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家電ドミノと喋る家電
先日、PCを新調してご機嫌に初期設定していたら乾燥中の洗濯機から工事現場のようなものすごい騒音がしだした。ひぃぃこのタイミングでやめてくれ~と思っていた矢先、今度は掃除機のヘッドのブラシが回らず急激に吸引力が弱くなってしまった。
こんな風に家電が連鎖して故障していくことを「家電ドミノ」と言ったりするらしい。どうです、そこらの怪談よりも怖い話でしょう?ハッハッハッ(笑うしかない)。ハァ…。
まあどれもそろそろ寿命だなとは思っていたけど、それにしてもいっせーのーせ!でどんどん壊れていくのってなんなんだろう。劉備・関羽・張飛のごとく「我ら生まれた日は違えども 死す時は同じ日同じ時を願わん」と盃でも交わしたんだろうか。やめてくれそんな桃園の誓い。
なだめすかしてもうんともすんともなので仕方ない。血の涙を流しながら洗濯機も掃除機もえいやっと買い替えた。
新しい洗濯機を設置してもらった後、電源を入れてみてびっくりした。「お洗濯お疲れ様です」とか「ポケットの中身、取り出しましたか?」とか話しかけてくる。お店で見た時は電源が入ってなかったのでそんな機能があるなんて気づかなかった。なんか初対面なのにぐいぐいくるやん。こちらは心の準備ができてなかったので「え?…ああ」と人見知りならぬロボ見知り全開だった。
うちの家電でいえばそういえば電子レンジも喋る。「自動あたため利用100回目です!いつも使ってくれてありがとう!」みたいなちょっと粋なことも言ってくれるので、なんだか愛着が湧いてくる。
いつか彼らが感情を持ちもっと複雑なコミュニケーションができるようになったらどうなるだろう。「ポケットの中身確認するように言いましたよね?どんぐり痛いんですけど」とか「取り出し忘れていませんか?って言うのこれで1000回目なんですけど」とか文句を言われて、仲良し度がどんどん落ちていく。ズボラな私は嫌われるだろうな。
やがて家電同士で私の愚痴を言い合い、私が使う時だけ扉を重たくするみたいなイタズラをされる。開かない冷蔵庫に苦戦する私を後ろから電子レンジやコーヒーマシンがくすくすと笑う。ついには家中の家電が結託し、玄関の鍵すら開けてもらえず私は追い出される。家人の買い替え時だ。
そんな日が来ないように、家電のメンテナンスはきちんとしましょうね。