世界で戦う日本人レーシングドライバー イタリアF4で戦う山越陽悠選手へインタビュー #03前編 - イタリアF4 第4戦&第5戦振り返り

今回もイタリアF4選手権に参戦中の山越陽悠選手(Van Amersfoort Racing)にインタビューを行うことができました。#03前編ではムジェロで行われたイタリアF4の第4戦と、ポールリカールで行われたイタリアF4の第5戦を中心にお話を伺いました。


これまでのインタビューはこちらから↓


—――3週連続のレースお疲れ様でした。現在はどちらにいらっしゃるのでしょうか?
山越:今は日本の自宅ですね。実は前回のヴァレルンガの後も自宅に居たんですよ。サイレンス帰宅してました(笑)。

—――では早速レースについて伺いたいと思います。まずはイタリアF4の第4戦 ムジェロから。今回も事前の練習走行などはあったのでしょうか?
山越:はい、ありました。ちょうどレースの1週間前に2日間のKateyama主催の合同テストがあって、そこで初めてムジェロでの走行を体験して、慣れることができました。今回のレースは2回のフリー走行(40分間)があって、その後すぐ予選でしたね。
(ムジェロは金曜日にフリー走行と予選、土曜日にレース1とレース2、日曜日にレース3)

—――実際にムジェロを走ってみての印象はいかがでしたか?
山越:自分にとっては良いサーキットかなと思っていたんですけど、思った以上にいくつかのコーナーで苦戦を強いられたっていうのがサーキットとしての感想ですね。ハイスピードのコースが基本的に好きな傾向なので、好きな部類には入りますね。

—――予選までの流れについて伺います。前回のヴァレルンガではフリー走行ではあまり良くなかったというのがありましたが、今回はどうでしたか?
山越:今回は思った以上にフリー走行から上手く走ることができて、予選では少なくともトップ5は行けるかなって気持ちで臨むことができたので良かったですね。

—――予選ではQ1、Q2ともに4番手タイム、セカンドベストでは3番手でした。前回のインタビューでは「気温が高いのでタイヤが鍵になる」という話が上がりましたが、実際に予選を走ってみてその辺りは感じましたか?
山越:やっぱりアタックしてタイムを出すチャンスが1、2回しかないっていうのはすごく難しくて、本当にF2の予選みたいな感じのアタックを強いられてました。その中で自分のベストを尽くせたかというとそうではなく、2つの予選でどちらもちょっとミスが目立った感じで、あまりいいドライビングとは言えませんでしたね。

—――予選のライブタイミングを見ていると、USレーシングなどはアタックを1回だけするというように、予選でもチームによって違う走行プランのように見えました。VARとしてはどのような戦略だったのでしょうか?
山越:僕らは3回アタックでしたね。やっぱりセカンドベストがかなり重要になってくるので、できる限りのことをしようっていうのがありました。ジャック・ビートン(USレーシング)はQ1では1回のみのアタック、Q2で2回アタックしようとしたところでイエローフラッグやレッドフラッグが出てしまって、レース2か3のどっちかが後ろのスタートになっていました。
(レース2が9番手スタート)


—――ムジェロでは3レースとも2列目からのスタートとなりました。まずは4番手スタートのレース1について教えてください。
山越:基本的に3レースともスタートには大きなミスはなく、順調なスタートを切ることができました。しかしレース全体としては、最初からペースはあったけどストレートが伸び悩んで(前のクルマを)抜ききることができなかったというのがレース1の感想ですね。

—――ムジェロでのオーバーテイクは難しいですか?
山越:そうですね。基本的には(オーバーテイクができるのは)1コーナーのみなので、チャンスが限られていて本当に厳しいですね。

—――レース中にはSCが導入されました。ムジェロはリスタートの際、先頭はコントロールライン付近まで加速しないことが多く今回もそうでしたが、後ろを走ってる立場だとあれはどのような感じなのでしょうか?
山越:あれは正直レースが始まる前から予想はしていました。昨年のイタリアF4、ユーロ4のどちらを見てもみんなフィニッシュラインのギリギリまで待ってスタートするのはもう分かってはいたので、意外とその辺りに関しては問題はなかったですね。

—――加速し始めるタイミングは実際にやってみると難しそうに見えますが・・・
山越:そうですね。いつアクセルオンするかなど、トップがいずれも全て決めるので、そういうのを見極めるのは難しいですね。やっぱり前にマシンがいるとトップがいつ加速するのかが分からないので。

—――ムジェロやF2のバクーのような、コントロールラインまでの全開区間が長いコースは難しく混乱が起きがちに見えます。今回も山越選手の後ろ、アル・ダヘリ(プレマ)の周辺で混乱が発生していました。
山越:あれはぶつかったのではなく、僕の予想では(リスタートの加減速時に)アクセルを全開にして、ブレーキも全開にして、それを長時間やってしまったためクルマがセーフティモードに入ってエンジンが切れたんじゃないかと思います。この仕組みは全部のカテゴリにあるんじゃないですかね。(メモ:過去の事例からF2には存在することを確認している)

—――レースは30分ありましたが、その中でタイヤのデグラデーションに関してはどうでしたか?
山越:自分的には想像以上にみんなタイヤが持っちゃったなっていう感想ですね。もっとペースが下がると思って走ってたので、こんなに残っちゃうんだっていうのがありました。


—――レース1は終盤に前のボーラ(USレーシング)を追い詰めるも、抜ききれず4位でフィニッシュとなりました。
続いてレース2について伺います。タイヤはどのセットを使ったのでしょうか?(イタリアF4は2つの予選と3つのレースを2セットのタイヤで走る)
山越:タイヤに関しては、上位勢はみんなシャッフルさせるんですよね。確かレース2では予選で使ったタイヤと、レース1で使ったタイヤをミックスして使ったはずです。イタリアF4はタイヤをスワップさせても大丈夫なので。

—――レース2ではスタートでは4番手をキープしましたが、1回目のSCリスタートで後ろを走るチームメイトのヨンソンに抜かれてしまいました。これもリスタートの難しさが影響しましたか?
山越:あれは完全に僕のミスですね。「あ、行っちゃった。やらかしちゃったな。」っていう感じでしたね。

—――その後もう一度SCが出動し、再びリスタートとなりました。今回はターン1で山越選手の前はバトルになっていました。このシーンでは後ろからどう見ていましたか?
山越:2番手争いがサイドバイサイドになっていて、これはグスタフ(・ヨンソン VAR)は絶対イン側に行くなと思ったので、上手くクロスラインをできればいいなと思いながら行ったんですけど、やっぱりそんなに上手くはいかなかったですね。

—――レースの終盤はチームメイトのヨンソンに追いついていましたが、そのまま5位でフィニッシュでした。ムジェロのコース特性もあって抜ききれなかった感じでしょうか?
山越:そうですね。あと、そもそも僕らはレース2でラップペースが1秒遅かったんですよね。僕だけ1秒遅いんだったらいいんですけど、チームメイトも1秒遅いとなるともう困ったもんなんで。実際グスタフのペースはそこまで速いわけではなかったんですけど、やっぱり抜ききれないっていうのが大きいですね。


—――レース3は3番手スタートで、良いスタートを切ってターン1までに2番手に上がっていましたが、次のアングルに変わったタイミングでは4番手に下がっていました。映像に映っていない間に何があったのでしょうか?
山越:あれはジャック・ビートンに残っていないイン側のスペースに無理やり来られてしまったので、これはもうイン側を空けるしか生き残る道はなくて、イン側を空けたらもうそのまま「さよなら~」みたいな感じで(笑)。やっぱりチャンピオンシップのことを考えると今クラッシュするっていうのは一番やっちゃいけないことなので。でも正直レース3は自分のペースは良かったので、グスタフに前に出られていなければ、1位2位を全然狙えたペースではありましたね。

—――レース3はそのまま4位でフィニッシュでした。第4戦ムジェロの週末全体を通して振り返るといかがでしたか?
山越:自分として、ドライバーとして予選はもっと上手くできたし、チームとしてはセットアップ、レース2に関しては本当にひどかったので、その辺りはユーロ4でまたムジェロのレースがあるので、そこまでにはちゃんと見直さないといけないなっていうのがムジェロの週末でしたね。

第4戦 ムジェロでの山越選手の成績

予選1:4位  予選2:4位  セカンドベスト:3位
レース1:4位スタート→4位フィニッシュ
レース2:4位スタート→5位フィニッシュ
レース3:3位スタート→4位フィニッシュ



—――ムジェロから2週連続で第5戦がポールリカールで開催されました。ここはイタリアF4のプレシーズンテストが行われたほか、山越選手は昨年のフランスF4でも走行経験がありましたね。自信は結構あったのではないでしょうか?
山越:自信としては、勝てなくても最悪3レースとも表彰台は獲りに行く気持ちでは行ってましたね。

—――フランスF4はミゲールシャシー、イタリアF4はタトゥースシャシーですが、違いはどうでしたか?
山越:もう違いが多すぎて・・・(笑)。ベースから違うので違いを言うとなると厳しいですけど、逆に比較がしやすいと言いますか。でもやっぱりコースを覚えられてるっていうのはアドバンテージでしたね。

—――ポールリカールもフリー走行が2回と予選、レースという流れであっていますか?
山越:そうですね。今回はフリー走行が金曜日に2回あって、予選とレース1が土曜日、レース2と3が日曜日という形でしたね。

—――このレースも7月の夏場の開催ということで気温も高く、タイヤなどにも厳しそうなコンディションでしたが、予選の方は振り返ってみていかがでしたか?
山越:ポールリカール(の予選)に関しては、ある程度自分のベストは尽くせたと思っていたんですけど、単にペースが至らなかったっていうのが3番手という結果でしたね。
(Q1、Q2ともに3番手タイム)

—――ヴァレルンガ以来の予選3番手タイムでしたが、ポールリカールだったのでもっと上の順位を狙えたというような感覚はあったのでしょうか?(前回のインタビューでポールリカールは得意だと語っていた)
山越:「まあ3番手くらいを狙えたらいいかなー」っていうのがあったのでその結果は良かったんですけど、僕の最初のアタックでマッフィレーシングのマシンが僕の前でスピンしていて、そのイエローフラッグでタイムを更新できなかったので、セカンドベストで良いタイムが記録できなかったのは非常にアンラッキーでしたね。
(セカンドベストは6番手タイム)

—――ちなみにQ1ではチャンピオンシップリーダーであるスレイターが24番手でした。彼も同様にイエローフラッグの影響を受けたりしたのでしょうか?
山越:あれはアタック前にレッドフラッグが出て、再開後はコースが大渋滞になりました。僕はスレイターの後ろで走ってたんですけど、彼がどっちのアタックでも自分でミスをしていました。まあ単純にプレッシャーに負けたような感じのミスにも見えましたね。


—――レースの方について伺います。まずは3番手スタートのレース1、スレイターがQ1で後方になったのでポイント差を縮めるチャンスのレースでしたが、実際どう思いましたか?
山越:まあ、思いもよらないチャンスが舞い降りたなとは思っていました(笑)。

—――ターン1ではマティウス・フェヘイラ(USレーシング)とバトルになり、コースを飛び出すシーンがありました。あれは接触を避けるために逃げた感じだったのでしょうか?
山越:そうですね、単純に避けた感じです。ただ、その避けたのがあまりよくなかった(コーナーカット)という理由でペナルティになったので、まあ結構言ってしまえば理不尽に感じちゃいますし、納得はしきってないペナルティではありますね。

—――レース1としては1位のボーラと2位のビートンのUSレーシング勢から、3番手の山越選手は少しずつ離されるような展開でした。レースペース的には少し差があったりしたのでしょうか?
山越:そうですね。ムジェロから彼らが凄くペースアップしてきていて、特にストレートが本当に速くて、そこで圧倒的に差をつけられちゃってる感じでしたね。

—――レース終盤は同じくUSレーシングのフェヘイラが後ろから迫ってきていました。なんとかフィニッシュまで3番手のポジションを死守しましたが、抑えるうえで重要だったり意識したポイントはありましたか?
山越:なるべくダーティエアをコーナーの入口と真ん中あたりで後ろに受けさせて、自分は立ち上がりに全力で集中するっていう走り方で、単純に言えば自分のポジションを守りつつタイムを落とさないようなブロックの仕方をしていましたね。

—――レース1は3番手フィニッシュでしたが、先ほどお話しいただいたペナルティで最終的には6位になりました。スレイターはレース1を走らなかったためポイント差を縮められるレースという見方もできたので、この結果は少し誤算というような形だったでしょうか?
山越:そうですね、納得ができるような結果ではなかったですかね(笑)。


—――レース2も3番手スタートでしたが、今回はオープニングラップに激しいバトルを制して2番手に浮上しました。ポジションアップについてはかなり狙っていましたか?
山越:スタートは実際のところちょっとミスってしまっていたんですけど、その後のシチュエーションが僕が思い描いていたシチュエーションになったので、上手くそれを利用したっていう形でしたね。

—――レース2はSCがその後導入されましたが、リスタート後は4番手からスレイターが凄いペースで追い上げ、山越選手もオーバーテイクされてしまいました。彼のペースはやはり速かったですか?
山越:そうですね。やっぱりタイヤを温存していた分(レース1を走っていないため)、別格でしたね(笑)。

—――その後はビートンとチームメイトのヨンソンにも先行を許す結果となりました。あれはペースが苦しかったり、ミスがあったのでしょうか?
山越:もう単純にペースが苦しかったですね。

—――最後の方は再びヨンソンに追いついていましたが、山越選手が再びペースアップした、もしくはヨンソンのタイヤが終わってしまったという感じでしょうか?
山越:僕がペースが厳しいながらもタイヤを残していたところで、グスタフ(・ヨンソン)のタイヤがだんだん終わってきて、それでペースが逆転し始めたってタイミングでレースが終わった感じですね。
(レース2は5位でフィニッシュ)


—――レース3はウェット路面ながら雨が止んでいる状態でのスタートになりました。F4の前に行われていたGTOpenやFRECA(フォーミュラリージョナルヨーロッパ)は大雨のコンディションでしたが、山越選手的にはF4でも雨が降ってくれた方が嬉しかったですか?
山越:そうですね。雨が降ってくれてたら(チャンスは)ありましたね。スタートして路面が濡れている最初の数周の(ウェットタイヤでの)ペースは凄い良かったんですけど、そのあとはあまりペースが無かったです。ピットインしてとにかく攻めようとしたんですけど、ピットアウト後のウォームアップランでタイヤをいじめすぎちゃったのですぐにタイヤが終わってしまって、スレイターに抜かれてしまった形のレースでしたね。正直あそこは雨が降ってきてほしかったなっていうのはあります。

—――レース自体はセーフティカースタートでしたが、ウェットタイヤの装着義務はありませんでしたね。
山越:僕はウェットタイヤを着けたんですけど、それは完全に保守的な選択でしたね。目の前のグリッドのランキング争いしているドライバー(スレイターやボーラ、アレックス・パウエルなど)がウェットタイヤを履いたからウェットタイヤにしたら、後ろはみんなドライタイヤで・・・(笑)。
セーフティカースタートではなく、ただのフォーメーションラップであれば、(ウェットタイヤを選んだ)上位勢にもまだポイントのチャンスはありましたね。SCスタートでドライタイヤ勢がタイヤを温めるのが間に合っちゃったのが大きかったです。

—――スタート前、「ドライタイヤにした方が良いんじゃないか?」といった考えもあったりはしましたか?
山越:かなりありました。セーフティカーランが始まって「ああ・・・終わった俺のレース・・・」って(笑)。フォーメーションラップの時点で僕の気持ち的にはドライだったんですけど、ちょっとビビっちゃいましたね(笑)。

—――ウェットタイヤで乾きかけの路面を走るとき、ドライバーとしてはどういう点で「ダメだ」と感じるものなんでしょうか?
山越:もう完全にグリップが全く無くて、曲がらない止まらない・・・どうしようもできない・・・みたいな感じですね。

—――今回のレースはF4では珍しくレース中にタイヤ交換を行いました。レース中にタイヤ交換を行ったのは初めてですか?
山越:初めてです。本当にチームが良い仕事をしてくれて、ボーラをピットで抜き去ることができました。

—――F4ではピットレーンからピットボックスに止まってタイヤ交換をする練習などは一応やったりするのでしょうか?
山越:練習走行ではやらないですけど、メカニックたちはずっとピット作業の練習はしてますね。
—――ドライバーが練習することは無い感じですね。
山越:そうですね。ピットに入ってエンジンを切って、タイヤ交換が終わるのを待つだけなんで(笑)。

—――ドライタイヤに交換してコースに戻りましたが、レース結果としては22位でした。ピットアウト後もポジションを上げているように見えましたが、あれはコース上でオーバーテイクがあったりしたのでしょうか?
山越:あれは全員ウェットタイヤを選択したドライバーたちのピットイン(による順位変動)ですね。
—――ピットアウト後はずっと単独走行のような感じですかね?
山越:そうですね。あと1周あったら抜けたんですけど、まあ足りず・・・。

—――第5戦ポールリカールの週末全体を通して振り返るといかがでしたか?
山越:ランキング2番手を守れて良かったなっていうのと、ここ最近のレースペースは本当に良くなかったので、どうしたら直るかなというのをチームと話し合ってたって状況です。

—――残りのラウンドではレースペースの改善が一番の目標になりそうですね。USレーシング勢もランキングで迫ってきました。
山越:そうですね。必須です。ユーロ4のラウンドで彼ら(USレーシング)がどのくらいの走りをするかによって、今後の僕らの結果がなんとなく見えてくるかなっていうのはありますね。

第5戦 ポールリカールでの山越選手の成績

予選1:3位  予選2:3位  セカンドベスト:6位
レース1:3位スタート→6位(3位フィニッシュからペナルティ)
レース2:3位スタート→5位フィニッシュ
レース3:6位スタート→22位フィニッシュ(途中タイヤ交換のためピットイン)


ポイントランキング(5/7ラウンド終了時点)

1位 265pts:フレディー・スレイター(プレマ)
2位 179pts:山越陽悠(VAR)
3位 174pts:アクシャイ・ボーラ(US)
4位 140pts:ジャック・ビートン(US)
5位 138pts:アレックス・パウエル(プレマ)


—――次のレースはイタリアF4ではなく、8月23日~25日に行われるユーロ4の開幕戦ムジェロですね。読んでいる方の中には、ユーロ4がどういうものなのかという認識の方もいらっしゃるかもしれません。ユーロ4とは簡単に言えばどういうシリーズなのでしょうか?
山越:「イタリアF4の・・・亜種」ですかね。
—――クルマはもちろん、チームやドライバーもほぼ同じですよね。
山越:はい、全員ほぼ一緒ですね。ドライバーはちょくちょく変わったりもしますけど。
(メモ:ちなみにプロモーターも同じ、レースの配信もイタリアF4と同じYouTubeチャンネルで見れます。
イタリアF4と並行参戦するチームとドライバーが多いので、消滅したADAC F4のような立ち位置のレースともいえるかも?)

—――イタリアF4ですでに走ったムジェロでもう一度レースとなりますが、どのような点に注目すればいいでしょうか?
山越:USやプレマに関してはマシンの制作度合いでいったら90%とかだと思っていて、僕らはそれが70%とかだったので、その差をどこまで縮めていけるかなっていうのが僕らが楽しみにしている部分ですね。もちろんユーロ4も大事なシリーズなので、そこでどれだけスレイターやボーラ、ジャック(・ビートン)、僕だったり、グスタフ(・ヨンソン)のポイント差も1戦目でどれくらい変わるかなっていうのを見ておくポイントかなと思います。
あとは、クラッチのシステムが新しくなって、回転が回りきらない設定になったので、スタートがめちゃくちゃ難しくなったんですよね。もうすでに僕らのエンジンには積まれててテストで試したんですけど、次のレースからそれになるので、もしかしたらめちゃくちゃ速いスタートで3台とか抜くドライバーもいたり、逆にスタートで5ポジションくらい落とす人もいたりと、そんな感じで混沌としたスタートになる可能性があります。

—――これまでのインタビューでもスタートについての難しさや上手さの話題は何度も上がっていたので、これは確かに注目ポイントですね。
山越:はい。0-100の加速は今まで3.5秒が最高で、まあ3.6秒だったらいいよっていうのが目安だったんですけど、多分今のクラッチシステムだとめちゃくちゃ良くても3.7秒が限界だと思います。僕のチームメイトで元々3.8秒とかで走ってたドライバーは、今は4.5秒とか4.3秒とかで・・・ひどかったですね。これは結構注目ポイントだと勝手に僕は思ってます(笑)。

—――その次戦のユーロ4のレースまでが夏休みというような感じですかね?
山越:大体はそんな感じですね。僕は今過去一で時差ボケ食らってて(インタビュー実施日は日本に到着した翌日)、昨日寝たのが朝の5時半とかで、今日は朝から用事があったので起きたのは8時とほぼ寝てない感じで・・・(笑)。
—――そんな中インタビューを受けてくださりありがとうございます(笑)。
山越:いやいや、それはもう最初から決まってたので(笑)。
でもこんなに時差ボケになったことがないので、結構メンタルに来てます。(笑)。

—――イタリアF4の次戦は9月25日~27日のバルセロナになります。ここは昨年スペインF4でも走ったコースですね。少し先の話になりますがお話を伺いたいと思います。
山越:スペインF4のバルセロナは凄く調子が良くて、個人的にも凄く好きなコースなので、少なくとも表彰台は獲りたいなっていうのはありますね。どちらかというとポールリカールよりも自信のあるコースなので、なんとか良い結果を出したいなという部分ではあります。やっぱりチャンピオンシップを考えても、流石にバルセロナで(スレイターに)チャンピオンを決めさせるわけにはいかないので(笑)。有効ポイントを考えると僕は30ポイント近く、もしくはそれ以上縮めないといけないので(イタリアF4は21レース中成績の良い16レースの有効ポイント制)。

#03前編はここまで。
#03後編では、ワイルドカード参戦となったスペインF4 第4戦モーターランド・アラゴンについてのお話を伺いました。以下のリンクからどうぞ!


山越陽悠選手の各種SNS
X(旧Twitter)https://x.com/HiyuYamakoshi
Instagram https://www.instagram.com/hiyu.yamakoshi

イタリアF4選手権とユーロ4選手権のレースはYouTubeでライブ配信が無料で視聴可能!
次のレースのユーロ4 開幕戦のムジェロは8月23日~25日に開催されます!
 8月23日(金) 17:20~ フリー走行1
 8月23日(金) 21:15~ フリー走行2
 8月24日(土) 15:30~ 予選1
 8月24日(土) 15:55~ 予選2
 8月24日(土) 23:30~ レース1 LIVE
 8月25日(日) 15:50~ レース2 LIVE
 8月25日(日) 23:00~ レース3 LIVE

 (レース以外はライブタイミングが利用可能)


2024年のイタリアF4選手権/ユーロ4選手権のフルレース動画まとめ(YouTube)


今後のイタリアF4選手権とユーロ4選手権のレース日程
8月23日~25日 ユーロ4 開幕戦 イタリア:ムジェロ
9月13日~15日 ユーロ4 第2戦 オーストリア:シュピールベルク
9月27日~29日 イタリアF4 第6戦 スペイン:バルセロナ
10月4日~6日 ユーロ4 最終戦 イタリア:モンツァ
10月25日~27日 イタリアF4 最終戦 イタリア:モンツァ


イタリアF4選手権 ホームページ

ユーロ4選手権 ホームページ


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