ゾーンアタック(ゾーンオフェンス)の基本コンセプトと実例
こんにちは、現代バスケットボール戦術研究(MBTR) @MBTResearch です。(ブログ / togetter)
今回は、ゾーンDFの攻略法(いわゆるゾーンオフェンス、ないしゾーンアタック)についての記事です。
『1. ゾーンアタックの基本コンセプト』でゾーンアタック(ゾーンオフェンス)によく用いられる5つの基本コンセプトを紹介し、『2. ゾーンアタックの実例』で基本コンセプトを当てはめながら実際のゾーンアタック・セットを紹介・解説していきます。
1. ゾーンアタックの基本コンセプト
ゾーンアタックの基本コンセプトとして、以下の5つを挙げます。
①数的有利を作って攻める(Overload)
②ポジションチェンジを多用して動きで崩す(Motion / Flow)
③ギャップへのドライブで崩す(Punching or Penetration)
④ベースラインのDFを外に引き出す(Stretch DF)
⑤DFエリアを制約するシール或いはスクリーン(Seal or Screen)
基本的にはどれか一つではなく、これらの中から複数のコンセプトを組み合わせてゾーンアタックを構築することになります。実例をあげながら一つ一つ解説していきましょう。
①数的有利を作って攻める(Overload)
ゾーンDFはディフェンス一人一人の守るエリアがある程度決まっている分、特定のエリアにオフェンスを集めると、アウトナンバー(オフェンスの数的有利)が起きやすいです。(※もちろん、DFがそれに対抗して配置を工夫してくる場合もあります。)
そのことを利用し、オフェンスを特定のエリアに集めて、数的有利を作って攻めるオフェンスコンセプトのことをオーバーロード(Overload)といいます。極めてポピュラーなコンセプトの一つです。
以下に図示しましょう。
上段は、ウィークサイドのガードがボールサイド・コーナーにSpot Upすることで、ボールサイドに4on3のOverloadを作るパターンです。
下段は、Side PNR(サイドピック)から、5と3のRoll & Replace(ロール&リプレース)と同時に、2がコーナーへSpot Upして、またしても4on3のOverloadを作るパターンになります。
基本的には、ウィークサイドDFの2人のいずれかがボールサイドに移動し、アウトナンバーを埋めるというのがDF側のよくある対策にはなりますので、アウトナンバーを埋められる前に攻め切ったり、埋められた場合はサイドを変えて攻め直すなどのカウンターが必要になります。
このコンセプトはシンプルで扱いやすいのですが、フィニッシュが3Pに偏るのがデメリットになります。
②ポジションチェンジを多用して動きで崩す(Motion / Flow)
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