1-1-3 Zone Defenseの解説
こんにちは、現代バスケットボール戦術研究(MBTR) @MBTResearch です。(ブログ / togetter/YouTube)
[ ※これまでの記事はマガジンから→「現代バスケ戦術研究ノート」、「プレイブック・マガジン」 「バスケットボール・ドリルまとめ」 ]
今回はマガジン第26回として、表題の通り1-1-3 Zone Defenseの構造について論じていきたいと思います、
①1-1-3 Zoneの文脈
1-1-3 Zone (1-1-3 Match-up Zone)は、NCAAでもしばしば運用され、最近だと日本の高校での運用も見られるゾーンディフェンスで、ざっくり言えば、リムプロテクトの安定化をはかりつつ、ネイルからのオフェンス展開を防ぎ、かつアウトサイドへのcontestも維持するという狙いのあるゾーンです。
このZone Dの優位性を理解するのは、他のゾーンからの文脈を理解しておく必要があるでしょう:
リムプロテクターを固定しつつアウトサイドへのcontestを維持したいという思惑で、よく用いられるのが2-3 Zoneでしょう。
しかしながら、ネイルにボールを入れられる際にx5が引き出されてしまうと、Hi-Loを守るのが難しくなったり、そこをカバーすることでアウトサイドにseparationが生まれてしまったりします。
そもそもリムプロテクターを固定出来るのが2-3の利点であったのに、ネイルに引き出されてしまってリム回りの防御力が低下してしまうのが本質的に本末転倒なわけです。
ネイル起点で崩されないように、ネイルを先んじて埋めておくという意味では1-3-1 Zoneがあるわけですが、一般的な1-3-1 Zoneの場合、x5がNailを守ることになってしまうため、リム回り、ベースライン側の防御力が結局不十分になってしまいます:
(推奨:ゾーンオフェンス(ゾーンアタック) vs 1-3-1)
「リム回り・ベースライン側にリムプロテクターを固定してゴール下の防御力を確保したい」
「だがネイルは埋めておいてネイル起点のオフェンスが簡単に展開されないようにしたい」
この"二兎"を追うことが出来るのが1-1-3 Zoneというわけです:
②1-1-3 Zoneの構造
ここから先は
現代バスケ戦術研究ノート
バスケットボール戦術についての研究ノートを掲載。 月1-2回程度更新。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?