冴えわたる山下達郎、「3時間越え」ライブツアー・レポ
いつもながら、3時間越えの圧巻のライブショー。
齢70を超えてもパワフルに活動中の山下達郎。
あらためて、2023年の秋の熱い思い出を。(今年もコンサートツアー中!)
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あのギターリフで颯爽と始まる、そう「SPARKLE」!
小気味よさと勢い!
ベースの音も太く、ドラムスの刻みも上手い。
しゃれた50年代のアメリカを模した豪華なセットの中、
繰り出されるヒット曲の数々。
(ちなみにセットはこんなの ↓)
「ドーナツ・ソング」でのボトルネック奏法もシビレた!!
曲の途中でDr.ジョン「Iko Iko」も織り込んでたなー
(お客さんも手拍子で参加!)
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トークも抜群におもしろいタツロー氏。
「ツアー再開して15年経ちまして」
「無事 中期高齢者に」
「いちげんさん (悪い意味じゃないですよ) やお若い方 (10〜40代) まで、来ていただきありがたい」
「だって私、20才のとき、70才のライブ見に行かないもの(笑) 」
などなど 笑
ご当地トークも。
1974年(歴史!)、雲龍ビルでセンチメンタル・シティ・ロマンスといっしょに演ったとき、
「『ガーッ』って寝てるおっさんの前でやるのは根性がいりましたが」
積年のボヤき、知られざる苦労の時代。
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(ラジオリスナーならご存知) 最近は摂生なさってるタツロー氏、声の太さと伸びやかさは極上。
客を楽しませようという気概がボーカル、そして演奏からも滲み出る。
曲間の、バンドのフェードイン/フェードアウトのうまさも光る。
「土曜日の恋人」……
生演奏、ソウルミュージック特有の「キメ」を繰り返すところも熱い!
「three times!」から発展して、バンドメンバー全員で「70発(!)」ちゃんとカウントをキープして成功!
そして「SOLID SLIDER」のあの切れ味、攻撃性。
そうそう、今ツアーから作曲家としても著名な ( TV「世界遺産」など) 鳥山雄司さんがギタリストとして参加!
びっくり仰天、大歓喜です。
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突如巻き起こった世界的「シティ・ポップ」ブームについても話してました。(「狐につままれた気持ち」)
この2023年はRCA / AIRイヤーズの頃の作品の再発もさかん、それがライヴの曲目にも反映されていました。
かつてのあの有名なマクセルのテレビCM撮影ウラ話も。
・あれは朝日に見えるが実は「夕日」
・肩車されて「大井川の舟渡りみたいに」海の中へ
・打ち上げのご馳走が「フルーツしか食べてないコウモリ」
現地では高級品だが「毛の喉ごしが…」うんぬん。
「世間の慰み者になって…」と何度もグチるので、思わず笑っちゃう(笑)
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喋りだけでなく、パフォーマンス中もサービス精神は忘れない。
ハンドマイクに持ち替え、ステージの左右に移動し、観客を見据えて大声&美声を見せつける。
はっきり「三階席のいちばん後ろのみなさんまで」と口にし、しっかり歌声を届けるありがたさ、声量。
大ヒット曲「クリスマス・イブ」の、例の「アレ」も、きらりと一度だけ。 💫
この年もっとも大切だった楽曲はやはり「蒼氓」でしょうか。
曲のなかに自曲「希望という名の光」や、岡林信康「曲のなかに私たちの望むものは」を歌い織り込む、特別なパフォーム。
楽曲で届けるメッセージ。
文字や映像では伝わらない、生々しいエネルギーと祈り。
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リバイバルを受けた過去の楽曲群、「このバンドメンバーだと現代的批評性を持ち、誇りを持って演奏できる」ということばも力強かった。
いよいよライブも後半。
「CIRCUS TOWN」ではタツロー氏の得意技、「ギターカッティング」で魅せる!
そして口にはくわえた笛を吹き鳴らし、さらにヒートアップ!
セットの街並みもネオンが虹色に光り輝き、夢心地に。
客席を爆裂に盛り上げてから
「木戸銭もらったら こっちのもの!」
と宣うのは最高!!(返金要求する気は全くねェよ!大満足だよ 笑)
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「過去と、現在が混じり合って…わたし特有の妄想ソング」というMCから
当時の最新シングル「Sync of Summer」。
歌う前にはヤマタツみずからボードを掲げてCDの宣伝も(笑)
この曲好きなんだー♪
さらに名曲「RIDE ON TIME」で沸騰する会場!
レコーディングアーティストと思われがちな山下達郎、
実は根っからの「ロックンローラー」であるのが分かる。
ボーカリストとしての魂と、バンドアンサンブルの完璧さ。
客席に向けて叫んだ「死ぬまでやったるわい!」の声に
「それでこそ!」とおおきく頷いた。
猛々しさと柔らかさは表裏一体。
美しいひとりアカペラで終了。
人差し指でほっぺたを「ポンッ」と鳴らすユーモアも見せながら、コンサートの幕は降りる。
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ヒット曲の多さ、歌唱のたしかさとともに「走り続ける意味」「飛び続ける意義」を強烈に感じさせるライブでした。
機会があれば、ぜひ、また!!
… チケットほんとうに取れないんだよなー!(泣き笑い)
(2025年、竹内まりやのツアーにも帯同予定とのこと!)
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