カタルシス英文法を書き起こしてみた②
みなさんこんにちは!
カタルシス英文法の書き起こし第2弾です!
今回の話も非常に面白いので、最後まで見ていってください!
一部、読みやすさのために実際に話されている内容を少し変えている部分もあります。
ご了承ください。
前回と同様、「」が水野さん、ーが堀元さんの発言になります。
なぜ仮定法に過去形が出てくるのかー過去形の本質は「距離があるもの」。
「今回は
・過去
・完了
・未来
の話をしていきます。」
ー前回は
・現在形
・現在進行形
でしたね。
「あと、日本語の時制には“過去”と“非過去”しかないよって話もしました。」
「では、英語の過去時制の話に入っていきましょうか。」
「英語の過去時制って、英語で“過去”ってなんて言うかを考えてみると凄い分かりやすいんですよ。」
ーへぇー、
pastですか?
「はい。pastですね。
pastの語源ってご存知ですか?」
ー全然分からないです。
「えっとですね、
の過去分詞なんですよ。」
ーあー!なるほど!!
「だから過去ってのは“通り過ぎていっちゃったもの”なんですよ。」
「今イメージしているのは、時間的に通り過ぎてしまったもの。
つまり、『現在から見て昔の時点で出来事が成立したことを表す』と。」
「ここまではいいですよね?」
「もう一個、学校の文法の授業だと全然別物だと説明されるような出来事も言及したいです。
それが“仮定法過去”」
ー出た!
『なんで!?』ってなるやつですよね!
「仮定法を覚えてる方が少ないと思うので、ちょっとおさらいしておきましょう。」
「という文章。
もし私が“今”鳥だったら、”今“あなたの元に飛んで行きたいのに」
ーそれ最初習った時混乱凄かったですね。
『何で“I were a bird”になったん?』っていう。
過去形も謎だし。”were“使うのも謎だし。
「あと、Ifを使った文章って習ってるじゃないですか。
なのに『今までのあれ仮定法じゃないの!?』みたいな。
そこも分かんないですよね。」
ーなりますね・・・
「仮定法に関しては第3回でみっちりと叩き込んでいきたいと思うので、軽い説明で済ませますけど・・・
って、『私が”今“鳥だったら、』
と言っていて、後ろの
ってのも
『”今“飛んで行きたい。』
と言っていますよね。」
「でも見た目はwould(willの過去形)、were(be動詞の過去形)ですよね。
《過去の形をしているのに現在の話をしている》という”時制のズレ“があるのが仮定法のつまづきポイントなんですけど、」
「思い出してください。pastなんですよ。」
ー過ぎ去ったもの・・・
「これは”現在から過ぎ去った“んじゃなくて、”現実から遠く離れたもの“ってことなんですよ。」
ーあぁー!
めっちゃ深い!!
なるほど!
「だから仮定法ってのは、本質的には現実と真逆のことを言って自分の気持ちを話すような語法なんですけど、これは”過去“だからじゃなくて”past“だからなんですよ。」
ーはー!
《現実から見た過去》と《現実から見た仮定の世界》
っていう、そういうpastがあるわけですね!
「だから
『現実と距離がありますよ』って言っているだけであって、
“過去形”の話をしているわけじゃないんですよ。」
「こう思うと過去形と仮定法過去って密接不可分っていうか、
『一緒やん』っていう。」
ーへぇー!
それ教えてほしかったですね。英語の授業で。
「そう。本質は”距離がある“なんですよ。
“現実“から距離があるか、“現在”から距離があるかの違いであって、
根っこの部分は一緒なんですね。」
「もうこれで仮定法過去で『いつの時点で成立してたっけ?』って間違えないはず。
過去じゃないから!仮定法過去って過去の話じゃなくて現在の話だから!」
ーなんか今、10年越しでやっと謎が解けました。
高校生の時、『何でこれ過去形なんだろうな?』と思いながら、
『そうらしぞ』ってセンター試験解いてましたけど。
「あと、
『何でwereなんだ?』みたいな話は次回以降ですかね。」
「二つ目、次に取り扱うテーマは“助動詞”にしたいんですよ。
次に“仮定法”に行きたい。」
ー道は長そう(笑)
「なんですけど、
助動詞から固めて行った方が仮定法ってくっきり見えてくるんで、
みっちり叩き込んで行きます。」
ー良いですね。
高校生も勉強になってきますね。
「そうですね。
文法問題とか解くときに、すぐには使えないかもしれないけど、
本質を捉えるって意味では役に立つと思うんで。」
ーなんか嬉しいっす。
勉強している中で、伏線回収が一番気持ちいいですよね。『あー、これそう言う意味だったんだー!』って。
「そうそう。
丸暗記したものが『そうじゃなかった』って分かった時気持ちいいんでね。
こっからどんどん気持ち良くしていきますよ!」
ーじゃぁ、みなさんも一緒に気持ち良くなってください!
現在完了はなぜ「have+過去分詞」なのか。実は「have to」と出自が同じ
「過去をこれで理解したと思うので、”現在完了“いきましょう。」
ー出た。
これも不可解なやつですね。
中3の時に、『現在なのに完了とはどう言うこと?』ってなりましたね。
「じゃぁまず聞きたいのは、
”過去形“と”現在完了“は意味的にどう違いますか?」
ーあれですよねー・・・
やべっ、めっちゃボヤッとしてるわ。
えっと・・・中3の時に明確に習った記憶があるのは、
現在完了は《経験を表す》とか、《動作が終わって、その影響が今も続いている》ときに使う。みたいなことを習った記憶があります。
「お見事です。」
「過去と現在完了の違いは一つ!
それは、“現在に影響を及ぼしているかどうか”です!!」
ーへー!それだけ!?
三つ四つ習った記憶がありますけど。
「いらないです。それは。」
ーあー、それいらないんだ。
「三つ全部現在に影響してるから。」
ーじゃぁ、中3の時のいらなかったパターンのやつですね。
「もちろん、意味の分類ってのは英語学の知見を溜めてできたものなので、
覚える必要無いこともないんですけど、それは”一つの概念で束ねられる“ってことを言いたい。」
ーなるほど!
”本質回“ですね。今回は。
「現在完了の成り立ちからいきましょうか。」
「現在完了って【have + 過去分詞】だと習ったと思うんですけど、
何でhave + 過去分詞なのか考えたことありますか?」
ー全くないです(笑)
『へぇー、【have + 過去分詞】なんだー』って言ってました。ずっと。
「でも、haveって後ろに名詞が来ないとおかしくないですか?」
ーおかしいです。
「ですよね?
”have“ってのは”持つ“とか”食べる“って意味を持った動詞なので後ろに
とか、
みたいに名詞が必要になる動詞なんですけど、
過去分詞って名詞じゃなくね?」
ーそうですね。
「とはいえ、過去分詞って後ろに名詞を取ることはできて、
みたいな言い方もできます。でも、必ずしも後ろに名詞が来るとは限らないわけで・・・」
「じゃあ何で起きたのか?って言うと、語順がひっくり返っちゃったんですよ。」
「元々、haveの後ろには名詞がちゃんとあったんです。
例えば、
っていう現在完了の文章ありますよね?
これ元々、
って言う語順だったんです。」
ーあー、はいはい。
それ今の英語でも出てきますよね?
【have + 〇〇 + done】
っていう。
「所謂“使役動詞”ってやつですね。
元々はそういう『SVOC』をとる動詞だったんです。」
「これの意味も
『宿題が終えられた状態で所持している。』だったんですよ。
これ、凄いことが起きてて、haveっていう“現在形の動詞”があるのに、後ろには“過去のこと”があるじゃないですか。
だから“過去から現在に影響を及ぼす時制”なんですよ。」
ーあー!
今の例だと、
『終えられた』『宿題を』『持っている』。
my homework finishedの部分に『終わったよ』って言う情報が入っていて、
それを『持っています。』
なるほど・・・!
「で、
補足しますと、実は
も一緒。
これも
だったんですよ。」
ーうお!ほんとだ!!すげぇ!!
「これは未来を指しているんですね。
toって将来に向かった矢印みたいなイメージがあって、
『今後』『しなければならない』『宿題を持っている』と言っているんです。
ということは、宿題をしなければならないわけだから『〜しなければならない』という意味になるんですね。」
ーなるほど!!
今興奮がすごいです!
だから現在完了も、【have to do】っていう全然違うところで習うやつも一緒なんですね!
「一緒です。
“have(持つ)“ってものの後ろに【名詞+その状態を示す“to do”や過去分詞】がついている。
つまり『そう言う状態のものを持っている』って言っているだけなんですね。元々は。」
ーへぇー!!!
その話中3の時に教えてくれてたらめっちゃ色んなところで言えてたのに・・・
「ただね、中3の子に教えるには難しい話なんですよ。
さっき簡単に『haveがSVOC取れる』って言いましたけど、これだって後にならないと分からないわけで。
色々学びなおした後にこれを知るから気持ちいいってのはあると思いますよ。」
「だから学校の先生のやってることを全否定とかじゃなくて、地固めがあるから今面白がれるっていうことですね。」
ーちゃんと敵を作らない大人の処理をしましたね(笑)
「それは大事なんで(笑)」
「現在完了の話を最後に。」
「意味が3つありましたが、覚えてます?」
ー忘れたな・・・
経験でしょ・・・?完了と・・・
何かもう一個くらいあった気がするな・・・
「あと存続ですね。」
ーあー、それだ。
「整理していきますと、
【完了】・・・昔やっていたことが今終わった
【存続】・・・昔からやり続けていることが今も続いている」
「【経験】ってのはちょっと不思議ですよね。
だって経験って過去時制でも言えるじゃん。
例えば、『私はウニを食べたことがある。』みたいな
・・・あっ、『ウニ』英語でわからねぇな・・・」
「ヒトデにしましょうか。
『私はヒトデを食べたことがある。』と」
ーあんまそう言う人いなさそうだけど(笑)
「その時に、
って言ってもいいわけですよね。
だけどこれは経験用法じゃない。
みたいな言い方もできる。」
「これまでの議論を踏まえると、ここの違いはどこにあると思いますか?」
ーこれまでの議論は・・・
過去にやったことが今にも影響を及ぼしているということなので、
“starfish”を食べて、それによって得たものの話をしているときは現在完了。
「ドンピシャですね!
例えば、『犬を食べた。』
犬って中国とかで食べられていますけど、
っていう時って、
犬を食べて物凄く価値観が変わって、今もその状態でいるっていう時に使うことなんです。
だから、経験だから必ずしも現在完了をポンポン使えばいいってわけじゃなくて、“その経験をしたことで現在に生きているかどうか”ということを英語は区別して考えているってことなんです。」
ーなるほどなるほど。
日本語だとそれはやらないですよね。
「他にも《現在まで影響しているかどうか》という過去形と現在完了の違いでわかりやすい例を挙げると、
『財布を失くした』という時の、
がどう違うのか、もう分かりますかね?」
ー『I have lost my wallet.』の時は、『失くして、今も無い状態でいる。』ということですね。
「そうでうすね。
現在完了の時は”今も無い“ということを説明しているんですけど・・・」
ー過去形の場合は別に“今”の話はしていない・・・
「そうですね。
“失くした”という事実だけを伝えていて、あるかどうかはまだ確定していない。
これもpast感ありますよね。
“財布を失くした”ってことを遠くに置き去りにしていて、現在の話に全く繋がってこないってところ。
“pastみ”ありますよね。」
ーpastみありますね(笑)
この説明で凄いスッキリしました。
英語に未来形はない!?あるのは……。
「最後に未来形いきましょうか。」
「最初に時制の定義をしましたけど、
『動作が成立した時間を動詞の語尾(活用語尾)を変えて表す』と説明しました。
例えば、過去形では後ろに“ed”を付ければ過去になりますし、現在形は、三人称単数系なら後ろに“s”を付け、そうじゃない場合は何も付けないでおく、と。」
「で、未来形ってあります?」
ー・・・あ、無いですね。
【will 〜】ですよね。
「そうですよね。
【be going to】とか。」
「未来形って凄く厳密にいうと、『英語には無い』と言えます。
では、なんであると言われているかというと、英語の親戚関係であるラテン語には未来系があったから。」
ーラテン語は動詞を活用してたんですか?
「はい。
未来を表すときも動詞の活用語尾を変化させて未来であることを明示していたんですね。
だからラテン語の文法研究の蓄積とかから未来形という呼び方をしたり、未来時制をもっているって言い方をすることもあるわけなんです。」
「で、”will“ってのは未来を表しているかっていうと、willの本質は未来ではないんです。」
「willって名詞でも使うんですけど、名詞の時のwillの意味って知ってます?」
ー“意志”とかじゃないですか?
「仰る通りです。
例えば【遺言】を【living will】って言いますけど、willってのは意志なんですよ。
だから『やろう!』っていう気持ちなんですよ。
つまり
って、『やりたい!』っていう意思がある。」
ー『全力を尽くすぞ!』なんですね。
「そう。『ぞ!』なんです。
他にも・・・
と言いますけど、
『やるぞ!!』という気持ちはまだその動作が完了していない時にしか言わないわけだから・・・」
ーまぁ、やり終わっている時に『宿題やるぞ!』とはならないからね(笑)
「だから未来を表すことができるわけなんです。」
ーなるほど。
willの本質は“意志“なんですね。
「だから『〜だろう』って言うのは未来を表さないって話をしましたけど、willというのは”意志“が本質。」
「他にも
という熟語を覚えたと思うんですけど、これ、『will』隠れてるの気づきました?
これも“意志”なんですよ。
ノリノリで『やるぞ!!』っていう。
これも語源的には一緒ですね。」
「じゃあ、【be going to】とどう違うのか、というと、
ここから第2回目で扱いたいテーマの“助動詞”が関わってくるんですけど、
“ザ・助動詞”みたいな見た目の“will”とか”can”とかは”主観的な気持ち“を表す時に使うんですね。
なので、話し手の余地が入り込まない場合には、基本的に“will”がつかえないんです。」
「例えば、客観的なデータを元に『明日天気が降りそう』なときは“will”が使えない。
【be going to】を使います。
そう言うような棲み分けは今後の助動詞の会の時に話していきたいと思います。
【be going to】と【will】とか、【be able to】と【can】とかですね。」
不可解だった「過去完了」。この文法は話が下手なヤツを想定していない。
「あと、順番が前後しちゃって申し訳ないんですけど、
“過去完了”とか“大過去”って覚えてます?」
ーあー、それもやったー。それもネクステージだー。
「はい、じゃぁ“過去完了”と“大過去”とは何なのか説明してください。」
ーえーっと、多分・・・
過去のどこかの時点の話をしていて、その時すでにやり終わっていること、
“過去から見て更に過去”が“大過去”ですよね?
「仰る通りです。
じゃぁ、何で“過去完了”とも“大過去”とも言うのか。
或いは、過去よりも更に古い大過去を完了を用いて表すのか考えたことありますか?」
ーさっぱりわからないです。
「思い出してください。
“現在完了“ってどう言う時制でしたか?」
ー過去に起こったことが今に影響を及ぼしている…
「”過去完了“ってのはそれを一個横にコピペしたものだと思ってください。」
「因みに”未来完了“ってのが”現在“から”未来“までの範囲になったものですね。」
「で、”過去完了“と”大過去“が同一視されているのは何でかと言うと、
わざわざ人が過去の話をして、更にそれよりも昔の話をしている時にその二つの事柄が無関係であると言うことが考えにくいからです。」
ー確かにそうですね。
『一昨日転んじゃったんだけどさ〜』『実はその前に財布を失くしてて〜』って言われたら絶対その二つ繋がってきますよね。
『財布失くしたのと転んだのは関係ないんだけど』って言われたら『お前話下手だな!』ってなりますね。
「と言うことは、さっきのコピペの図を思い出して欲しいんですけど、
”大過去“から”過去“までの関係がないと大過去ってのは使いづらいんですよね。
と言うわけで、皆さんが大昔に習った”大過去“が”過去完了“と呼ばれて、更にそれが過去よりも古いことを表す理由ってのは更に古いことから過去までの影響を及ぼしているからと言うことになりますね。」
ー大変納得感があります。
センター試験とかで出るあれはそう言うことだったのかーと
「時制に関して長々と話してきましたけど、堀元さん何かわからない点とかありますか?」
ーいや、とても面白かったのでぜひ続けていただいて、
高校生も『勉強キツイなー』って言う時の息抜きにもなるし、大学生とかも『受験わけわかんないまま通過しちゃったけど、そう言うことだったんだ』と、英語勉強の喜びを取り戻す機会になるんじゃないかと思います。
「TOIECとか資格取ろうとしている人にもいいですね。」
終わり
と、言うわけでカタルシス英文法書き起こしてみた第2弾でした。
仮定法に過去形使われているのが昔から謎でしたが、そもそも“過去形は遠く離れたものを表すこと”という説明で納得いきました。
次回のカタルシス英文法も書き起こせ次第投稿したいと思います。
よろしくお願いします!
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