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パリのマミコさんとわたし【7】

※過去記事パリのマミコさんとわたし【1】〜【6】の続きです!

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家に着くとアニスがソファで塞ぎ込んでいた

アニスはチュニジア出身で高校卒業とともにパリにやってきて、金融系の大学・大学院と進み、今ではコンサルで働いているいわゆるエリートだ

お金はあるだろうに、彼がシェアルームに住んでいる理由はズバリ極度の寂しがり屋だからである

私が「どうしたの?」と聞く前に、私の帰宅に気づいたアニスいう

「彼女に振られたー!」

この言葉、何度目だろうか、彼はチュニジアという土地柄なのか、ヨーロッパとアフリカと中東がミックスされたような綺麗な顔をしていて、フランス語とアラビア語がネイティブで教養もあるということでとてもモテる

しかし、その分、とても振られる

恋人同士のことは2人のことだから、私がジャッジできることではないけど、こうも続いていると彼にも問題があるのではないかと思ったりもするが、パリにいる人たちはくっついたり別れたり恋愛をここでの特権のように楽しんでいる感じは大いにあるので、それについて第三者の私がコメントするのは野暮なことだと思っている

とにかく、今日は曇りがちなパリで天気が良い快晴の日!

相手が塞ぎ込んでいようがいなかろうが、アペロの相手として外に連れ出すしかない

「なら、家にいてたって、仕方ないよ!サクレクール で飲もう!」

そう言った私は半ば強引にアニスを連れ出すことに成功した


またまた7番線に乗って、サクレクール に向かう

7番線で一本、cadet駅で降りる

この駅で降りるとサクレクール まで20分くらい歩くことになるんだけれど

まず、駅の出口を出たところに、ものすごく可愛い服のセレクトショップがあるし

道中にも可愛い雑貨屋さんや素敵な小道があり

サクレクール に近づくにつれて徐々に賑やかになっていく感じが好きで

運動にもなるし、私は毎回この駅で降りて少し歩いてサクレクール に向かうことにしてる


サクレクール まで遠い、乗り換えればよかったとぶーぶー言うアニスに元気のないときは運動でしょと発破をかけつつ

サクレクール の近くのスーパーでアペロに必要なものを買う

ワイン、チーズ、お菓子、フムス・・・・・・・・・・・

ちなみにフムスは豆を潰したペーストでアニスのリクエスト。振られても食欲はがっつりあるんかい!と思ったのは秘密だ

サクレクール に行くと教会が西日に照らされて綺麗な色になっていて

サクレクール まで続く芝生の上でたくさんの人が夕焼けを待っていた

夕方のサクレクール はやっぱり最高のアペロ場所だと確信しつつ空いている場所を探す

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パリに住んだ作者がパリの日常と生活を書いていく短編小説です。場所などは実在の場所です。
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