傷付いた治療者
小論文を書くための材料と知識を増やすためにケアについての文献を読み始めた。
一般的な(所謂臨床的)ケアについての文献なんていうかありきたりで退屈なので全然心に響かない。
やはり精神的なケアについての文献が読みたくてアマゾンでパッと目に付いたのがこの本だ。
数日前から読み始めたばかりだが、内容はとてもわかりやすくユーモアも交えていて素晴らしく読みやすい。
また私に希望を与えてくれたページがあった。
それは、治療する側も患者をケアすることによりケアされる、つまり癒す側が癒されることに繋がるということだ。
傷を背負ったものが傷の手当てをし、お互いに癒し合うということ。
治療者は治療される側に自身を投影しそして治療しているはずが治療されているということ。
意外にも傷付いたものが他者をケアすることにより自らも癒されるというテーマを題材にした映画やアニメは多いらしい。
例えばパッチ・アダムスとブラックジャック。
パッチ・アダムスは自殺企図のある鬱病患者で精神病棟に入院している時ピエロの格好をして他の患者を笑わせたことがきっかけで精神科医になったという内容の映画らしい。
こんな素晴らしい題材の映画があったのか、近日中に絶対に観よう。
他にも境界性人格障害で自殺未遂を繰り返していたが臨床心理士になったという女性の記事を読んだことがある。
日本社会では精神病に対して寛容でないイメージが付き纏っているが、実際はどうなんだろうか。
元精神病患者で寛解し医療従事者になっている人はいるのだろうか。
公表しないだけなのだろうか。
現に私がまだ出会っていないだけだとしたら大きな誤解であるが、自分の痛みさえ知らず他人の痛みなど分かり得るはずがない。
経験した人間にしかわからない痛みがあるからだ。
だからこそ傷付いた人間が傷付いた人間をケアして人生を再構築させるきっかけ作り環境作りをすべきだと思った。
そう考えたら私にしか出来ないことがあるはずだ。
根拠はないけれど、私にも出来そうな気がしてきた。
このページを読んだ時だけとても前向きな気持ちになった。
傷付いたものが傷付いたものをケアする。
痛みを知らない人間に痛みをケアすることはできないこと私はよく知っている。
明日はオープンキャンパスに行く。
看護の道が開ければいいな。