ミスマッチ
何軒か見学を回ってマシかマシじゃないかの判断基準で思い切って選んでもハズレなものはハズレてしまうものだという悟り
簡潔に言うと年内で退職することに決めました。
働き続けても心身共に消耗するだけで、自分の学びたい技術は得られないと感じたことが一番の理由です
施術が終わりお客さんの後ろ姿を見て、カッコいい、綺麗、可愛い、美しい、というような、単純に素直に心が動くというような技術がそこには無かった
生意気と分かっていても、それが紛れもない隠し切れない本心だ
失礼を承知の上、妥協に妥協を重ね、人員があり、営業終わりに練習時間も確保してもらえるということだけを目当てにし、アシとしてある程度使えるようになるまでの踏み台にしか思っていなかったのだが、一日目からの違和感、客層やオーダー、雰囲気、人間関係、社風、サロンワークで何を重視しているのか、様子見していたが、勤務して10日目を過ぎて、退職の意向を上長に伝えた
第一声は簡単に辞めるとかいうけど、社保の手続きとか大変なんだからね(怒)でした
通信過程とはいえ一応学生の身なので、福利厚生とか重視していなかったし、強制的に社保加入させられたのは、こちらとしても不都合で面倒だった
こういうミスマッチが起きた時、試用期間中が無いと雇われる側はデメリットしかない
もう少し謙って伝えるべきだったのかもしれないが、単刀直入に退職の意を伝えると嫌味を言われた
人員があり、人頭でシャンプーの練習する機会を与えてもらったおかげで、入客も早かったのかもしれないが、それ以降の達成感は特に無い
皆、業務中は誰一人として助けてはくれないしサポートも無いので、常にピリピリとしていて、冷ややかな雰囲気なので、自分のやれることを見つけて、空気読んでやってみるの繰り返し
分からなければ聞いてみるが、忙しいからと教えてもらえないことも多かった
あとは、雑務、掃除、雑務、掃除
新しい工程に入ろうとしても、入らなくていいと言われ、客が気難しいのか、入ってほしく無い理由があるにしても、やらなくていいと言われると、尚更モチベダダ下がってしまった
退職する意を上長に伝えてから何日かして店内ミーティングでスタッフに伝えたらしく、その日を境に対応が更に冷ややかになった
そして、その日の練習担当のスタイリストにここから去る未来が無い人に教える義務は無い、金銭を貰って教えているわけでも無いしここは学校では無いのだから、と言われ練習させてもらえなくなった
上長曰く、退職を決めた人に何も教えなくなるのは辞めておきたいと言っていたがあくまでその人個人の考えであって、人の数だけそれぞれの考えがあり、それらをまとめて統一することすらままならない職場環境だからこそ消耗し、疲弊するだけなのだと、改めて退職する意は揺るぎないものとなった
当然のことだとは思うが、早期退職の意を示した途端、冷ややかだった対応が更に冷ややかとなった
入職して何日か後にバックルームで何故この歳で目指そうと思ったのかと、尋ねられたのだが、コロナ禍が一番のきっかけで、やり甲斐のある仕事がしたかった、と伝えると、ある日突然美容師になりたいと思う?等と居合わせた従業員と茶化すような反応をされた
茶化したつもりがなかったとしても、私にとっては不快だった
美容業界の人なら誰しも知っているであろう、マンモス校だが、通信過程での入学先を伝えると、それどこにあるんですか?知らないんですけど、と言われた
まぁ何かと不快だった
口を開いても不快で、開かなくても無言でやれという暗黙の了解のような、尋ねても教えてもらえずということも多々あり、それらのことが地理も積もれば山となり、日に日に不信感が増し、やる気も無くし、諦めへと変わっていった
面接当初、人手不足では無く、人を増やしたいと言っていたが、素人目からしても人手不足、技術不足で、店がギリギリ回っている状態で、尚且つ低価格でスピード重視のような回転率の高いサロンということが分かり、流れ作業のような施術を見て更に気が滅入った
強制的に参加させられた仕事上のグループラインで過去のシフト表も自然と目にすることが出来たのだが、この数年で人の入れ替わりが激しく、数ヶ月単位で名前が入れ替わっていることに気付いた時、定着率の低い場所なのだと分かり、その理由も察してしまった
人が離れていって当然だとは思う
今度こそという思いで入職したが、その清らかな気持ちも数日で地理も積もれば山となり、そしてその山は消耗してしまった
とにかくタイム、タイムでスピード重視
あと何分後にここを仕上げる、上げたらその席を片付けすぐに次の人を通す、飲食店のような回転率だと思った
これが当たり前なのだろうが、結構驚いた
理想と現実のギャップに苦しんでいるのだが、自分がなりたい美容師像を追求するためにもめげずに新たな職場を探したい