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魔法とは何か? Page.2『天空聖者』

「魔法とは何か?」という問いは答えが無いように見えます。実際そうでしょう。魔法は今のところ実在しません。しかし、誰しもが魔法と聞いて頭に思い浮かぶイメージがあると思います。杖、魔法陣、もっと概念的なもの等。この記事では、数多ある魔法の中から、魔法をより理解できるようになるかもしれないものを紹介します。
今回紹介する魔法は…『魔法戦隊マジレンジャー』における魔法。

・『魔法戦隊マジレンジャー』とは
スーパー戦隊シリーズの29作目にして30周年記念作品。モチーフは魔法で、メンバー全員が魔法使い。放送当時に流行していた『ハリー・ポッター』シリーズから強く影響を受けており、ドラゴンや機関車等が登場する。

・『魔法戦隊マジレンジャー』における魔法
戦隊ものなので、舞台設定は放送当時(2005年)の日本。つまり、魔法は存在しない、架空のものとされている世界。でも実は、世界は人間が暮らす地上界の他に、天空聖界マジトピアと地底深くにある世界があり、マジトピアには魔法を使える天空聖者が、地底深くにある世界にはインフェルシアという怪物達が暮らしている。小津家の5人兄妹達は、邪悪なインフェルシアから地上界を守るため、天空聖者達から魔法の力を与えられてマジレンジャーとなる。

本来、魔法は天空聖者だけが使えるものだが、天空聖者と契約することによって地上界の人間でも魔法を使えるようになる。契約した天空聖者によって使える魔法が変わり、

末っ子の魁は、炎を司るフレイジェル
次男の翼は、雷を司るボルジェル
次女の麗は、水を司るスプラジェル
長女の芳香は、風を司るウインジェル
長男の蒔人は、大地を司るグランジェル

と、それぞれ契約しているため、それぞれに対応した属性(エレメント)の魔法を使うことができる。使えると言っても、その質は天空聖者が使うものと比べると劣る。魔法使いとして成長すれば、より強力な魔法を使えるようになり、更に成長し続ければ天空聖者になることもできるが、そうなった場合、人間だった頃の記憶は失われてしまう。


マジレンジャーは1人1つ、マージフォン(写真左)という携帯電話型のアイテムを持っており、見た目そのまま携帯電話として使うこともできるが、ボタンを押すと変形して杖のような見た目になる。この状態で番号を入力すると、対応した呪文が詠唱され、魔法を使うことができる。呪文はそれぞれが意味を持っており、4つまでの組み合わせによって、その魔法の効果を表している。具体的には以下の通り。

1、マージ 自身
2、ジルマ 他者、物体
3、ジジル 召喚
4、マジーネ 解除
5、ジンガ 合成
6、マジーロ 変化
7、マジカ 強化
8、ジー エレメントパワー
9、マジュナ 消失、移動
0、マジ 魔法力増強

例えば「106」で「マージ・マジ・マジーロ」となり、意味は「自身・魔法力増強・変化」、つまりマジレンジャーに変身することができる呪文となる。これらはあくまで人間が使うための呪文であり、天空聖者や元々天空聖者だったため魔法を使うことができるインフェルシアが使う呪文は、それぞれ異なっている。
その他にも、原始の魔法という強力な魔法を使うための特別な呪文があり、これはダイアルロッド(写真右)というアイテムを使ってのみ詠唱することができる。黒電話のような回転式のダイヤルがついており、番号は1~5のみ。具体的な呪文と意味は以下の通り。

1、マジボルト 原始のエレメントパワー
2、マジュール 大変化
3、ゴゴール 覚醒、合体
4、ジンガジン 大合成
5、マジェンド 大解放

以上、『魔法戦隊マジレンジャー』における魔法でした。なんと言っても呪文が言語として機能しているのが面白いですね。作中に登場しないものでも、組み合わせ次第でオリジナルの魔法を作れるということです。『ハリー・ポッター』に出てくる呪文はラテン語が基になっていますが、造語にすることでそれよりも親しみやすい物になっていると思います。また、なんとなく呪文の語感と意味は合っているような気がします。「マジーネ(解除)」や「マジュナ(消失、移動)」はナ行で終わるので、神秘的で、不安定な印象を受けます。原始の魔法は分かりやすく、普通の呪文と比べて明らかに語感が強くなっています。声に出したくなるし、その魔法を使っている気分になれます。非常によく考えられた設定だと思います。