マガジンのカバー画像

Rによる二次的データの分析

51
社会的データについてRStudioを使ってグラフを作成したり統計学的分析をおこないます。
運営しているクリエイター

2023年4月の記事一覧

オッズ比と相対リスクの使い分けについて

日本疫学会の「疫学用語の基礎知識」というウェブサイトに、オッズ比についての説明がある。 そこでは、「コホート研究での累積罹患率(罹患率)のオッズ比と症例対照研究での曝露率のオッズ比がある」と書かれてある。 コホート(コーホート)研究は、罹患を取りあげのに対して、後ろ向き研究としての症例対照研究は、曝露を取りあげるという説明である。 ここで使われている「罹患」は、一般的には、特定の状態の発現と捉えることができるであろう。 「曝露」とは、一般的には「リスク(と想定される)

自転車用ヘルメットの着用は死亡事故を減らせるか?

いつも基本的に、自転車に乗るときにはヘルメットを着用するようにしてきている。しかし、自分で気づいていることは、ヘルメットを着用していないときの方がスピードを出さず、安全により注意しているということだ。 最後に触れるが、いつもヘルメットを着用している人は、着用しない場合にいつもより慎重になるという研究結果もある。つまり、ヘルメットを着用しているときには、頭部が保護されているという安心感からスピードを上げるなどの行為をおこない、リスクを増大させるということである。心理学はこれを

重回帰分析における説明変数の選択

重回帰分析で、説明変数はどういう観点から選択すべきですか。 他にはどのような観点がありますか。 以下は私のコメント。 目的変数が「得票増加数」である場合に、「UC有無」、「有権者数」に加え、「HS有無」と「HC有無」を説明変数に加えた理由は何でしょうか。これらの変数は、自治体の人口規模に関係していると考えられますが、なぜわざわざ追加したのでしょうか。また、これらの変数は目的変数と直接的な関連性があるとは考えにくいのに、なぜ追加したのでしょうか。 さらに、現実的ではない

年代別の投票率、得票率のパターン

データで見る参院選2022①は、2022年7月の参議院選挙について、出口調査の結果によって、自民党に投票した人の割合を年代別に明らかにしている。 以下のように、たいへんに規模の大きい調査だ。 「若い世代で自民党に投票した人の割合が前回より低くなった」原因を次のようにとらえている。 29歳以下(10代と20代)と30歳以上の比較、70代以上とその下の年代との比較に注目しようと思う。