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宣伝の怪物(2)

メンバーは猛烈な音楽的探究心の末に、全ての音楽ジャンルばかりか、カルチャーやファッションやアートまでも含めて、「THE BEATLES」が自分たちの思いを遥かに超えた、ある種の「イデア」として遊離しはじめたことは感じとったはずです。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴに分解できない、遠くで観ても近づいてもそれは「THE BEATLES」だったし、さらに、作詞・作曲者レノン=マッカートニーはジョンとポールのその後の作品とはちょっと、というか全く違う。つまり個人ではなくコラボレーションそのものがクリエーターとして存在したことがこの現象に拍車をかけたように思われます。

ファンばかりか自分たちまで置き去りにされる状況にメンバーは、原点回帰・等身大の自分に戻りたいと思ったでしょうが、このあまりに大きい「宣伝の怪物」には太刀打ちできなかった。解散し、最もこの現象の張本人に近い男、ジョン・レノンは病気になってしまった。

ただ、宣伝的にみれば不幸もなにも、枯れないまま解散したことで、不世出のマーケティングの成功例を作ってしまった。
その後レコード販売実績やランキング上で上回った人はいますが、これだけ長期に渡って音とイメージをスピンアウトし続けてるのはビートルズだけでしょう。音楽屋とは比べられない感じなのです。
惑星直列的偶然の産物とはいえ、宣伝の世界に生きている身としては、簡単な言葉の意味を語るに等しいこういう「イデア」を創れたら、もうアガってもいいと思うでしょうね。

◆宣伝の怪物(1)https://note.com/mazetaro/n/nd4aa02d47afe

ザ・ビートルズ オリジナルアルバム 全部衝撃的にいいです


「イドの怪物」・・・「禁断の惑星」に出てきた怪物です。

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