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Rによる二次的データの分析

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社会的データについてRStudioを使ってグラフを作成したり統計学的分析をおこないます。
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#対応分析

Rをつかう単純な計算のための備忘録

 Rを使い始めた頃に参照していたものの1つは『データ解析環境「R」』(工学社発行)という本であった。著者は、舟尾暢男・高浪洋平の2氏。本に書き込みをしながら読んだ。有意義な本であった。  まず、その本に書き込んだメモを見ながら、Rの使い方を復習してみようと思う。そうすることで、しばらく使わないでいたあとにまごつかないようにすることができるだろう。  別の本(注)も、昔真剣に取り組んだことがある。その本の巻末に「補遺 RとS-PLUSの備忘録」というものがあり、これも復習してみ

『データサイエンスのための統計学入門』(オライリー・ジャパン)の翻訳の誤り

 『データサイエンスのための統計学入門 第2版』は、副題が「予測、分類、統計モデリング、統計的機械学習とR/Pythonプログラミング」となっている。原著が「Practical Statistics for Data Scientists」であることからもわかるように、内容が、データを扱うサイエンティストにとってたいへんに実用的なものであり、統計分析の有用な手引き書になっている。しかし、よく読んでみると、意味の通らないところなどが各所に見られる。 「作業割り当ての判断」とコ

北九州市長選挙出口調査の年代別得票率を対応分析によって再分析

2023年2月5日に北九州市長選の投票が行われ、出口調査に基づいて西日本新聞が各候補の年代別得票率を帯グラフで示しています。しかし、2月7日に発行された同紙の記事に掲載された帯グラフには、重要な情報が欠落しています。この帯グラフにおいて、パーセントを計算する際の分母として用いられた各年代の回答者総数が示されていません。 そのため、年代による差がどの部分で統計的に有意なのかが判断できません。例えば、武内和久候補の得票率が10代と20代で差があるかどうかを確認するためには、10

北九州市長選挙(2023年2月5日)

1. 選挙管理委員会資料 北九州市長選挙開票結了速報 2. モザイク図の作成 3. モザイク図の解釈 どの区でも1位は「イメージ戦略」で成功したといわれる武内和久候補——コンサルティング会社代表取締役で2019(平成31)年4月の福岡県知事選挙では落選した——であった。彼が今回最も強かったのは小倉北区だったようだ。逆に言うと、相対的に弱かったのは門司区(と若松区)であった。武内和久候補の公約は「100万都市の復活」と「稼げる街」というものであった。選挙戦をどのような組

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モザイク図と対応分析のグラフとで見てみる北九州市長選挙の結果

対応分析のcaパッケージを初めて使ったのは2009年のことだった。

Package ‘ca’ Michael Greenacre 著、藤本 一男氏訳の本がオーム社から出ている。 『データサイエンスのための統計学入門・第2版』(黒川利明氏訳、オライリー・ジャパン)の第7章の「コレスポンデンス分析」でも、caパッケージが使われている。翻訳の誤りが各所にある。 library(ca).tbl <- matrix(c(12593,20650,23579,9256,9117,30032,7387,3088,4884,5968,3243,2004,