腕相撲(アームレスリング)のコツ|吊り手(トップロール)と噛み手(フック)の構え方・使い方
腕相撲(アームレスリング)の2つの技、つまり吊り手(トップロール)と噛み手(フック)それぞれの技の特徴や構え方・使い方について、アームレスリング元日本代表・アジア選手権3位の筆者が、初心者や一般のトレーニング愛好家にもわかりやすく解説します。
なお、国際競技としてのアームレスリングは世界規格公式公認台を用い、国際ルールによって行う必要がありますが、本記事ではあくまでも一般的な腕相撲・アームレスリングに関して記載しています。
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アームレスリングの技術は日進月歩で進化しています。下記の記事は、筆者が運営するサイトに掲載した最新の技術記事です。本記事とあわせてご活用ください。
アームレスリングのコツと最適なトレーニング方法(EAC日本公式)
アームレスリングとは
まずは、こちらの動画をご覧ください。100kgの筋骨隆々としたボディビルダーと70kg級のアームレスリング選手のエキシビションマッチの様子です。
筋力は筋量に比例しますので、力では間違いなくボディビルダーのほうが上回っていますが、アームレスラーは全く動じずに余裕で勝ってしまいます。
これは、アームレスラーがアームレスリングの技の一つである吊り手(トップロール)を使い、相手の力が出ない状態にしているからです。
アームレスリングの二つの技について
アームレスリングには、吊り手(トップロール)と噛み手(フック)という2つの技があります(サイドプレス・サイドアタックなど派生技もありますが)。
それぞれの技の特徴・構え方・使い方を動画と画像で見ていきましょう。
吊り手(トップロール)のやり方
こちらが、トップロールの模範的なやり方の動画です。向かって左側の黄色いシャツの選手が上手にトップロールを決めていきます。
吊り手(トップロール)のやり方を一言で表現すると、「肘を支点にテコの原理で相手の指先を吊り上げる技」です。これにより、相手は指と肘が伸びてしまい、全く力を出すことができなくなります。
ちょうど、くぎ抜きの動きを考えてもらうとわかりやすいと思います。
吊り手(トップロール)の動きは次の3つの動作を連続的に行うことで構成されています。
①肘を支点に相手の指先を後方に吊り上げる(この時にストロークも加える)
②身体を沈めながら自身の前腕を立てていき、相手の腕を引き込む
③回内回旋(自分の手の甲が上になる向きに回す)をかけながら、斜め後方に倒す
さらに詳しくは、下記の記事をご参照ください。
噛み手(フック)のやり方
こちらは、噛み手(フック)の典型的な動画で、向かって右側の選手のフックが上手く決まっています。
フックは単純に手首を巻き込んで倒す力技に見えますが、実はそうではありません。
自分の小指の付け根で相手の手首を下敷きにしつつ引き込み、相手の力を封じ込めてから倒す技です。
噛み手(フック)も3段階の行程を経て相手を倒しますが、それは以下の通りです。
①小指の付け根で相手の手首を押さえ込みながらリストを入れる
②斜め後方・下方に引き込む
③斜め後方に捻りながら(親指をねじ込む方法)倒す
さらに詳しくは、下記の記事をご参照ください。
腕相撲(アームレスリング)の構え方
腕相撲(アームレスリング)の構え方として、まず初めに大切なのが肘の置き位置です。とにかく、腕をしっかりと身体に固定して動かさないことが重要ですので、肘は肩よりも内側に置いて構えます。
なお、初動の方向との兼ね合いで、吊り手(トップロール)は身体の中心付近まで内側に肘を置き、噛み手(フック)はそれよりもやや外側に構えるのが一般的です。
さらに詳しくは、下記の記事をご参照ください。
腕相撲(アームレスリング)の肘の固定
腕相撲(アームレスリング)において、次に重要となるのが肘関節を90度前後で固定して動かさないことです。常に肘は支点であり、角度は変わりません。腕で倒すのではなく身体ごと倒すことが重要です。
筋肉の収縮には、伸張性収縮(エキセントリック収縮)、短縮性収縮(コンセントリック収縮)、等尺性収縮(アイソメトリック収縮)の3種類がありますが、腕相撲(アームレスリング)での筋収縮は等尺性収縮になります。
さらに詳しくは下記の記事をご参照ください。
腕相撲(アームレスリング)のスタート
腕相撲とアームレスリングの最大の相違点は、前者が単なる力比べなのに対し、後者はスタート打撃を伴うことです。
具体的には、軸足の踏み込み力を肩と肘でロスすることなく、相手の手に打撃として加えます。
アームレスリングの国際大会など、ハイレベルな試合を見れば、力比べではなく打撃戦であることがよくわかります。
詳しくは下記の記事で解説しています。
腕相撲(アームレスリング)に必要な手首の強さ
腕相撲(アームレスリング)に必要な手首の強さ(リストの筋力)は、使う技がトップロールなのかフックなのかで異なります。
具体的には次の通りです。
前腕屈筋群
フックに重要な手首の屈曲(掌屈)および回外
トップロールに重要な手首の屈曲(掌屈)
前腕伸筋群
トップロールに重要な手首の外転(橈屈)および回内
どちらの技にも共通して重要となるのが手首を曲げる力、つまり屈曲(掌屈)の筋力で、これらはアームレスリング専用のローラーで効率的に鍛える事ができます。
腕相撲(アームレスリング)のマストアイテム
元世界チャンピオンでIFA国際アームレスリング連盟の創始者でもあるイゴール・マジョレンコ氏が考案したのが、こちらのウルトラグリップで、世界中のアームレスラーに愛用されているマストアイテムです。
ウルトラグリップは、重心が中心からずれた構造の偏心ローラーになっています。
このため、腕相撲(アームレスリング)に非常に重要な「指先からのストローク力」を集中的に鍛える事が可能です。
また、世界トップクラスのアームレスリング選手たちが開発に参加しており、実戦にきわめて近い状態でトレーニングを行えるように考案されています。
このように、一番強い手首の角度で回転がストップし、必要以上に無駄なストロークができないように設計されています。
ウルトラグリップに関する詳細は、下記の公式ショップページでご確認ください。
攻撃力を強めるストラップローラー
ウルトラグリップと並んで世界的に人気のトレーニング器具がストラップローラーです。
一般的なローラーと異なり、手の甲がストラップで押さえつけられ固定されるので、ローラーを握り締める必要がなく、腕相撲(アームレスリング)の攻撃的ストロークで重要な、「手の平の面で押す」ストローク力が効率的に鍛えられます。
また、自由に旋回できるので、トップロール・フックそれぞれの軌道に沿った動作のなかで手首を鍛えられるのも大きな魅力です。
こちらのローラーも、世界トップクラスのアームレスリング選手が開発に関わっています。
さらに詳しくは、公式ショップページでご確認ください。
トップロール専用トレーニング器具
トップロールに特化したトレーニング器具がトップロールハンドルです。
ちょうど、相手の拳をホールドしたような状態から、ヘッドで吊り上げ、ロールして倒す一連の前腕の筋力を鍛える事ができます。
https://mazurenkojp.base.shop/items/30739314
フック専用トレーニング器具
フックに特化したトレーニング器具がフックハンドルです。
一般的な円錐ハンドルよりも、さらに重心が下にあるため、フックで重要な小指側でストロークする筋力が集中的に鍛えられます。
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