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山で考えたRelationshipのこと(その①/③)
ちょっと有名な、風光明媚この上ない山に登ると、人がたくさんいた。
いろんな人に出会ううちにいろんなことを考えた。まずはその①――〝旦那が背中に1歳半、奥さん胸に6ヵ月〟という話をしたい。
さすが観光地。異国人の多いこと! そこだけ霧に巻かれた頂上付近などは外国人率60%。いろんな言語が飛び交っていた。
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すれ違ったり、追い抜いたり追い抜かれたりするたびに、僕は異国の人たちと言葉を交わすのを楽しんだ。
Hello!
声をかける。なんでもいいからポジティブな言葉を選ぶ。
Good day!
Wow! You are so fast!
A lovely mountain, isn’t it?
I like your T shirts!
歩を合わせたりはしない。休憩が重なったときなど、なんとなくだ。
フランス人夫妻のBenjaminとMarieとは、まずMarieと、追い越されるときに軽く言葉を交わして、後から旦那がやってきて、頂上付近でまた少し話してーーのような具合で、結局メールアドレスを交換した、ふふふ。
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話はそこでは、たぶんない。
いろんな男女カップルを見かけながら、湧いてきた疑問を、同行のS氏に言ってみた。
「外国の人たちの男女関係、なんか日本人と違いますよね?」
S氏頷く。彼は元都会の喫茶店オーナーで、人間観察に長けた人なのだ。
「うん、たしかになんだか違うよね〜」
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どんなふうに?ーーは、なかなかうまく言えないのだ。
やがて、驚きの光景を目にする。驚きのあまり写真に撮るどころではなく、声を上げ、目を丸くして見送った。呼び止めたり追いかけたりするのをためらったほどの速足だ。(だから写真はない)
雰囲気からヨーロッパ人だろうか? スイスっぽい? 白人で、男女ともに黒髪だったように記憶している。
二人とも軽装で、白T男が1歳半児を背負い、淡いグリーンT女性が胸に6ヶ月くらいの赤子を抱いて、山をタッタカ下ってきたのだよ!
1500メートル以上の山なのだ! 往復6時間はかかるのだ! 本格的な岩登りこそないものの、結構荒い場所も多く、足元も悪く、転ぼうものなら当然タダでは済まない。
そこを! その女性! 抱っこハーネスを着けているとはいえ、赤子を抱いて登るとは!
(あ! 頂上は結構な岩壁だった! あそこは登ったのだろうか?)
なんだろうな…異国の男女関係、夫婦関係…ひと言で表すならーー、
対等 Equal
なんじゃないかと思う。どちらが強いとか、どちらがどんな役割とかーーない、対等の、関係、Relationship。
二人は話し合って、一人が一人を背負い、一人が一人を抱いて、人生の思い出の一ページに刻み込むために、今日山に登ることを決めたのだろう。朝早くに登り始め、頂上を踏み、タッタカタ〜と下ってきていたのだろう。
先にゆく旦那に、背後への余計な気遣いは見えなかった。奥さん(美人)も、僕が驚きの声を発すると、上品な笑顔を返して来ただけ。たくましいものだ、爽やかなものだ。
二人で決めたからには、互いが互いを信頼し…そう…ふむ…
なんだろうな…
〝ナァナァ〟じゃないのだ。〝ズブズブ〟じゃないのだ、異国人の男女関係、Relationsjhip。
双方それぞれが〝個人〟なのだ。〝責めたり責められたり〟ではない、〝支配したり支配されたり〟ではない、〝縛ったり縛られたり〟ではない、〝自分の趣味嗜好を押し付けたり〟しない、それぞれが〝責任〟を背負った上での、〝互いの自由を尊重〟し合った上での〝協力関係〟ーーみたいなものが、見えた気がするのだよ。
それは服装の自由さにも見られるし(登山用にこだわっていない、半ズボンもタンクトップもミッキーマウスTシャツもいる)、歩くペースにも見られる。
話す内容にも、話し方にも、表情(笑顔なんだよね)にも見られる。
なんだろう…?
そこにある、日本人にないものは…?
愛か?
愛なのか?
そうなのか?
(その②につづく)
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Love & Peace,
MAZKIYO
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