舞台「チノハテ」 絶賛稽古中
「チノハテ」の稽古が架橋に入ってきた。
このお芝居をやることになった時から「人(役)と向き合い、人間を知る」が今回のテーマになるな、と思っていた。
作・演出の田村孝裕さんは当たり前だけどよく人間を観察している方で、「こういう人いるいる!」というダメ人間を描くのがとても上手だ。
今回も、日本からドロップアウトした外国に住むダメ人間たちの話である。やることなす事空回りしてしまう心優しい中年男やメンタルの弱い女、思いやりがあるのになんだかウザイ若者、などなど。
そんな人たちがひとつ屋根の下で暮らしている。
脚本家の目線は<神目線>と常々思っているのだが、田村さんが書かれる脚本にもそれが反映されている。
それぞれの個性がぶつかり合った時に起きる化学反応のあり方。
どうしようもなく転がり落ちていく運命のあり方。
でも、そこには悲しみや苦しみもあるけれど、愛や喜びもある。
ちゃんとダメ人間にも愛が注がれているのだ。
田村さんは稽古の中で「僕は演じる時に人の短所に着目するとその役が魅力的になると思っているんです」と言っていた。実際、寺十さん演じる心優しい空回りオジサンは「いつも空回りする」という短所が可笑しみや愛らしさに変わっている。
短所は喜劇になり、愛されキャラに変わるのだ。
稽古中、誰よりも声をあげて笑っているのが田村さんで、その笑い声にやる気スイッチを押されながら私たち役者は日々頑張っている。役者は演出家が喜んでくれると嬉しいのだ。そして、寺十さん演じる「空回りオジサン」は日に日にみんなの心を結びつけている。しかし、そんなダメ人間に注がれる神目線は愛情深いけれど、優しくはない。その厳しさもまた、神っぽいのだ。(神を知っているわけではないけれど)
笑いが絶えないのに、根底には緊張感が横たわっている。
そして切なく美しい。
ようやく上がってきた脚本の最後は衝撃なエンディングだった。
苦しすぎて泣けてきた。
でも、その中に幸せを感じられる美しいエンディングだった。
是非、それを体感しにいらして下さい。
チケットの申し込みはこちらから。
URL:https://ticket.corich.jp/apply/259277/003/
「チノハテ」
作・演出 田村孝裕(ONEOR8)
2023.07.06THU - 16SUN
【キャスト】
鶴田真由
松島庄汰 池岡亮介 竹内夢
浜谷康幸 寺十吾 依田啓嗣
私たちはこのチノハテで何を想うのだろう...
私たち家族はどこまでも逃げる。はずだった...
拳銃を向けられたとき、私はあれだけ離れたかった日本を想った。
チノハテから見る日本は美しくて汚れていた...
【公演期間】
2023年7月6日(木)~16日(日)
7月6日(木)19:00
7月7日(金)19:00
7月8日(土)13:00
7月9日(日)13:00
7月10日(月)19:00
7月11日(火)14:00/19:00
7月12日(水)19:00
7月13日(木)14:00
7月14日(金)19:00
7月15日(土)13:00/18::00
7月16日(日)13:00
※受付・開場は開演の30分前
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※開演時間を過ぎてからのご来場はご指定のお席にご案内できない場合があります事、ご了承ください。
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