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ピック&ロールからのオフェンス展開が停滞する理由 【単体記事】

こんにちは、現代バスケットボール戦術研究(MBTR) @MBTResearch です。(ブログ / togetter/YouTube
[ ※これまでの記事はマガジンから→「現代バスケ戦術研究ノート」、「プレイブック・マガジン」 「バスケットボール・ドリルまとめ」 ]

普段、定期購読マガジン「現代バスケ戦術研究ノート」にて定期的に記事を執筆させていただいており、2024/9現在では、その全回が定期購読のみで閲覧いただける状態です。

しかしながら、一部から収録内記事の単体購入の希望もあり、今後、定期マガジン記事の一部をピックアップして、単体記事として再作成ないしリライトする方針としました。

今回は、ピック&ロールからのオフェンス展開が停滞する理由シリーズを、総合して1記事にまとめる形で再筆させていただこうと思います。

是非一読いただけましたら幸いです。


今回は、「ピック&ロールからの展開が停滞する理由」について考察したいと思います。

実際、ピック&ロールをチームオフェンスとして運用する中で、オフェンスが動かない、良いシュートで終わらない、最悪ターンオーバーになる、といったことはよく経験されるでしょう。

今回は、よくあるトラブルとそのトラブルシューティングを行います。
もちろん、読者の方々からも、他のタイプのトラブルがあれば、是非コメントで寄せていただければ、追記ないしコメント欄で対応していきたいと存じます。


①そもそもピックが掛からない・ズレが生じない

これが最多かつ最大の問題ではないでしょうか。

簡単にファイトオーバーされてしまうため、ハンドラーにセパレーション(ズレ)が出来ない、スクリナーDがショウ/スイッチする必要もないので、当然スクリナーにもセパレーションは生じない、場合によってはボールプレッシャーが解除出来ずにターンオーバーになる、といった事態に直面することは大変多いと思います。

また、タイトにアンダーされてしまい、プルアップもいまいち打ちきれず、当然スクリナー周りのセパレーションも生じず、ただ無為にスクリナーの上側を右往左往するだけ………これもよく見られる光景と思います。

唯一絶対の回答、などと申し上げるつもりは毛頭ございませんが、私なりのアセスメントとアンサーをつらつらと述べたく存じます。

…1. スクリナーの心構え Screener’s Effort

まず第一に、スクリナーに必要な心構えや努力は、ダッシュしてスクリーンのセッティングに向かうこと(Sprint Screen)、セパレーションが出来るまで諦めず、怠らずにスクリーンをトライすること(Screen AGAIN)です。

ピックが掛かるようになるには様々なSkillがあることは事実ですが、それよりもまず上記が出来なければ、Skillの最大効果を得るのは難しくなってしまいます。

裏を返せば、ノロノロとスクリーンに向かうことで、ハンドラーDやスクリナーDに”準備”させてしまうことはPNRオフェンスにおいて大きなコストになってしまうし、セパレーションも作れないまま再度のスクリーンをせずに漫然とRollしたり棒立ちになることで、チャンスメイクの機会を逸しているということを意識しておかなくてはなりません。

(*Underに対するRe-Screenなども、このポイントに含めることが出来るでしょう↓)



…2. スクリーンの調節 Adjusting Screen

トッププロとそれ以外との間で、特に差が大きいのがスクリーンの調節です。

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