ストラトス洗礼(1)
スーパーカー。なんと素敵な名前でしょうか。スポーツカーと似て非なる、速さとともに夢(主に少年たちに)を売るマシンたち。
フェラーリ512BB、ポルシェ911、ロータス・ヨーロッパ、マセラティ・ボーラ、ランボルギーニ・カウンタック、ミウラ
1970年代の大ブームを体験した者にとって、数々のスーパーカー達の記憶はかけがえのないものでしょう。
ところが70年代も終わりに近づくと一気にそのブームは静まってしまいます。再び仲間うちで車の話が沸騰するのはは高校生も終わりに近づき、免許が取れるころ、つまり自分が乗るものとしての車でした。スーパーカーじゃない。
私もスーパーカーブームのときはスーパーカー消しゴムをボクシーのボールぺンと共に携帯してましたし、たまにポルシェとかを発見するとドキドキもんで、近所の友達呼びにやったりして、なめるように何十分もたかって見てたもんです。ただ田舎だったので、スーパーカーはあんまり見れなかったかもしれません。都会と違って、フェアレディZや、Zにちょっと似てるスプリンターの地位が高かったのではないでしょうか。
ある日、父親の運転するトヨタ・カリーナに乗り、家族で常磐ハワイアンセンターに行った時のこと。雨の国道49号線を走る緑のランチア・ストラトスを見た記憶は鮮烈で、今だに覚えています。兄貴と騒ぎながらアマガエルのようななんとも不思議なカタチの車が通り過ぎるのを目で追い続けました。
不思議なことにそれ以来、車に対する興味を失ったことがないのです。私にとってはスーパーカーブームは少年時代の記憶の断片というより、連綿と続く思索の始まりで、それは今も続いています。
すなわち、病気です。
ただ、おかげで少年時代に夢見たスーパーカーの別の面を早い時期に知ることができました。
スペックだけの車、格好だけで遅い車もあったし、意外や全然その辺のクーペかと思っていた隼人ピーターソンのBMWは速いって事も分かった。
だが、その中にあって、ランチア・ストラトスっていうのは特別。本当に夢みたいな車だったんだなーって思います。(続く)
◆ストラトス洗礼(1)https://note.com/mazetaro/n/n6d9f212dd37a
◆ストラトス洗礼(2)https://note.com/mazetaro/n/ned131c4c6721
◆ストラトス洗礼(3)https://note.com/mazetaro/n/n62e80466ed0f