【社会人/博士/体験記】第21回「おお、ブッダよ! 寝ているのですか!」
こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!
このマガジンは、
働きながら、「博士後期課程="社会人"博士」
を目指す体験談です。
前回の記事はこちら ↓↓↓
さて、今回は、
「査読付き論文」に挑戦した話
について書いていきます。
1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!
査読付き論文とは
学会誌には「査読」というシステムがあります。
レフェリーの先生が論文をチェックして、学会誌に載せていいかどうかを決める、というものです。
そして、研究者側にとっては、この査読付き論文を積み上げていくことが、
「あ、手前勝手なことばかり言っているんじゃなくて、
ちゃんと世間に認められている業績があるんですね」
という信用に繋がっていくわけです。
そういうわけで……私も書いたんですよ……査読付き論文、というやつを。
というか、卒業のレギュレーションの中に「博士論文を書きなさい」と言うのに加えて、「査読付き論文も用意しなさい」というのがあるので、書かざるを得ないんですが……。
査読1回目
入学してから、右も左も分からないまま2,3か月を過ごし、そこからさらにコロナで1か月ほど苦しんだのち、3か月ぐらいで書き上げ……。
提出から、1か月後。
を喰らいました。
査読付き論文には、
という4つの種類があります。
今回は、③Major Revision(大幅に修正しないと載せないよ)
祈られてはない
……しかし、論文の内容をがらっと変える必要に迫られることなりました。
このときばかりは、長篠の戦いで織田・徳川連合軍の鉄砲の前に敗れた、武田方の山県昌景のように、血を吐きましたよね。
さて、Major Revision版の提出までに与えられた猶予は1か月。
しかし、このときの鳩は、コロナ以来経験したこともないような、丸一日動けない謎の大病で寝込んでおり、10日ほどをあたら無為に過ごしている真っ最中。
しかも、後期に受けていた授業がちょうど盛り上がっていたところで、こちらも手を抜けない状況。
さらに、全く同じタイミングで締切となっている別の学会の準備。
挙句の果てには、指導教員のX先生が、ちょうど海外出張しているというタイミングの悪さ。
末法の世かと思いましたよ、ほんと。
査読2回目
さて、Major Revisionに当たり、今回の論文には査読者が2名付いています。
こちらはサンドバックも同然なので、けちょんけちょんに書かれるわけです。
例えば、要約して書きますと、
査読者の指摘を完全に無視してもいいかもしれませんが、
論文が落ちるのが確定するだけでなく、
栄光ある孤立と引換えに学会を出禁になるでしょうから、どうにか査読者のツッコミを踏まえた修正を加えていかねばなりません。
そういうわけで、限られた時間の中で、論文を修正していきます。
とはいえ、相手が美女(ポニータ)に見えるかどうかが、自分が強くなったことが理解(わか)ったかどうかのリトマス試験紙と言います。
自分が強くなると信じて、1か月、論文に向き合い、提出……。
そうして、再査読から1か月が経過した結果……。
を喰らいました。
そうか……。
この論文には、2名の査読者がいました。
1名は「短い期間に、よく指示通り修正してくれましたね」とのコメント。
そして、もう1名……1回目からどことなく辛辣だった方は、
「査読修正に当たっての指示内容を全く何もわかっていない。こんな論文は到底認められない」との趣旨……。
「1人は認めてくれているじゃないか!」と異議申し立てをしたところで、勝ち目はありません。
査読者に言われたとおりに修正しても、結果を受け入れるしかない、という現実……。
こうして、鳩は、初めての論文を終えることとなったのでした……。
さて、次回は、査読付き論文の結果を踏まえた話です。
お楽しみに。
to be continued……
参考資料
・挿入マンガ①:宮下英樹『センゴク 天正記』(講談社)
・挿入マンガ②⑤:ブラッドレー・ボンド他(原作)、余湖裕輝(作画)『ニンジャスレイヤー』(KADOKAWA)
・挿入マンガ③:横山光輝『三国志』(潮出版社)
・挿入マンガ④:板垣恵介『グラップラー刃牙』(秋田書店)
・挿入マンガ⑥:板垣恵介『バキ』(秋田書店)