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弓道の初めにやること

 皆さんは、弓道をやり始めて最初にやることをご存知でしょうか。最初にやることは、弓の引き方の基礎である射法八節を覚えることです。この射法八節は弓道において一番大事なものになります。今回はこの射法八節について紹介をしていきたいと思います。
 
 まず、射法八節とは何なのか。射法八節とは、矢を射る際の八つの基本動作のことです。一つ目が、「足踏み」と言われるもので、立つ位置を決めるためのものです。二つ目は、「胴造り」で、姿勢を整えることです。三つ目は、「弓構 (ゆがま) え」で、弦に指をかけることです。四つ目は、「打起 (うちおこ) し」で、弓を持ち上げること。五つ目は、「引分 (ひきわ) け」で、弓を引くための動作です。六つ目は、「会 (かい)」で、狙いを定める動作です。七つ目は、「離れ」で、矢を射る動作です。八つ目は、「残心 (ざんしん、残身ともいう)」で、矢を射た後の姿勢のこと。この八つの動作のことが、射法八節と言われるものです。
 
 初心者はこの射法八節を実際にやることが最初にやることです。私がやったときは、射法八節を声に出しながら練習をしていた。声に出しながらやることで、射法八節を覚えることができるからです。また、この射法八節を覚えるための練習のことを「徒手」といいます。徒手練習は、弓と矢を持たずに射法八節の動作を行う練習のことを言います。最初なので道具は使わずに練習をしていきます。弓を引いたり、的を狙う動作などに意識を向ける必要がないので、自分の動作に集中できることから弓道を始めたばかりの初心者には有効な練習方法です。また、十分に理解していない初心者のうちは、一人で徒手練習をしていると射形(弓を引くこと正しい姿勢のこと)の乱れなどにも気づきにくいので、射癖(正しい射形ではないこと)などがつかないように指導の先生、もしくは正しい射形が身についている先輩などの中級者以上の人に頻繁に見てもらうと良いですね。なお、徒手は中級者以上の方でも、試合前に自分の動作を再確認することが出来るなど、イメージトレーニングにも適しています。特にスランプなどに陥って、成績が伸びな悩んでいる時などは、自分の動作をスマートフォンなどで撮影して、客観的に見るようにすれば、自分の射形の問題点や、無意識での射癖などを発見するのにも役立つことでしょう。
 いずれにしても、射法八節の正しい動作を体に覚え込ませることが徒手練習の目的になりますので、手を抜くと上達はしないので、しっかりとこの練習の意味合いを理解して取り組むことが大切です。