コモンマロウ編
今回ご紹介するのは、古くから薬草として利用されてきたコモンマロウ(Malva sylvestris)です。コモンマロウは、その美しい花と幅広い用途から、料理や薬用、スキンケアなどに活用されています。アオイ科に属する多年草で、ヨーロッパやアジアを原産としています。鮮やかな紫色の花が特徴で、夏から秋にかけて開花します。葉や花は食用や薬用として古くから利用されており、その効能は多岐にわたります今回は、コモンマロウの魅力とその活用方法について詳しく見ていきましょう。
基本情報
水やり:多湿
植える場所:よく日のあたる水はけのよい場所、土質は選ばない
収穫:葉は6~8月、花は7~8月、種は7~9月に取れる
用途:ハーブティはのどの痛みを和らげ便通を促す。ティーに使うのは花で、食べるのは葉っぱと芽の部分
特徴:ハーブティはレモンを入れると、ブルーから紫、ピンクへと変わり、やがて消えることから夜明けのティーやサプライズドティーなどと呼ばれる
花言葉:穏やか、柔和な心、やさしさ、温厚、魅力的
ワンポイント:意外と背丈が伸びるので、1メートルほどの高さを確保できる場所で育てる
栽培のポイント
光と温度
コモンマロウは、アオイの仲間なので、丈夫で寒さにも強い植物です。丈夫で植えっぱなしにできる宿根草ですが、一株の寿命はあまり長くなく、4〜5年に1回、さし芽やタネで更新するとよいでしょう。
土壌と水やり
よく日のあたる水はけのよい場所が適していて、特に土質は選びません。鉢植えの場合は、ハーブ用の土や軽く肥料を混ぜた園芸土を使用すると良いでしょう。草丈は40cm〜100cmと少し高いので、あらかじめ1mほどのスペースを確保しておくと良いかも知れません。
コモンマロウは適度な湿度を好みますが、過湿には注意が必要です。土の表面が乾いたら水やりを行い、乾燥しすぎないようにしましょう。
収穫
コモンマロウの葉や花は、若いうちに収穫すると柔らかくて風味が良いです。定期的に収穫を行うことで、株が健康に育ちます。
活用方法
1.料理
コモンマロウの葉や花はサラダやスープに利用できます。若葉はほうれん草のように調理することができ、花はサラダやデザートの飾りとして利用されます。コモンマロウの花を散らしたサラダやスープの彩りとして使用すると、見た目にも美しい料理が楽しめます。また、コモンマロウの花や葉を使ったハーブティーはリラックス効果や喉の痛みを和らげる効果があります。特に乾燥させた花を煎じることで、美しい紫色のティーが楽しめます。また風邪の予防や消化促進にも役立ちます。
コモンマロウのゼリー
コモンマロウに熱湯を注ぎ、青色のハーブティーを作る
半分を別の器に移し、レモン汁を加え、ピンクのハーブティーを作る
それぞれ寒天で固める
2.薬用
コモンマロウの葉と花の浸出液は、肌を引き締め炎症や湿疹にも効果があります。抗炎症作用、収れん、緩下作用、鎮静作用があり、葉をもんで、虫刺され、傷の手当てに使用します。また、マロウの仲間はどれも咳や胃腸の不調を和らげる効果があるとされています。古くから薬草として利用されてきた歴史があり、風邪や胃腸のトラブルに対する自然療法として人気です。
3.スキンケア
コモンマロウのエキスは保湿効果や肌の鎮静効果があるため、スキンケア製品にも利用されます。乾燥肌や敏感肌のケアに適しており、化粧水やクリームに配合されることが多いです。また、手作りのフェイスマスクとしても利用できます。
まとめ
コモンマロウはその美しい花と多様な用途から、料理や健康、美容に幅広く利用されているハーブです。家庭でコモンマロウを育て、身も心も美しく整えてみてください。
次回の記事では、コモンマロウと同じく薬用として利用価値の高いハーブ、カモミールについて詳しく紹介します。お楽しみに!
参考文献
1.ハーブのホームページ「コモンマロウ Common Mallow ~レモンを入れると色が変化~」2024年8月6日閲覧
https://www.myherb.jp/main/library/herb/ka/marrow.html
2.みんなの趣味の園芸「マロウの基本情報」2024年8月6日閲覧
https://www.myherb.jp/main/library/herb/ka/marrow.html