プレミアム予選サイクル3突破アブザンパルヘリオン雑記
(筆者注:スマホからの編集でうまく見やすいリストの画像用意できなかったんで後で追記します。晴れる屋とかのリストビュー埋め込むやり方誰か教えて)
ちゃんと読みやすい記事にしようと思ったんですが短時間ではいまいちまとまらなかったので、雑記っぽい感じにします。
まとまらないってことは多分自分の中で言語化できてないところが結構あって、つまり粗があるんだろうなと。
メタデッキのつもりで作ったし、突破できた群馬の予選に出るまで(既存のもの含め)アブザンパルヘリオンを対人戦で回したことは全くなかったのでプレイガイドは書けません。実際予選でのプレイはかなり酷かった。
考えたことを書き散らす感じになるので、皆さんの考えと比べて適宜良し悪しを判断して取り入れていってください。
1.メタ読みとデッキ選択について
個人的に4,5月はめっちゃ忙しくてmtg出来ない(ましてや競技なんて絶対無理)なので3月中に遠征したいなと思っていたら、ちょうど3/18-19に群馬、3/21に吉祥寺でプレミアム予選が開かれるようで友達と一緒に出ることになりました。
今年に入って競技イベントほとんどやってなかったのもあって、せっかくならちゃんとメタ読んでデッキ一から組んでみようかなと思いました。
プレミアム予選はフェアデッキが多く、特に上位卓はラクドス青白とそれに勝つ気のあるデッキばかりだと最近の結果を見ながら予想しました。
また1,2回戦の戦績を安定させるためには安定したクロックと可変的なレンジで用いることのできるハンデスが重要だと考えていたので、それらに合致する条件のデッキを考えます。
ラクドスからピンポイントな墓地対が消え、環境も墓地のマークが薄かったのでアブザンパルヘリオンは良い選択のように思えましたが、先手後手の差が激しいのとサイド後の向こうの対策キープor割り切りハンドキープとの噛み合いの差で負けてしまう(向こうのサイド及びキープ基準に主導権を握られがち)デッキとして安定性が低くあまり評価していませんでした。また従来の3色デッキでありながら1tに緑と黒を要求しつつウルヴェンワルド横断のために基本土地を取っているマナベースに疑問を感じました。クリーチャーで盤面を取っていくパイオニアの環境で2t目に結果が不確定な忌まわしい回収を打つことがデッキの一般的なムーブとされ、その結果の良し悪しが勝敗にそのまま直結するデッキを使う気にはどうしてもなれませんでした。
その後ラクドスに強いアグロとしてサクリファイスを第一候補にいれ考えていたところ、次のようなリストを見つけました。
(https://www.mtggoldfish.com/deck/5463214#online)(Pioneer league 5-0 by Cabezadebolo)
Cabezadeboloはチューンするデッキの安定性に定評があるmtgo grinderです。私は以前からかなり信頼を置いているのですが、特にコンボデッキにおいてパーツの枚数が全て複数種類で6-8枚は確保できるこの構築はとても気に入りました。2マナ2/1の履修持ちクリーチャーである象徴学の教授は置物対策カードを状況に応じてメインから使用できるようになり、アドバンテージやディスカードを含む手札入れ替えの役割を持ち、加えて序盤の2点クロックとして運用できるためこれ以上ないこのデッキの潤滑油だと感じました。
これを思考囲いと共に可変的なレンジで用いることで、サイド後の向こうの対策キープに対してこちらから主導権を握りにいけると考えました。これはリスト非公開性の大会での大きな強みだと思います。
反面未だサイド後ミッドレンジプランに移行しにくい構築だと感じ、2マナのクリーチャーが12枚体制であることを最大限活かし切れていないと考えました。
改善できれば予選に持っていくのに良いデッキになると確信したため、彼のリストをベースにデッキを作ることにしました。
2.構築について
具体的な問題点として「①異界の進化で出すクリーチャーに脂牙以外選択肢がない②ミッドレンジプランを考えるのであれば合流点4枚採用はダメージレースを仕掛けられない③エシカの戦車以外にミッドレンジプランで中盤に圧をかけられるカードがない」ことの3つが挙げられました。
これらを加味し以下のようなリストにしました。
(https://www.mtggoldfish.com/deck/5494894#online)
①に関してはメインとサイドにシェオルドレッドを1枚ずつ取ることで解決しました。メインでも異界の進化から出す先として1枚はあってよく、サイドにデッキの強度を上げるカードとしても良いと考えていたためです。異界の進化によって少量採用でもアクセスが容易であり、対応しがちになる相手にダメージレースを仕掛けていくことができます。またこれによって③も解決し、メインの3枚のスカイソブリンやサイドの2枚の銀行破りとともに用いることで機体デッキとしての良いミッドレンジプランが取れました。今回の調整で一番良いところだと考えています。採用を提案してくれた友人に感謝。
②に関しては合流点の枚数を減らしたマナベースを考えましたが、色マナ問題を考えると合流点は4枚のマナベースよりいいものは土地の枚数を増やさないことには出来ず、結果的により色マナの出にくいものに妥協することになりました。これに関しては解決出来なかった問題ですが、そもそもこのデッキは1tに思考囲いを打たずとも後のターンに打つバリューの方が高いことも多く、また4tでもアンタップインが絶対に求められるわけではないと思っていました。また3tに異界の進化が打てない場合もあっていいと思っていたので、2tにクリーチャーを出せる土地基盤であれば十分だと思っています。これは稚拙なマナベースに対する後付けの言い訳に過ぎないかもしれません。しかし従来のリストのトンデモマナ基盤よりはずっと優れているはずです。ちなみにsetolineくんは緑黒ショックランドをマナの合流点の3枚目にしています。私は土地の枚数を増やしてでも2枚までに抑えるべきだと考えていますが、この辺の良し悪しはよく分かっていません。
メインのリストはマナ基盤を弄って4枚目のスカイソブリンをシェオルドレッドに変えただけなのですが、メインに1枚の未練残りが妥当であるかだけはうまく判断できませんでした。悪くはないですが、自信を持ってベストだとは言えないです。
サイド後の置物除去枠は致命的な一押し2枚、レイオブ2枚に加え突然の衰微を2枚足すことにしました。鎖霊と未認可霊柩車に対する除去として良い回答であり、サイド後のミッドレンジプランのカードとしてもデッキの強度を上げるカードだと考えたためです。反面黒力線には対応できませんが、1枚であれば履修からディッチャが持ってこれるため問題ないと考えました。まだ打ち消しデッキに対する異界の進化やハンデスミッドレンジに対するこちらのハンデスなど、抜くカードが一定数出てしまうマッチでの入れ替え枠としてこういったカードはサイド後のデッキのまとまりを良くしやすいです。
未認可霊柩車の枠はミラーで入れるカードを5,6枚程度確保したかったためそのままにしましたが、もっとバランスのいいものがあったかもしれません。
ヴェールのリリアナはコントロールやコンボに対しての追加の7枚目の強く全体的なハンデスとして1枚残しましたが、対策が必要な相手に使うことはあまりなくクロックになるわけではないので複数枚は不要と考えています。
3.プレイについて
まずこのデッキは従来のリストと違い、2t目に墓地にパルヘリオンが落ちる確率は下がっています。反面3t以降に脂牙を出せる確率は上がっていて、これにより墓地を肥やしながら小粒や機体を展開して戦い、ハンデスを用いながら常に相手に脂牙のプレッシャーをかけてライフレースをするデッキとなっています。そもそも脂牙は3マナ4/3とスタッツに優れ、ぎこちない動きをする相手に地上戦を仕掛けるのに十分な本体サイズだと考えています。常に機体シュートをちらつかせながら、シェオルや機体ミッドレンジとして振る舞い、隙が出来た時やこちらの地上に対応せざるを得なくなったころに機体シュートを狙うのがこのデッキの基本戦術です。そのため従来のリストより先手勝率やメイン勝率は落ちることになるかもしれませんが、後手勝率やサイド後勝率は良くなったと考えています。
このデッキをプレイしながらパルヘリオンデッキという感覚はありませんでした。ただ主導権を握るために突きつける凶器として機体シュートによる勝ちが存在するだけなのです。これは従来のリストへのプランニングを考えてそれを変化させない(もしくは構築上できない)相手にとても有効です。
サイド後についても、向こうが対策ハンドをキープしがちなのか見極めて、常に相手がケアしていない方に負荷をかけていきましょう。それによりサイドはG2とG3で大きく変化するかもしれません。そのため明確なサイドボードガイドは存在しません。
プレイに関してはこの考えだけあれば大丈夫だと思います。私はコンバット下手なのでめっちゃプレイミスしました。皆さんならもっとうまく使えると思います。
ちなみに私の感覚では一般的な有利不利はざっくり以下の通りになります。同じアーキタイプでも構築理念が違うデッキが存在する以上有利不利をかっちり決めようとするのはあんまり好きじゃないのですが、キープorマリガンで無理するかどうかの参考にでもしてください。
不利→緑単、ケルーガ、独創力、イゼフェニ
微不利→スピリット、白単、グルール、天使
五分→エニグマ、異形化、サクリファイス、ミラー
微有利→ラクドス、青白、ロータス
尖った構築ではない以上明確に有利なマッチは存在しないです。
とはいえこちらの構築の意図を理解しているかどうかでこのデッキの強さは大きく変わるので正直相性はどうでもいいかもと思ってしまいました。
4.Q&A形式での補足
Q. このデッキはパルヘリオンの一つの形として今後も使われていくと思いますか?
A.分かりません。
従来のパルヘリオンの理不尽性をうまく借りて相手に対応を強いたことが好成績の一因だと考えるからです。
デッキのバランスはいいと思いますが、リスト非公開制の利を活かして立ち回りを有利にしただけで周知されてしまえば評価をある程度落とさざるを得ないデッキだと思います。
私とこのデッキをシェアした友人はこの3回のプレミアム予選で良い結果を収めるためだけにこのリストを考案したのであり、その後このデッキを使い続ける予定もありません。
極端な話をすれば拾ったリストにシェオル突っ込んだだけで、今のゼナゴスワーム独創力のようにエポックメイキングな発明でもないので一過性に忘れ去られてもおかしくないと思います。
ただ戦術が例え周知されたとしてもデッキ自体はそれなりに強いので、今後見かけることもあるだろうなと思います。
少なくとも私はこのデッキから離れて従来の発生の器型パルヘリオンを使うことはないです。
Q.対戦相手が履修入りパルヘリオンだと分かった時、従来のリストと戦い方をどう変えるべきでしょうか?
A.3tパルヘリオンの可能性がだいぶ減っているので明らかにケアすべき盤面以外はしっかり盤面取りに行く動きをして良いと思います。除去を2マナクリーチャーに打つことも異界の進化を考えると悪い行動ではないです。
忌まわしい回収がないリストのはずなので、例えばサイド後に2tそのままエンドしてきても返しにフルタップで動いて構いません。
サイド後は対策ハンド一本のキープは危険だと思います。盤面を作ってから対策を差し込んで牽制していく形の方が良いです。
Q.パイオニアでのプレミアム予選やエリア予選でのデッキ選択の基準はなんだと思いますか?
A.デッキの強度です。これは個々のカードの強さとデッキの再現性の2つからなります。
プレミアム予選やエリア予選に出る強い競技プレイヤーといえども私のように1週間の週末だけのためにデッキを組む人はほぼおらず、良いとされるデッキのサイドを調整しながら使っていくことが多いです。そのためこれらの条件を満たすデッキを使っていくことになります。
メタのウィークポイントを探し構築で奇襲を仕掛けていくのは良いと思いますが、同時にデッキの強度を下げるべきでないとも思います。
デッキの強度を下げると1,2回戦の雑多なデッキ相手の戦績が安定せず、予想したメタである上位卓に入れず終わってしまうことが多いからです。
私がヨーリオンデッキを使いたくないのはここに理由があります。ヨーリオンデッキは確かにカードパワー自体は高いですがゲームの再現性という屋台骨の強度が低くなってしまうことが多く、サイドのカードをしっかりと引けずに序盤で負けてしまうことを防ぎたいと考えます。
ここでメインからそういったデッキに対応できるカードを取ることでデッキの構造をより強固にしたいと考えるようになりました。
プレミアム予選で思考囲いを使いたかったのはそういう理由です。打ち消しも良いのですが先手3tの脅威を確実に打ち消しつつ後にも腐りにくいカウンターがパイオニア環境にはないので、黒系デッキを推します。ハンデスの弱点として後引きが弱いというのがありますが、コンボまたはクロックを用意しながら自分の方が軽くスペルを使えるデッキなら後半でも有用に使えると考えます。またルーティングも豊富な方がいいです。
5.まとめ
・墓地のマーク薄そうだったからパルヘリオン使ったよ
・従来の構築に納得がいかなかったからミッドレンジのプランを意識したリストにしたよ
・サイド含めプランはしっかり決めずに相手の対応見ながら揺さぶりかけてくといいよ
6.おわりに
なんだかんだ長くなりましたがこれでおしまいです。
久々にちゃんとデッキ考えたけど、それらは全て脳内での思考結果でした。個人的な問題によりmo等練習できる環境がない状態でぶっつけ本番でやらなきゃいけない状況下で一からカード集める感じでわりと不安でした。
ただ私はかなり運良くファイナルの権利を取れたし、シェアした友人もエリア予選の権利を取れたので3日間の戦績としてはほぼ完璧だと思います。勝率も2人合わせて24-11と7割弱あり、特に上位卓での勝率はとても良かったので満足しています。特に私は実力のないポンコツプレイヤーで大会でもひどいプレイミスを連発していたので、運がひたすら良かったことと同時にデッキがメタに合ってかつ強かったんだと改めて感じました。
一緒にデッキ作ってくれた友人に感謝。
(ちなみにデッキは割と内緒にしてたのに友人がmoリーグ5-0を連発したせいで3回も掲載されて隠してた意味ありませんでした)
パイオニアは自由と不自由のバランスが良く試されてないアイディアも多いので、デッキを考えるのがとても楽しいフォーマットです。
私個人は幕張まで競技マジックやることはないので、6月になったらまたデッキ考えようと思います。上手い人相手にデッキリスト公開制ならではの強みをどう活かしてデッキを調整していくのか、今からすごく楽しみです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは。