屋外テーブルなしZINEイベントディスプレイアイディア備忘録!
私は2021年から吉祥寺 パルコ屋上にて吉祥寺ZINEフェスティバル(略してキチジン)というイベントに定期的に参加させてもらっています。実はこのイベントにはテーブルがありません。初参加の時はそれでかなり動揺したので、今後テーブルなしイベントに参加する予定のある人、してみたい人のために、この度ディスプレイや什器(じゅうき:お店のディスプレイに使用する機材のこと)についての記事を書いてみます。
キチジンの第一回の1ヶ月ほど前、主催のBook Cultureクラブ中西さんからツイッター経由でDMをいただきました、デザインフェスタや2020年秋のおもしろ同人誌バザールなどで販売していた「イケおじの本」などをみていただいていたようです。ZINEイベントにはどんどん出たいと思っていた矢先だったので、連絡を頂き出店する気満々だったのですが、よく案内を確認してみると、テーブルが準備されないこと、またレンタルもできないということがわかりました。
テーブルがデフォルトでついてこないイベントはあるのですが、大抵の場合有料でレンタルできる会場が多く(デザインフェスタ、ハンドメイドマルシェ等)正直テーブルのないイベントはかなり不安でした。
出展できる気がしなかった…
てか、テーブルがなくてどうやって本売るの?ムリムリ!当時は、まじで心の底からテーブルのないZINE即売会イベントが全くイメージできず、その条件なら出展自体やめようかなと考えたほどでした。その時は段ボールをひっくりかえしてテーブル代わりにするというアイディアもなく、(そんな店見たことなかったので)フリーマーケットみたいにブルーシートの上にぐちゃっと商品が置かれる様子を想像しており、自分のブースがかっこわるくなる感じがムンムンだったわけです。
検索してみても、古着のマーケット的な画像は出てきたのですが、なかなか、というかほとんど参考にできそうな画像は見つかりません。結局私はアイディアが浮かばず、参加を諦めかけていたのですが、キチジンがCOMITIAやおもしろ同人誌バザールのような通常の一次創作同人誌即売会とはまた違った雰囲気の、漫画だけでなくイラストや、写真、文章など、幅広い範囲のZINEが見られそうなイベントだということで思い切って参加することにしました。結局出展前ぎりぎりにamazonで安めのキャンピングテーブルと簡易椅子を購入、家族の手を借りつつ、当日に臨みました。(のちに、必ずしもテーブルは必要ないと判明します!)
そんなこんなで、2021にスタートしたばかりのZINEイベントキチジンは、先日第4回が無事に終了しました。回を重ねたのもあってか、それぞれのスペースの出展者さんは皆快適&いいかんじのブースを作っていました!
2年前に軽くパニクっていた当初の私のような人が現れないよう、また、はじめてZINEを作った人のディスプレイを考える負担が少しでも減るように、ここに備忘録的に屋外+テーブルなしZINEイベント(つまり今の所キチジン)のディスプレイについて参考資料を残そうと思います。
段ボールがテーブルに!
初回こそテーブルを持ち込んだ私でしたが、いざ会場を見渡すと、実にいろいろなお店が並んでいました。私は実際に会場をみるまで、段ボールに布をかけただけのものがテーブルとして機能することを知りませんでした。
段ボールテーブルすらなく、ただ布やレジャーシートの上に、本、値札、説明をおいただけのシンプルなブース、折り畳みキッチンラックに布をかぶせてその上に商品をおいてある小さなブース、いろいろな出展者さんをみているうちに、こんな感じで気楽に参加すればよかったんだなと、なんだか肩の力が抜けました。
もちろん、組み立て式の天井や、木製の柱、のれんまで持ち込んでいた人、がっつり複数人参加でテーブルやポスターやパネルを準備している所もあったのですが、ものを運んできたスーツケースの上に本を並べるだけでちゃんとお店になっている事にとても励まされました。
実際に、安く手軽にお店っぽい感じにできる道具をこれから紹介します。
実際のブースを写真で紹介!
1 低コスト!見やすくて広い!レジャーシートでバザールっぽいブース
2 なんとなくお店っぽい!段ボールをひっくり返して簡易棚
3ガッツリキャンピングテーブルを持ち込んで本格的な即売会ブース
そのた 本や売り物に応じて什器を手配したブース!
持ち物リスト
基本的な持ち物を一覧にしました。人によって、いるものいらないものがあると思いますが、個人的にいるなーと思うもの一覧です。ここに書くとすごく長くなるのでPDFにまとめました。
よく即売会などにあるテーブルの上に置くタイプのポスター立て、大型ポスター設置装置po.su.taなどは屋上で強風が吹く可能性があるため、やめた方が無難です。かなり重いものでも飛ばされてしまうことがあります。
奥行きや立体感を出すための道具
ブースは立体感、高さ、奥行きを出すのが一般的には良いものとされています。ただ商品によっては下に置くだけで十分いい感じにディスプレイできていることも多いです。確かにブースに奥行きや高さがあると賑やかになり、商品をとりやすくなります。参考に簡単に手に入れられる什器などを紹介します。
キッチンラック(百均)
上から布をかぶせるだけであら不思議、かっこいいディスプレイラックの出来上がりです。軽くて折り畳めます。風に煽られると飛びそうなので強風が吹いた場合は人間が盾になる必要があるかも。積み重ね可のタイプもあり。
↓このキッチンラックは筆者が実際使っているもの。2つまで積み重ねがOKなので、2段にして裏で小銭入れやマスキングテープを置いたりしている。
シューズラック(IKEA)
上から布をかぶせるだけであら不思議…(同上)
2段まで積み重ね可。4つくらい買ったら多分かなりでかいテーブルになるはず。ひとつ500円くらいです。このようなシューズラックはホームセンターでも売っているのでそちらで探してみてもいいかもしれません。
段ボール
組み立ててガムテープで固定し、布をかぶせて使用。キッチンラックやシューズラックよりも安定感あるかも。ドラッグストアの店頭においてあるようなものでもいいが、私はある程度の大きさがほしかったので、近くのパッケージプラザで2つ購入しました。へたってしまうので、テーブルに使う用として保存し、普段はものを入れず、折って収納してます。
キチジンは1ブース180cmx180cmなので、(2023年から90cm幅のブースも追加されました)計画を立てて、必要な分だけ買うといいでしょう。軽くて持ち運びも楽。
スーツケース
でかいスーツケースは商品を入れて運んで、そのまま什器として使えます。私はそのままおいていましたが、布をかぶせるのもいいですね。上にグッズや、陳列ラックをおいて本を見てもらいましょう
キャンピングテーブル
折りたたみ式で持ち運びできるテーブルです。椅子とセットで販売されていることもあり、アルミなどでできており比較的軽いです。ただ、一人でこれと商品を持っての出店はきびしかったので、グループで出展できる人や、車搬入できる人は使ってみてください!
キャンピングチェア
持ち運びできる椅子です。キチジンでこれにゆったり座っている人をよく見かけたので、使っている人は多い印象!普段からキャンプなどにいく人で、これらのグッズを持っている人は羨ましいです!^^
登山、キャンプ用品は暴風、防寒対策にも優れているので、屋外イベントではそれらの服や製品はバリバリ使えます。近くにキャンプ用品をもっているひとがいれば借りるのもありかと…
(しかしよく考えたらこれは什器ではないのではないか…)
ワイヤーネット類
自分はワイヤーネット什器に手を出すのが比較的おそく、デザインフェスタやキチジンなどで多用されているのをみて、どうしてもっとはやく使わなかったんだ!と思いました。ワイヤーネット用のかご、フックなど、追加オプションのメニューも幅広く、これだけで無限のバリエーションのブースが想像できてしまいます…!高さ、面の陳列、持ち運びのしやすさなど、全てにおいて優秀です。
有孔ボード
ホームセンターや100円ショップにも小さいものが売っている穴の空いたボード、パンチングボードとも言う。道具を見せて収納できるボードとして売られているが、展示に使ってもかっこいい!有孔ボード用の金具や小さな棚なども売っているので、こちらもバリエーションはほぼ無限。
スマート本棚
自分が使っている同人誌即売会用の組み立て式ディスプレイ棚。個人的にめちゃめちゃ世話になっているスマート本棚。
軽くて持ち運びがしやすく、2つの棚を積み重ねることでどの表紙も隠れないのがポイント!A5の本が4つ置けるので、本が増えてきてから買うと良いでしょう。慣れないと組み立てに時間がかかるので、使う前に一度家で組み立てをして、シミュレーションするといいです、会場でめちゃくちゃ慌てます…。紙製なので酷使するとへたる。(しょうがない)屋外では突風が吹くことがあるので、これを使うときは重いものを下にいれておくといいです。
ほかにも同人誌即売会用や、ハンドメイドイベント用の紙製什器は色々売っているので検索してみると出てきます!
検索ワードは 即売会 ディスプレイ ハンドメイド什器 紙製什器など…
100円ショップで買えるもの
什器は百均から…
そう言っても差し支えないほど百均で買えるものは多種多様です。いらないものまで買わないように注意するレベル。定番ですが私がよく即売会で使えそうだとおもって眺めている商品を紹介します。
アクリルスタンドなど
本の表紙を飾ってもいいし、見せたいページがある場合は開いたまま設置することもできます。お近くの百均にたくさんの種類があることでしょう。木製、ステンレス製のイーゼルなども同じように使用できます。
フォトフレーム
メニュー表のようなものを入れたり、ZINEのコンセプトを説明したりするのに使えます。ペラ紙一枚置くよりだいぶ見栄えがするはず。
ポップスタンド
名刺や商品の値段、説明ポップを立てたりなど
コインケース
おつりが入れられます。私も百均のコインケースをかなり長い間使ってますが今の所壊れる気配はありません。
お金受け渡しトレー
直接の接触を避ける、という意味合いもあるし、意外と手と手でやりとりすると商品の受け渡しでバタバタしたりもするので使ってます。家にある何かの蓋とか、簡単な皿とか、豆腐が入ってたプラ容器などでも代用可能です。(豆腐のケース出てきたらお客さんびっくりするかもですが)
ホワイトボード
外出や離席のお知らせが簡単にできます。何かその場で付け足したい情報を書いて置いたりなども。
木製のクリップ
ポストカードなど、細かいものや軽いものが吹き飛ばされそうになるのをまとめてくれます。本に傷がつきにくいのも◎
什器を運ぶ
せっかく什器を買っても会場に運べなければ、意味がありません!!
基本はスーツケースに収まると思いますが、かさばるものを持っていくときに便利だったものを念の為紹介します。
フラクタ(IKEA)
IKEAの大型リュック型カバン。スーツケースより長辺が大きく、スーツケースにうまく収まらないアクリルラックや長いワイヤーネット、そして段ボールを運ぶのに使用しました。何よりも背中に背負って両手があくのでスーツケースが押しやすいです。どうしても一人で搬入、出展しなければならない場合はこれがなければ乗り切れませんでした…涙 ※これとセットで使えたトロリーは生産終了してしまった模様、好きな商品だったので残念…。セットで使えるトロリー、復活してました!人によってはこれ一台で、段ボールも商品も運べてしまうかも!見た目もかわいいです。
IGÖRSNYGG ヨールスニグ(IKEA)
フラクタよりも横幅が広いものが入れられる、軽くて安いリュック。最近発売された商品のようです。
https://www.ikea.com/jp/ja/p/goersnygg-bag-blue-50503980/
キャリーカート
段ボールをそのまま載せて運べます。スーツケースに入らないタイプの什器はこのようなものに載せて運びます。私はキャンピングテーブルをこれに載せてました。こっちのほうがイベント中かさばらず、スーツケースより便利だと思う人もいるかもしれません。
色々書いてきましたが、基本は家の中にあるものを使用し、人から借りられそうなものは借りるのがいいとおもいます。道具を揃えるのは、何回かイベントに参加した後でも遅くはありません。
什器が手に入るお店
100均以外で什器やポップ用品が買えるお店を紹介します。
シモジマ
JR浅草橋駅から徒歩5分のお店、店頭用什器、POP用の厚紙、透明のパッケージ、いろいろなサイズの段ボールや梱包材など…ディスプレイに便利なものがいろいろ売っている。
パッケージプラザ
シモジマの系列店で、シモジマに置いてあるような梱包用品が色々売っている。浅草橋が少し遠い人は自分の街にパッケージプラザがあるか探してもいいかも。
ストアエキスプレス
店舗什器の専門店、プロ仕様ではあるが、個人でも使えそうな什器が色々売っている。店内を散策していると色々アイディアが浮かんできて楽しい!
以上、とりあえず出店に便利そうな情報をまとめてみました。後日加筆修正などするかもしれません…!
ディスプレイを準備したり、考えるのは大変だけど、工夫するのは楽しくもあります。ぜひ自分の本のコンセプトに合ったいい感じのブースをつくってみてください!ここまで読んでいただきありがとうございました〜
2023.2月 追記
この記事を書いた後に、『”什器”が読めなかった私がディスプレイのために準備したこと』という本を発行しました。
これまでのイベント出展経験をもとに、ハンドメイド、同人イベント用のディスプレイ準備のためのノウハウ本で、前日何をするか、イベント中、後日何をするか、どの店で何が買えるか…などなどの情報が掲載されています。
各地イベントや通信販売で手に入ります!
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