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専門職大学院の魅力

 大学院と比較したときの専門職大学院の魅力は、非常に多くの講義科目の中から進学目的に沿っての学習プランの形成が可能になるという点です。大学院博士課程前期課程(修士課程)では、近年でこそ履修可能な講義の数が増えてきましたが、講義科目の絶対数は、専門職大学院の比ではありません。実際の講義(不開講科目を除くという意味です)が、その大学院の専任の先生方によってほとんどが行われているようなケースでは、なかなか、院生として希望する講義等の科目をチョイスすることができません。
 博士課程前期課程は、修士論文という研究論文を完成するという目的が最も重視され、実務も含めた専門的な広範な知見を提供する専門職大学院とは、その本質を異にします。専門職大学院で多様にそろえられている講義科目の相当数は、非常勤講師や客員教授の先生方によって提供されています。外部から招へいされて実際に講義をされる非常勤講師や客員教授の数の多さが、専門職大学院の特徴と言えます。逆に講義数の少ない専門職大学院については、本当に専門職の養成に相応しい講義や演習が整っているのかという視点で、その内容を吟味することも重要です(←進学希望される場合)。
 専門職大学院の多くは、一定の社会人経験を有することが受験の要件とされています。それゆえ、多業種多職種の同窓と一緒に机を並べて学習と研究を行います。グループワークもあって、自然、様々な人間関係が形成されます。比較的少数の入学者数に留まる博士課程前期課程とは異なって、学友が非常に多いです。私が勤務するビジネススクールは、英語のみで講義を行うコースがあって、その人数を除くと一学年の定員は70名。標準修学年限は二年ですから、前後一年のメンバーと机を一緒に並べるとすれば、約200名もの仲間ができることになります。
 海外の著名なビジネススクールでは、この人間関係の輪の中に入ることに大きな価値を見出して、進学を決意される方もおられると伺います。私がゼミで課題研究論文を担当させていただいた院生のなかには、企業・自治体・大学等に勤務される方にまざって、院長や主任部長クラスの医師、局長・部長クラスの看護師、市会議員、囲碁のプロ棋士、弁護士、中小企業の経営者、大手の民間医療法人の理事長、大学准教授(看護学部)、社会保険労務士、臨床工学技士、臨床検査技師、作業療法士などがおいでになります。
(2022.05.16)
 

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