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テニスの今日は、フォアハンド

テニスを始めた時は、フォアハンドが大の苦手でした。

なぜか?

僕がテニスを始めたきっかけは、中学二年生の時に試験勉強の合間に見たウインブルドンでした。そこで見た壮絶な試合。ドイツのボリス・ベッカー対フランスのアンリ・ルコント。そのスピード感と動きのダイナミックさに魅せられて「高校に入ったら絶対、部活、テニスやろう!」。僕の胸は高鳴っていました。

何とか高校受験を乗り越え、念願のテニス部に入部。それまでにあれこれと妄想を膨らませていた僕を魅了していたプレーヤーは「ジョン・マッケンロー」でした。その天才的なタッチで相手を翻弄するようなプレーを「俺もやってみたい」と胸膨らませていたのでした。(今考えると「何と愚かな考えだ」と笑ってしまう)

そうして、始めた時はいわゆる「コンチネンタル・グリップ」でラケットを握りフォアハンドを打っていたのです。いわゆる「薄いグリップ」。マッケンローの真似をして。

結果は、全然ボールが飛ばないし、コントロールもできない。才能の「さ」の字も感じられないプレーしかできず、練習は主に「ボール拾い」が僕の役割でした。

チーム・メイトで活躍していたのは、主に中学校で軟式テニスをしていた人たち。彼らのグリップは「ウエスタン・グリップ」。いわゆる「厚いグリップ」。テークバックした時にラケット面が下を向き、強いトップスピン・ボールが打てるので、当時だんだんと流行していたグリップでした。

当時は形から入っていたのでマッケンローに拘っていました。しかしそれでは結局のところ結果には結びつきませんでした。

大学に入ってもテニスへの情熱は衰えませんでした。サークルではなく体育会の部活の方を選びました。

ここでマッケンローへの拘りを捨て、厚いウエスタングリップでグリグリのトッピスピンを打つという百八十度違う方向へプレーを変えました。高校で結果が出ていなかったので守るものが何も無かったのです。

最初は、力の入れ具合を上手くコントロールできませんでしたが、いいボールが行った時は自分でも「おお、」と思えるボールでした。これを何とか安定させたい。そう思いながら必死で練習しました。

だんだんと安定感が増して行きました。最初はガンガンと打つばかりでしたが、力を八割ぐらいに抑えて「打ち粘る」ようにすると相手が嫌がることが分かってきました。

元はマッケンロー信者だったので、ネットプレーにはあまり苦手感はありませんでした。トップスピンで苦しめた後、アプローチしてネットを取りボレーで決める。こういうプレースタイルを確立して行きました。

大の苦手だったフォアハンドが、逆に最大の武器になって行きました。

今は年齢も上がり、そんな学生のようなフォアハンドは打てませんが、今でも得意なショットはやはり「フォアハンド」と答えます。

苦手な時期、コンチネンタルグリップでの繊細なコントロールに苦しんだことが、のちのウエスタングリップでのスピンボールの習得に生かされたのかなと思います。

今はベテランテニスなので、少しグリップを薄くして身体に優しいフォアハンドを模索中。また何か面白い発見あるといいなと思い、楽しんでいます!

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