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追憶、電車通学の日々ー乗り過ごし編ー

電車通学は楽しい。
 僕は高校時代から大学1年生の現在に至るまで電車通学を続けている。往復数時間にも及ぶ通学の中では様々な人との出逢いや新たな発見が時折産まれる、そんな日々の一節を追憶していきながら電車通学の楽しさを伝えていきたいと思う。
 今回は目的駅に到着できなかった苦い日々について記していく。
 
 高校1年生の1学期、夜間定時制高校に通い始めた僕は慣れない生活リズムに悪戦苦闘をしながら学校生活を送っていた。帰宅時間は遅いが翌日には朝からバイトがある、そんな日が続く中でそれは起こった。
 眠気を誘う電車の揺れは非常に心地が良くついうとうとしてしまうが、それでもぐっすり眠りこけるまで深い睡眠を取ることはあまりない。だけどその日は連日の疲れからか爆睡してしまった。そして高校の最寄り駅を寝過ごしそこから数時間掛けて行ったことも無いような遠くの地まで移動、起きて気付く。ここはどこだ。早く降りなければ。外は既に真っ暗だ。
 寝ぼけていたので状況を飲み込めていなかったが目が覚めるにつれて段々と自分の行いを理解した。何やってんねん。
 遅刻のレベルではない。今から高校に行こうとしても到着する頃には授業が終了している。
 仕方ないと思い担任の先生に電話をした。「寝過ごしたんで学校行けそうにないです......」情けない。
「それで今はどこにおるん...??」
「〇〇です。」
「〇〇!?!?そんな所まで行ったん!?!?」
 はい。そんな所まで行ってしまいました。その日はただ電車を往復するだけの一日だった。
クラスメイトに話すとさすがに寝すぎやと盛り上がり卒業するまでイジられることとなった。
 
 寝ていなくても乗り過ごすことがある。
 例えば本を読んでいる時。自分は読書、特に小説を読む時は小説から入ってくる情報以外を全てシャットアウトしたい。イヤホンでホワイトノイズを流して外音を遮断し目は文章以外の全てを見ない。なので感覚でそろそろ駅着いたやろ!と思って外を見ると降車駅はとっくに乗り過ごしていた、なんてこともある。
 それを繰り返したせいで「自分が思っているよりも降車駅は早く着く!!!」という考えになり急いで降りると降車駅の一歩手前で、それに気付いても時すでに遅し。駅のホームで先ほどまで乗っていた電車を見送り次の電車を待つ羽目になる。
 また本を読んでいなくてもスマホで誰かとの会話に夢中になっていると乗り過ごしてしまうなんてこともある。あの日はLINEの最中だった。うわ待ってやばい電車乗り過ごしてもた笑、その発言のおかげで友達との会話が大いに盛り上がったので乗り過ごすことで良いこともある。
 またスマホを見ていなくても乗り過ごすなんてこともある。ここまで来るともうただのちゃんとしていない奴だが、なんとなくボーッとしてたら何か過ぎてた。
 電車通学は楽しい。
 

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