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コロナパラドックス4

前回までは心理的要因をあげましたが、今回は少し違う角度から述べたいと思います。ちなみに、最初から結論を言うと、今回述べるウイルス干渉説は、一部はありかなとも思えますが、個人的には違うと思っています(皆さんはどう判断しますか?)。消去法として述べたいと思います。

コロナパラドックスとは?

コロナパラドックスとは、新型コロナが入ってくると超過死亡数が増えるのではなく、逆に減るという逆転現象を指します(私が勝手に命名しましたw)。2020年初頭、コロナが日本に入ってくると超過死亡数は減少しているのです。

超過死亡とは、例年と比較して死者数の増減を見る指標であり、WHOも推奨している重要な指標です。それをもう一度、見ていきましょう。

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このように超過死亡数は減少しているのです。

理由は二つ述べました。ご興味ある方は過去記事をご覧ください(part1〜3まであります)。

ウイルス干渉説

あるウイルスが先に流行していると、他のウイルスの流行が抑制される現象が知られていますが、これを「ウイルス干渉」と言います。
コロナが流行ったのでインフルエンザが抑制され、インフルエンザの死者が減ったというのがウイルス干渉説です。

これは毒性が
コロナ < インフルエンザ
となった場合、コロナにかかった方が超過死亡数が減少する、という説です。

インフルエンザの場合、呼吸器系疾患に超過死亡が確認されるはずです。では、見てみましょう。

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これを見ると、2月9日から一週間が下限値を下回っています。インフルエンザが減少した、ということはありそうです。

それでは、2020年のインフルエンザの流行はどうであったかを見てみます。

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出典:Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210904-00252211

これを見ると、1〜5週までのインフルエンザの流行は半分くらい減少しています。とすると、インフルエンザの死者数も減少している可能性があります。これが呼吸器系疾患の超過死亡数を下げている要因の一つと考えられます。しかし、それは一部のことであり、全体の超過死亡を押し下げる程ではないように見えます。ですから、インフルエンザの抑制は一因ですが、その他の要因もあると言うことです。それが、以前、ご紹介したヘルスクライシス説です。健康に対する危機によって、普段よりも健康に配慮した結果、様々な種類の超過死亡が減ったのではないかと考えられます。全ての超過死亡が下がったため、個別に見えてこないのだと考えれます。しかし、唯一、超過死亡の減少を個別で少し確認できるのが呼吸器系疾患なのです。

これをヘルスクライシス説で考える場合、普段よりもう外出や人混みを避け、うがい・手洗い・換気・マスクなどの対策をした結果、インフルエンザの感染者数が抑制され、呼吸器系疾患の超過死亡数が減少した、という説明になります。

では、ウイルス干渉説はどうでしょうか?

この説がもし正しい場合、ウイルスの毒性は、

コロナ<インフルエンザ

となっているはずです。

そして、この説が正しいとなった場合、コロナに感染しておくと、それよりも毒性の高いインフルエンザに感染することがないので、死亡率が減るというトンデモない回答が出ることになります。

しかし、果たして、それはどうでしょうか?

インフルエンザは激減している

これは、2020年1月と2021年1月のコロナ感染者数を比較するとわかります。

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2021年1月の方が感染者数は多いですよね。もし、ウイルス干渉説が正しいのであれば、2021年1月のインフルエンザは2020年よりも更に低いはずです。

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激減しています・・・。

一応、他のサイトでも確認してみます。

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出典:東京感染症情報センター
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/flu/

影すらない状態です・・・。

結論には注意が必要

ウイルス干渉説、ありかも・・・、と思われますが、2021年1月の超過死亡数に下限値を下回るほどのサインは出ていないのです。

こんな感じです。

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確かにウイルス干渉はしており、インフルエンザは激減しているのですが、それは超過死亡数の減少には反映されていません。ということは、やはりコロナに必要以上に警戒したヘルスクライシス説と、思ったよりも毒性が低かった弱毒性説の二つの心理的要因が答えとなる、と考えられるのです。

ということで、コロナにかかるとインフルエンザにかからなくなるから健康になる!ということは微妙そうなので、ご注意ください。

それでは、また。

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