自然治癒力と「こころ」の関係
MBIM研究会の考え方と立ち位置について、少しお話しさせてください。
人の捉え方には、心身相関、心身一如など、身体と心は相互に影響しながら時間の経過とともにより良くなろうとする働きがあります。
M B I M研究会では、この働きを理解した上で治療に取り組むことで成果を上げていこうとする試みなのです。
非常事態の今だからこそ、これまでのコミュニケーションの振り返りができ、あり方を見直すことができることと思います。
それでは、コミュニケーションについて必要な考え方とコツを考えていきたいと思います。
身体の恒常性と心の自然治癒力
人は、過度なストレスにより不眠やうつ、さらには身体症状が出現するケースもよく見られます。
もともと、人にはより良くしていこう(マイナスから0へ、ニュートラル)という働きがあることが知られています。
心の治癒力というべき力が働くことで心身の症状改善や回復に影響を及ぼすこともあるのです。
コミュニケーションのあり方として、有害援助と原因探しによって自己否定感が高まり、身動きが取れない状況に至ってしまうこともしばしばあります。問題として顕在化しているモノ、コトにアプローチするのではなく、その人にもともと備わっている心の治癒力にアプローチするという視点でコミュニケーションをとってみる、というのはどうでしょうか。
なぜなら、テクニックやスキルなど経験年数は、症状を改善させるための要因としては影響が少なく、それよりも安心感や信頼感の方が重要であるという研究結果が出ているからです。
出典:https://ameblo.jp/ssakurai-tae/entry-11929967801.html
そこで、私たちに求められていることはなんでしょうか?
自分の価値観や前提、基準となるものさし、体験を伴う経験などのあり方、生き方を踏まえた上でのコミュニケーションにおいて、流れやタイミング、手の差し伸べ方の評価を丁寧に見直すこと、質問力が必要になってきます。
無意識が持っている問題解決力に働きかけるという視点で、それぞれのペースはありながらも、人は現状より良くなりたい、成長したい、という働きがある、ということへの信頼がまずベースとして必要です。
これが信頼できると、関わりの視点とアプローチの方法の幅が自然と広がっていくと思っています。