北区 ~我がふるさと~#01
まえがき
お疲れ様です。
このシリーズでは、10日かけて私の故郷・北区のなかにある観光スポットの魅力をつたえていきたいと思います。
私は暇ができると自分のすむ街の散策にたびたびでかけるのですが、そこで自分の街のちいさな魅力に気づくと、自分だけのおきにいりスポットを見つけたような気がしてすこしだけうれしくなるものです。
本記事を執筆する理由は、そういうちいさな喜びを共有することです。
もし本記事をご覧になった皆様が、北区の名所に立ち寄ってみたり、自分だけのおきにいりを探して、皆様自身のすんでいる街の散策にでかけてみたりしてくださったら、これ以上の喜びはございません。
特に、今週はせっかくのGWです。たまには童心に帰ってちょっとした探検をしてみてはいかがですか?
「王子駅」編
そんなわけで本日が記念すべき第1回。今回紹介するのは北区の中心「王子駅」付近です。
王子は北区の中央あたりに位置している地方です。
そのなかでも王子駅付近は、北区役所の最寄り駅でもあり、飛鳥山公園、北区博物館などといった北区屈指の名所も集中しています。
そういう意味で、王子は北区にとって文化・政治両面での中枢であると言えるでしょう。
もちろん、そのような一際強く輝く格式高き名所の裏には、住民の人気をささえるささやかな名所・名店が存在しており、満点の星空のように王子を彩っているのです。
今回は、そんな王子駅付近の名所の中でも、3つの公園に焦点を当てていきます。
● 名所解説
○ 飛鳥山公園
JR王子駅中央口の急な坂道がある出口から左手にある、北区内トップクラスの敷地面積を誇る大公園です。
飛鳥山は事業家渋沢栄一の別荘の所在地として北区民には有名であり、近年では区外にもそのことを観光の呼び込み文句として宣伝されています。
この公園には旧渋沢庭園が組み込まれており、現在でも残っている旧渋沢庭園の施設は国の重要文化財に指定されています。(*1)
……と、歴史の重みが感じられる公園ではあるのですが、それ以上に魅力的なのは、この公園から望む景色でございます。
京浜東北線に隣接された、ちょうどいい高さの高台から望む現代的な商店街の景色はまさに絶景。
飛鳥山公園内部が緑に囲まれているのもあって、まるで自分が自然と都会の境目にいるかのような、ただ高いだけの塔には出せない独特な情景を映し出してくれるのです。
○ 音無親水公園
同駅同出口の右手にある、谷底の下にあるような構造が特徴的な公園です。
この公園は、開発が進むなかで失われてしまった王子の自然を復活させたいという、区民の熱い想いから造られることとなった、いわば自然の博物館のようなものなのです。
その結果として、往年の王子名物であった「王子七滝」のひとつ「権現の滝(ごんげんのたき)」を始めとした、消滅してしまった名所の数々が再現されることになったのです。(*2)
そんな音無親水公園全体における特徴としては、両端に北区の象徴である桜並木が、中央に石神井川(しゃくじいがわ)から引かれた水路があり、飛鳥山公園と並んで四季折々の景色が楽しめる点があげられます。
また、水路の一部は底が浅く立ち入りが可能になっており、夏になるとそこにも水が引かれて子供たちの水遊びの場となります。
水浴びにはしゃぐ少年少女を眺めながら、自分は先人たちが再現してくれた自然のなかでゆっくりとくつろぐ。そんな癒しを求める方にはとっておきのスポットとなるでしょう。
○ 名主の滝公園
同駅の飛鳥山側の出口から、赤羽方面へ線路をたどるように歩くと見つかる公園です。
ここは名前通り江戸時代にとある名主が自邸に開いた庭園がベースとなった公園で、音無親水公園の項目で説明した往年の王子名物「王子七滝」の中で唯一現存する滝が見られる場所にもなっています。(*3)
上記二つの公園と比べて最寄駅から遠いところにあることから、メディア露出において割を食っている印象はありますが、歴史的資料としては、この公園もなくてはならない場所なのです。
もっとも、そんなむずかしいことを考えなくても、ほどよく手入れが施された雑木林や権現の滝と比べてごつごつとした印象を与える滝は、音無親水公園とはまた違った趣があり、頭を空っぽにして楽しむ分にも決して見劣りはしません。
また、林が生み出す木陰も相まって、夏には熱さをしのげる休憩所としての価値も見出すことができます。
もし、夏に北区を訪れて、王子・赤羽間を徒歩で移動するような事があったら、休憩がてらこの公園に立ち寄って、北区最後の歴史ある滝をご覧になってみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか。なんてことなさそうな街でも、探してみるとその町にしかない魅力がたくさん見つかるということがおわかりいただけたかとおもいます。
今週からこんな感じで週2回ずつ、10日に分けて北区の魅力、散歩の魅力を伝えてまいりたいとおもいます。
そして、この記事がみなさんが身近な冒険に出ていくきっかけになったならば、これ以上うれしいことはございません。
そういう人が現れたなら、もしよろしければ、どこに行ったか詳しく話を聞かせてくださいね。
それでは、今日から宜しくお願いいたします。
三瓶
出典:
*1 飛鳥山3つの博物館 「飛鳥山とはー渋沢栄一の住まいー」(閲覧日:2023年5月1日)
*2 北区公式ホームページ 「音無親水公園」(閲覧日:同日)
*2 北区公式ホームページ 「名主の滝公園」(閲覧日:同日)