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オーガニックとは


前回の続きです。

わたしは、ヘナを扱っていますが
選んだ基準は
商業主義から発生したヘナではないところ。
そこに魅力を感じています。

結論から言えば
わたしは商業主義は好きではありません。
とにかく儲かればいいとか。
現地でヘナを栽培し製造をしている生産者を
安く買い叩き、高く売るしくみには賛同しません

そんな目的で使われている耳障りのいい
「オーガニック」という言葉には違和感しかありません。
そもそも、ピュア、ナチュラルとオーガニックの違いってなんなのか。

考えてみましょう。


オーガニックってなにか


オーガニックが
10年前に比べて独り歩きしている印象があります。


わたしも店の名前に「オーガニック」を使っていますが、
ピュア&ナチュラルなものが、オーガニックだという
認識で使っています。


オーガニック認証は2%でも基準を満たせば、
その他98%がオーガニックでなくてもお金を払えばオーガニックの認証がとれ、
商品に名付けることができるという不思議な基準があります。

もちろん、その名前を買うためにも余分な上乗せがかかりますから当然商品価格は上がります。


では、ヘナはどうなのか。



ヘナはヘナでも、製造過程によって、全くの違いが生まれます。
わたしが使うヘナは製造過程が明らかです。
使われているヘナが葉のみから作られている、
純度があるものだけを製品としています。


ヘナの流通経路


ヘナは、ヘナマーケットを通して流通され
産地で農家と契約して買い付けるバイヤーはいません。意外ではありませんか?


理由はリスクがありすぎるから。
確かにそうですよね。



ヘアサロンで天然を扱うリスクと同じ。
後ほど詳しく書きますが

ヘナは自然の産物ですし、天候に左右されたり
毎年良いヘナが育つ保証はどこにもありません。

天然であるということは
ある意味リスクが伴います。


商業ベースで儲けるためにやっているなら、
損失はしたくないですからね。

そんな理由で、個人契約はないのです。
だからこそ、バイヤーの目だけが頼りになります。


ヘナが製品化するまでの行程


ヘナの木が刈り取られ、マーケットに出ます。バイヤーに買われたヘナは各地の工場で製粉され、パッキングされます。
インドでは異物混入や偽装などのリスク、衛生や品質管理に大きな問題を抱えているのも実状。


今流通しているヘナは残念ながら製造過程が明らかかどうかは定かではありません。
その中でどうやって納得のいくヘナに出会ったのかをお話しします。


わたしは2014年、天然ヘナ100%の製品に出会い、
これまで自分がヘナだと思っていたものと
粉末の色と匂いが違うことに気づき、
試しに自分の髪に塗ってみたらあまりにも染まることに逆にショックを受けたほど。


なぜ、ヘナのクオリティーを保てるのか。
それには確実な理由がありました。
現地の長年の勘を持つバイヤーと家族ぐるみのお付き合いを重ねながら、信頼関係を元に作られていました。


製粉前のヘナを、提携工場(ハリヤナ州)のスタッフが
葉と枝を選別し、目視しながら異物混入がない事を確認し、粉砕機によって製品化されています。


収穫は年に2回
5月の酷暑と10月の雨季のシーズン
10月に収穫されたヘナは、暑さと水分により、5月に収穫されたヘナより良質とされます


収穫は1m程度で刈り取り、葉の部分のみを使います。
葉のみを選別する作業は機械ではなく現地の人の手によって行われます。その後、乾燥した葉を熱をなるべく加えない機械を使い粉末状にします。


一連の作業により、現地に雇用を生み出しています。農家からの買い叩きもしません。


ヘナとは


ミソハギ科
学名 Lowsonia inermis
低木樹 3mを越える高さまで成長する
北アフリカ、インド、中国南部まで幅広い地域に分布
和名 指甲花(シコウカ)、妻紅の木(ツマクレナイノキ)
花も香油の原料として重宝されました


【ヘナの主な産地】

一番知られているのはソジャット。他にハリヤナ州ファリダバードハリヤナ州ソニパット主に3つがあります。


【ヘナの成分】
⚫︎ローソン  オレンジの色素
⚫︎タンニン  活性酸素の除去、皮膚を柔らかくする⚫︎植物性糖蛋白 トリートメント成分、毛髪補修

ヘナには色素の元ローソン、活性酸素を除去し、頭皮を清浄し柔らかくするタンニン、髪の損傷をカバーする植物性糖蛋白が含まれます。


売られているヘナ製品を選ぶとき。なにを基準にするか

近年多業種からのヘナ業界への参入により、
枝だけでなくその他の混入があるヘナも出回っているのも事実。


よく見かける、髪にやさしいオーガニック製品は
何をもってそう言えるのか?
耳障りの良さについ、騙されてしまいます。


10年前よりも市場に出るヘナが増えて、
数ある製品の中から、
どれが自分が求めているのかを見極める必要が出てきました。しかし残念ながら、その見極めは難しいのも事実です。

自分や自分の家族が使うものは良い製品で
尚且つ自然に近いことがいいと思われる方が
こんなマニアックな記事に辿り着いてくださっていると思っています。
そんな方ならお野菜でも調味料でも選びますよね。


たくさんある選択肢の中から選ぶのは
時には気が遠くなりそうですが
何の情報でも誰が言っているのか、
そして最終的には自分が選択した、という意識を持つことが必要だと思いませんか。


ヘナなら誰がどこでどんな方法で作り、どんな流通経路で日本にくるのかを知りたいとわたしは思ったんです。


今は無料で情報が手に入りますが、
せっかくなら他では聞けない話、アップデートされた実践的な話をシェアしたいと思います。

ヘナは近年サードウェーブ

ヘナは近年サード(第三)ウェーブと言われています。
元々、自然派指向の方に向けて販売はされていましたが、一般的には販売されていてもごく限られた場所で、市場に出回ることはありませんでした。


ヘアサロンのヘナが天然ではない理由


少し踏み込んだ話題を。
なぜ、サロンで植物100%は取り扱わないか。

植物は扱いが難しいし、1+1=2とは限らないからです。

白髪が染まらない、って
わざわざ大切なお金と時間をかけたのに
両者にとって不利益なことですよね。

サロンは時間が限られています。限られたセット面で一定の時間内にお客様を仕上げ、回転率を考えなくては経営が難しい。

対してヘナはゆっくりと染まります。
サロン経営(商業)とヘナって相性が良くないんです。
限られた時間内で染まらないとお客様だけでなく、サロン自体も非効率ですし、リスクを負います。
ですから確実に染まるジアミン色素が多少なりとも入っているケミカル入りヘナ(もどき)を使う方が逆に安全でリスク回避できるという理由があります。


お客様には、オーガニックですから髪にいいんだと
言えますしね。

誰にとって安全か?って一見分からないけど
事情を知れば一目瞭然。


安全といえばひとつ重要な点があります。
天然でも害になることはあるということ。
トリカブトは毒ですし
ユーカリもコアラは好物ですが、人間には食べられない。一定の毒性を持ちます。

天然ヘナとは謳われていても
合わない人はいます。
天然=安心ではないということも
お伝えしたいことのひとつです。


植物の性質を良く知って、適切な扱いをして
初めて安全だと言えます。

最初にも書きましたが、自分の感覚は自分だけのもので、正しいかどうかを判断するのは
ご自身なので、どうかその感覚を大切にしてください。


わたしの場合は天然のものは染まりが悪いと思っていたけど、
実際にはあまりにもノンストレスで染まった事がきっかけで
以来、ヘナ以外に染める選択肢はなくなったのです。


どんな選択をするにせよ、白髪を染める時間が
憂鬱ではなく、心地よさになる事をお伝えしたいと思います。


長くなりましたが、ここまでお読みくださりありがとうございます。

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