世界で戦う日本人レーシングドライバー イタリアF4で戦う山越陽悠選手へインタビュー #03後編 - ワイルドカード参戦のスペインF4 第4戦振り返り

今回もイタリアF4選手権に参戦中の山越陽悠選手(Van Amersfoort Racing)にインタビューを行うことができました。#03後編では、ワイルドカード参戦となったスペインF4の第4戦 アラゴン・モーターランドについて振り返ります。

インタビュー #03前編はこちらから


これまでのインタビューはこちらから↓


—――イタリアF4 第5戦ポールリカールの翌週、スペインF4の第4戦モーターランド・アラゴンにもMonlau Motorsportから参戦されました。どういった経緯で参戦することになったのでしょうか?
山越:あれは元からVAR側から「出てくれない?」っていうので言われていて、まあ出れるんだったら・・・って感じで決まりましたね。僕のマシンに何もスポンサーが付いてないっていうところに気づいてた人もいたんですけど、あれは全部VARのサポートで出てたから(山越選手のスポンサーが)何も無かったっていうのがあります。
(MonlauとVARは提携をしているような形で、MonlauのクルマにはVARのロゴが入っている)
—――資金を持ち込んで乗ったというわけではないんですね。
山越:そうですね。ほぼほぼゼロみたいな感じですね。

—――ちなみに今回のカーナンバーは76でしたが、どう決まりましたか?
山越:「6」って言ってたんですけど、もう変えれないって言われたので76になりました。
(ちなみにWikipediaでは75になっているがこれは間違い)

—――スペインF4への参戦は昨年の11月の最終戦バルセロナ以来でしたが、イタリアF4に参戦してからのスペインF4だと、クルマやチーム、雰囲気などまた違った点がいろいろあったのではないでしょうか?
山越:雰囲気で言うとスペインF4の方がもうちょっと柔らかい空気感はありましたね。マシンの違いだとやっぱりタイヤが違いますし(イタリアF4はピレリ、スペインF4はハンコック)、ブレーキのメーカーも違うんですよね。この間のレースではそのブレーキがもう本当に合わなくて苦戦を強いられていましたね。
—――スペインF4で使われてるブレーキ自体は昨シーズンと同じなんですかね?
山越:そのはずです・・・(笑)。言ってしまうとあれなんですけど、別にスペインF4のクルマが悪いわけではないんですが、イタリアF4のマシンが良すぎて・・・(笑)。

—――レースウィークについて伺います。予選はQ1が19位、Q2では23位と苦戦されているようにも見えましたが、予選ついてはいかがでしたか?
山越:ほかのドライバーは火曜日と水曜日にもうすでにテストを行っていたのに対し、僕は金曜日からの走行で、元々僕のクルマもレース用じゃなくて練習用のクルマだったのでセットアップも何もないっていう状況からスタートでした。その分、セットアップが煮詰めきれずにかなり苦戦したっていうのはありますね。


—――レース1は19番手スタートでしたが、オープニングラップで6台を抜いて13番手まで上がるような展開でした。抜群のスタートを切れましたか?
山越:スタートも良かったし、基本的に僕が思い描いていた「大体こんな感じになるんじゃないかな」っていう想定通りの動きをみんなしていたっていう感じでしたね。やっぱり去年スペインF4を1年間やってきて、自分がルーキーだった時にこういう動きをしてたとか、自分がルーキーだったらこうするだろうなっていう経験を踏まえた上でいろいろ動いてみたら、スルスルスルと行けちゃったみたいな(笑)。

—――残念ながら中継映像にはあまり映らなかったので気になっていたのですが、レース1のペースやその後の展開としてはいかがでしたか?
山越:レース1はギリギリ・・・戦え"ない"レースペースでしたね。
—――苦しい展開ながらも、ファイナルラップではフィニッシュ直前でポジションが10位に上がりました(最終結果は9位)。あれは何があったのでしょうか?
山越:10番手チェッカーなのは間違いなくて、最終ラップの最後のヘアピンで「(前が)クラッシュしそうだなー」って思って、早めにブレーキを踏んでクロスラインというか、"インインイン"をする準備をしていたらやっぱりクラッシュして、じゃあ「ありがとうございますー」みたいな感じですね。そして1台がペナルティを受けて9位という結果ですね。
(ワイルドカード参戦のドライバーなのでポイントは付与されない)


—――レース2では「フォーミュラレースで初めて空を飛びました」とXにもあった通り、18番手スタートも1周目にクラッシュでリタイヤとなりました。中継映像には全容が映っていなかったのですが、何があったのでしょうか?
山越:スタートは良くて、これだったらクロスラインで3台くらい抜けるかなと思ってクロスラインを狙いに行ったら、なんか後ろから青いミサイル(サンテロックレーシングの車両)が飛んできて・・・。あのレース、僕はニュータイヤを履いていたので、走れてたら結構良いレースが出来ていただろうなというのはありましたね。


—――レース3では「スタートで8台抜いた」とXにもありましたが、23番手スタートから抜群のスタートを決められたようですね。
山越:そうですね。それも抜群のスタートを決めて、さらに前がすごい混乱でごちゃごちゃしてたので、そこをアウト側から全員抜いていきました。そのあと僕のチームメイトが1回転半横転してたので、みんなちょっとスローになってたところを、すごい気になったけど「そんな気にしてる場合じゃねえ、速く前に行かないと」って感じで抜いていきました。

—――その後は集団でバトルしながらポジションを上げていくようなレースに見えましたが、いかがでしたか?
山越:セットアップが最後の最後にやっとうまく機能して、「いけるぞ!」と思ったら今度はタイヤの空気圧を高くしすぎて失敗して、後半はタイヤがもうタレちゃって何もできないみたいな感じでしたね。

—――画面表示では終盤にポジションが一気に下がる場面がありましたが、それもタイヤが厳しいのもあって抜かれた感じでしょうか?
山越:そうですね。あとは他のドライバーにグラベルまで弾き飛ばされたっていうのがありましたね。それさえなければ9番手だったかなっていうのはありますね。
(12番手でフィニッシュ)


—――久々のスペインF4のレース参戦でしたが、この週末を通していかがでしたか?
山越:本当にいろんな人に久々に会えて楽しかったですね。例えば僕がインスタグラムに上げたエンツォ・ターバニチュクル(カンポス、レッドブル育成)との久々に再会だったり、カンポスのメンバーやテクニカー(昨年山越選手が所属していたチーム)のメンバーだったりとも話せたりしたので、それは凄い良かったですね。
(レースでは)今回結構苦しんだっていうのもあって、その苦しんだところで自分がどれだけベストを尽くせるかという、ドライバーとして成長するための経験というものはたくさん積めたと思います。

スペインF4 第4戦 アラゴン・モーターランドでの山越選手の成績

予選1:19位  予選1セカンドベスト:18位  予選2:23位
レース1:19位スタート→9位(10位フィニッシュから繰り上がり)
レース2:18位スタート→リタイヤ
レース3:23位スタート→12位フィニッシュ


スペインF4のレースはこちらからYouTubeで無料で視聴が可能!


山越陽悠選手の各種SNS
X(旧Twitter)https://x.com/HiyuYamakoshi
Instagram https://www.instagram.com/hiyu.yamakoshi

山越選手が次に出場するレースは8月23日~25日に開催されるユーロ4 開幕戦ムジェロ!レースはYouTubeでライブ配信が無料で視聴可能!
 8月23日(金) 17:20~ フリー走行1
 8月23日(金) 21:15~ フリー走行2
 8月24日(土) 15:30~ 予選1
 8月24日(土) 15:55~ 予選2
 8月24日(土) 23:30~ レース1 LIVE
 8月25日(日) 15:50~ レース2 LIVE
 8月25日(日) 23:00~ レース3 LIVE

 (レース以外はライブタイミングが利用可能)


今後のイタリアF4選手権とユーロ4選手権のレース日程
8月23日~25日 ユーロ4 開幕戦 イタリア:ムジェロ
9月13日~15日 ユーロ4 第2戦 オーストリア:シュピールベルク
9月27日~29日 イタリアF4 第6戦 スペイン:バルセロナ
10月4日~6日 ユーロ4 最終戦 イタリア:モンツァ
10月25日~27日 イタリアF4 最終戦 イタリア:モンツァ


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