見出し画像

冴えわたる山下達郎、「3時間越え」ライブツアー・レポ


いつもながら、3時間越えの圧巻のライブショー。

齢70を超えてもパワフルに活動中の山下達郎。

あらためて、2023年の秋の熱い思い出を。(今年もコンサートツアー中!)


* * *

あのギターリフで颯爽と始まる、そう「SPARKLE」!

小気味よさと勢い!
ベースの音も太く、ドラムスの刻みも上手い。

しゃれた50年代のアメリカを模した豪華なセットの中、
繰り出されるヒット曲の数々。

(ちなみにセットはこんなの ↓)


「ドーナツ・ソング」でのボトルネック奏法もシビレた!!

曲の途中でDr.ジョン「Iko Iko」も織り込んでたなー
(お客さんも手拍子で参加!)

* * *

トークも抜群におもしろいタツロー氏。

「ツアー再開して15年経ちまして」
「無事 中期高齢者に」
「いちげんさん (悪い意味じゃないですよ) やお若い方 (10〜40代) まで、来ていただきありがたい」
「だって私、20才のとき、70才のライブ見に行かないもの(笑) 」

などなど 笑


ご当地トークも。
1974年(歴史!)、雲龍ビルでセンチメンタル・シティ・ロマンスといっしょに演ったとき、
「『ガーッ』って寝てるおっさんの前でやるのは根性がいりましたが」

積年のボヤき、知られざる苦労の時代。

* * *


(ラジオリスナーならご存知) 最近は摂生なさってるタツロー氏、声の太さと伸びやかさは極上。
客を楽しませようという気概がボーカル、そして演奏からも滲み出る。

曲間の、バンドのフェードイン/フェードアウトのうまさも光る。
「土曜日の恋人」……

生演奏、ソウルミュージック特有の「キメ」を繰り返すところも熱い!
「three times!」から発展して、バンドメンバー全員で「70発(!)」ちゃんとカウントをキープして成功!

そして「SOLID SLIDER」のあの切れ味、攻撃性。


そうそう、今ツアーから作曲家としても著名な ( TV「世界遺産」など) 鳥山雄司さんがギタリストとして参加!
びっくり仰天、大歓喜です。

* * *


突如巻き起こった世界的「シティ・ポップ」ブームについても話してました。(「狐につままれた気持ち」)
この2023年はRCA / AIRイヤーズの頃の作品の再発もさかん、それがライヴの曲目にも反映されていました。


かつてのあの有名なマクセルのテレビCM撮影ウラ話も。

・あれは朝日に見えるが実は「夕日」
・肩車されて「大井川の舟渡りみたいに」海の中へ
・打ち上げのご馳走が「フルーツしか食べてないコウモリ」

現地では高級品だが「毛の喉ごしが…」うんぬん。

「世間の慰み者になって…」と何度もグチるので、思わず笑っちゃう(笑)

* * *


喋りだけでなく、パフォーマンス中もサービス精神は忘れない。

ハンドマイクに持ち替え、ステージの左右に移動し、観客を見据えて大声&美声を見せつける。

はっきり「三階席のいちばん後ろのみなさんまで」と口にし、しっかり歌声を届けるありがたさ、声量。

大ヒット曲「クリスマス・イブ」の、例の「アレ」も、きらりと一度だけ。  💫


この年もっとも大切だった楽曲はやはり「蒼氓」でしょうか。

曲のなかに自曲「希望という名の光」や、岡林信康「曲のなかに私たちの望むものは」を歌い織り込む、特別なパフォーム。

楽曲で届けるメッセージ。
文字や映像では伝わらない、生々しいエネルギーと祈り。

まさかのグッズ、アクリルスタンド (もう一種あり)


* * *


リバイバルを受けた過去の楽曲群、「このバンドメンバーだと現代的批評性を持ち、誇りを持って演奏できる」ということばも力強かった。


いよいよライブも後半。

「CIRCUS TOWN」ではタツロー氏の得意技、「ギターカッティング」で魅せる!

そして口にはくわえた笛を吹き鳴らし、さらにヒートアップ!

セットの街並みもネオンが虹色に光り輝き、夢心地に。

客席を爆裂に盛り上げてから

「木戸銭もらったら こっちのもの!」

と宣うのは最高!!(返金要求する気は全くねェよ!大満足だよ 笑)


* * *

「過去と、現在が混じり合って…わたし特有の妄想ソング」というMCから
当時の最新シングル「Sync of Summer」。

歌う前にはヤマタツみずからボードを掲げてCDの宣伝も(笑)

この曲好きなんだー♪


さらに名曲「RIDE ON TIME」で沸騰する会場!

レコーディングアーティストと思われがちな山下達郎、
実は根っからの「ロックンローラー」であるのが分かる。

ボーカリストとしての魂と、バンドアンサンブルの完璧さ。

客席に向けて叫んだ「死ぬまでやったるわい!」の声に
「それでこそ!」とおおきく頷いた。



猛々しさと柔らかさは表裏一体。

美しいひとりアカペラで終了。

人差し指でほっぺたを「ポンッ」と鳴らすユーモアも見せながら、コンサートの幕は降りる。

* * *


ヒット曲の多さ、歌唱のたしかさとともに「走り続ける意味」「飛び続ける意義」を強烈に感じさせるライブでした。

機会があれば、ぜひ、また!!

… チケットほんとうに取れないんだよなー!(泣き笑い)

  (2025年、竹内まりやのツアーにも帯同予定とのこと!)

* * * * * *
* * * * * *

「山下達郎 PERFORMANCE 2023」
 2023年9月12日 (火) センチュリーホール

【セットリスト (曲目) 】

1. SPARKLE
2. 雨の女王 (RAIN QUEEN)

3. メドレー
・LOVELAND, ISLAND
・ドーナツ・ソング

4. 土曜日の恋人
5. SOLID SLIDER
6. FUTARI
7. 潮騒
8. Groovin’ (ヤング・ラスカルズ)
9. Bella Notte
10. Have Yourself A Merry Little Christmas (ジュディ・ガーランド)
11. クリスマス・イブ

12. メドレー
・蒼氓
・私たちの望むものは (岡林信康)
・希望という名の光
・蒼氓

13. ずっと一緒さ

14. メドレー
・SILENT SCREAMER
・BOMBER
・SILENT SCREAMER

15. メドレー
・LET’S DANCE BABY
・愛を描いて-Let’s Kiss the Sun-
・さよなら夏の日
・CHEER UP! THE SUMMER
・LET’S DANCE BABY
・Mean Woman Blues (ロイ・オービソン)

16. CIRCUS TOWN

アンコール

17. Sync Of Summer
18. Ride On Time
19. 恋のブギ・ウギ・トレイン
20. YOUR EYES

グッズ一覧   2023

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?