴン》《マーメイド女王親衛隊》
「ここは先攻を取ったほうが勝つようね。」あおばは勘違いをしていた。
イニシアチブで先攻を取りあおばは喜んでいる。
「全員で攻撃だぁ」
「対抗しません。」あかりは平然と答えた。
「え?!」
「《ウィル・オー・ウィスプ》1体だけ死亡しました。」
「えええ!?」
あかりは《明星に奏でる天使》をあおばに見せた。
あかりから《プラズマ・ボール》の「雷撃」を《ウォーター・ドラゴン》に使用します。
あおばが対抗《マーメイド女王親衛隊》から《封印の札》を《プラズマ・ボール》に使用します。
あかりから対抗《シャイニング・バタフライ》「煌めく鱗粉」を《マーメイド女王親衛隊》へ使用します。
あかりがさらに対抗《虹の雫の精霊》の「零れる虹」で《シャイニング・バタフライ》の「魔」の部分を「水」へ変更。
あおばはこれ以上対抗できなかった。
「部長に初めて勝ちました。さすがは強い人が使っていたデックですよ。」
「え あかりどういうこと?」
「えへへ、ある大会で優勝した人のデックが強そうだったので同じのを組んでみたんですよ。」
「今日の対戦はここまで、スフィンクスデックもうわさに聞いてるだけでしたが、
あかりさんが使っても強いということはかなり強いですね。」
「これからは強い人のデックの情報もあつめてデックの改良や対策も必要ということですよ」
モンコレ部 部長となったあおばであったが、
対戦では何もできず。封殺されてしまったことに呆然とするしかなかった。
あおばのデック
3《アクアマリン・バックラー》
3《マーメイド女王親衛隊》
3《七つの海の王子》
3《ゴブリン馬車強盗》
3《サキュバス》
3《ワイト》
3《髑髏の騎士》
3《ウォーター・ドラゴン》
3《プロテクション》
3《ミラー・イメージ》
2《キュクレインの矢》
3《シューテイング・スター》
3《トルクメンの矢》
3《封印の札》
2《ブラック・ライトニング》
3《テルブレットの矢》
3《妖精の輪》
あかりのデック
2《シュリーカー》
2《ウィル・オー・ウィスプ》
3《鏡蟲》
3《シャイニング・バタフライ》
3《虹の雫の精霊》
2《プラズマ・ボール》
3《空に舞う天使》
3《太陽を睨む天使》
3《黄昏に歌う天使》
3《明星に奏でる天使》
3《ワルキュリア騎兵隊》
2《スフィンクス》
2《キュクレインの矢》
3《トルクメンの矢》
3《封印の札》
3《ブラック・ライトニング》
3《テルブレットの矢》
2《魔法陣「泉」》
2《妖精の輪》
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