アンミカさんに学ぶ「人の話の聞き方」と「晴れやかポエム」
あちこちオードリー「どんよりポエム」回を観た。
森三中の黒沢さん、フリーアナウンサーの神田さん、四千頭身の後藤さんの3人が、日頃のもやもやをアンミカさんに相談するっていう企画。
お分かりやと思うけど、私はどう考えても「どんよりポエム」を制作するタイプの人間。この深すぎる闇を「晴れやかポエム」に変えていくのは至難の業やぞ、こっちの闇を舐めるなよアンミカ、と半ばアンチ的な感じで見始めた。
結論から申し上げると、私もお金払うからあの番組に出させてほしい。いや、アンミカさんに会わせて欲しい。
番組の途中、といってもかなり初っ端で黒沢さんが泣き出した。「こんなにちゃんと人に話を聞いてもらえるなんて」って言いながら泣き出した。
うわ~、めっちゃ分かる。普通、人間は己の話をするのに精一杯で、人の話を聞かん。でも、誰かが人の話を聞かないと「会話」ってもんは成立しない。だから「聞く人」が要る。私はどっちかというと「話す人」じゃなくて「聞く人」側。おそらく黒沢さんも難やと思う。
「会話」ってのはよくキャッチボールに例えられる。こっちが投げたボールを相手が受け取って、そのボールがまたこっちに返ってくる。こっちがボールを受け取ったら、また向こうに投げ返す。それの繰り返しが「会話」である。
……と、言われてるけど実際はちゃうと思う。ドッジボール。いかに相手にボールを当てられるか。ボールを当てられた人は成すすべなく、ひたすらボールを当て続けられるだけ。私は、ボールを上手く受け取ることが出来ないから、いつまで経っても「自分のターン」が来ない。ひたすらボールを取り逃し続けて、逃げ惑うだけ。
この番組での「聞く人」は、進行役であるオードリーのお2人。ゲストとして来ている4人が「話す人」。
だと思い込んでた。
ここでマジでビビったのが、アンミカさんが「聞く人」に回ったってとこ。
「なるほどね~……」と若林さんが一度ゲストスピーカーの話をふわっと受け止めた後、「アンミカさんいかがですか」と振る。振られて始めて、アンミカさんは喋る。
黒沢さんが「話を聞いてくれた」と感じた第一の理由はそこなんやなと思う。絶対に誰も、話の腰を折らない。
おそらくツッコミたいところはいっぱいあったと思う。でも、誰もツッコまずに「うんうん」って言いながら、たまに補足的な質問をするだけに留めて、後は自由に尽きるまで喋らせる。で、空っぽになったなってところでようやくアンミカさんが喋る。
さらにもう一つ、アンミカさんはマジで「否定」をせんかった。
後藤さんが「アンチのストレス解消がこっちのストレスになる」っていう悩みを打ち明けた時、普通私やったら「ほなSNS見んかったらええやん」ってすぐ言ってしまうと思う。「見んかったらええだけやん、ハイ解決!」って言ってしまう、絶対に。
でもアンミカさんは違った。
「見ちゃうんだったら原動力にする覚悟を持って見る。その覚悟が出来ないなら、見るのやめよう」って言うてはった。
マジですげー! と思った。「分かってるけど見てしまう」っていう感情を理解した上で、「見る」ことを正当化できる理由を付けた。結局後藤さんも「原動力にする」方を選んどったし。マジでこれはすごいと思った。
どんな時でも、どんなに相手に非があるように思えても、それを絶対口に出さず、否定しない。
あんなにどんよりした顔やったゲスト3人が、最後顔が明るくなってて本当にびっくりした。
正直アンミカさん胡散臭え~って思ってたんよね。けど、以前あちこちオードリーで宮下草薙の草薙さんもアンミカさんと喋って少しづつ変化してるってのを聞いて、やっぱガチでアンミカさんすげえ人なんやろうなとは思い始めてた。で、今回の企画で「ガチですげえ人やん……」ってなった。
あちこちオードリー、頼むから私もアンミカさんに会わせてくれ。私のどんよりした心の闇を晴れやかにしてくれ。金をいくら払えばいい?
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