しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
きっと、泥沼にハマって抜け出せなくなるだろうからと人気の高いNetflixを避け続けていたのだ。でも、数カ月前にはまってしまったアニメ見たさに加入してみた。アニメという点においては、Netflixはまぁまぁで、見たいと思うものが少なかったかな…FoDもまぁまぁ。今のところはdアニメストアとアマプラに落ち着いている。
この半年ほどの間でどれだけのアニメ作品を見てきか。紹介してもらった作品、そこから派生した作品、その中で気に入ったプロダクションが提供する作品と、どんどん触手は目新しいものへと伸びていった。そこで、中でも最も気に入った作品群を記録に残しておきたいと思う。ジャンルはバラバラ。どの作品にも根底に愛と優しさ、仲間との繋がりが感じられた。きっと私自身それらに飢えているのだろうな。それでは…
PSYCHO-PASS
全体を通して感じられる緊張感と知的さに好奇心が掻き立てられる。このシリーズで素晴らしいのは老若男女自立しているところ。常守も六合塚も唐之杜も霜月も少々イラッとさせられるところはあるけれど、頭を使い、教えを乞い、しっかり行動していると思う。もちろん狡噛も宜野座も縢も素晴らしい。そして、凶悪犯罪者であるけれど最高にカリスマ性の高い槙島。特にシリーズ1エピソード15の「硫黄降る街」での槙島とハッカーであるチェ・グソンとの会話がたまらないのだ。この会話が続く数分で私の心は射止められてしまったといっても過言ではない。
残響のテロル
海外ドラマなんかにもありそうな、SCI-FIが実生活に浸透したら起こり得そうなストーリーなのだけど、なんとも虚しさと淋しさと悲しさでいっぱいになる社会派な話。ナインとツエルブの孤独だった故に持ち合わせている優しさがたまらない。警察サイドの柴崎さんもむさ苦しいけど頭脳派でいい。しかし、ナインたち二人にくっついてくる三島りさという女の子がいるのだけど、PHSYCHO-PASSの女性たちに指導をしてもらってきなさいと言いたくなるような人だったな。
PSYCHO-PASSや残響のテロルに通じるところの多い東のエデンやB:the beginningも全体的によかった。東のエデンはサキちゃんって女の子が出てくるのだけど、三島りさに匹敵する逆女子力使用者であまり好きになれなかった。Bのリリーはサバサバしていてよかった。サムライチャンプルーのフウに良く似ていて、かわいかったな。
ギヴン
バンドものっていうのは、いつの時代にも胸が躍る。立夏が真冬のギブソンの弦を張り替えチューニング後にAadd9をジャーンとやったところで、真冬も読者も視聴者も心を鷲掴みにされたこと間違いなしだ。ドキドキがとまらなくなる瞬間。真冬が立夏にアカペラで歌ったことで春樹も秋彦も雨月もその虜になる。心の葛藤も、忘れられない過去も、新しく紡がれる愛も、繋がる絆も、どれも触れたら目の前の世界が色づく作品。増してやイケメン勢揃い。そしてBL。シリーズも映画もどちらもいい。彼らと彼らに関わるみんなの音楽がどれだけ遠く広く深く響いていくのか、早くシーズン3が観たい。映画化している同級生もヒカルがバンドでギターをやっていてモテモテだったな。アニメ化はないかもしれないし、ギヴンほど演奏シーンは出てこないけど、ピンクハートジャムという作品がある。金江さんのギターが聴きたいし、それで歌う灰賀くんの歌もぜひ聴きたい。もう、これがまた抱きしめたくなる作品。本当に意地らしい。今イチオシ。アニメ化されたらうれしい。Bluray、買う。
K
ゲームがオリジナルなのかと無知な私は考えたのだけど、どうなのだろうか。これはめちゃくちゃ好きになった。良く知っている渋谷の街が舞台なのに不思議な世界観で、映像、音楽、キャラクター、どれも新鮮。何気ない時に、ふと観たくなる作品。作品はどれもそうだけど、この作品の声優はいい。
君に届け
女の子の恋愛ものっていうのは、イライラ度が高いので個人的には進んで観ないことにしている。でも、これは面白かった。イライラはするのだけれど、サバサバしたギャルたちとど天然、ど真面目な女子学生である爽子が繰り広げる高校生の恋愛劇。爽子はとても一生懸命で可愛い。風早くんというモテモテの男の子もモテるくせにウブで可愛い。青春だな、青春。その後の二人も気になるところ。
弱虫ペダル
もうこれは、アニヲタの小野田坂道のピュアで前向きでブレない心が観る人すべてを抱きしめてくれるような話。昨今のスポーツものはタイプが大きく二つに分かれるように思う。一つは、全員イケメン、主役は自己中。周りから自己中だとスポーツができないことを解らせられ、チームプレーができるイケメンへと変貌するタイプ。もう一つは、主役はオタクやスポーツ音痴だけど根性がある。持ち合わせたオタク精神で実直にタスクをこなし実力をつけていくタイプ。駅伝アニメの「風が強く吹いている」、サッカーアニメの「DAYS」もバドミントンアニメの「リーマンズクラブ」も競技かるたの「ちはやふる」も将棋の「3月のライオン」もアイススケートの「ユーリ!!! on ICE」も水泳の「Free!」もバレーボールの「ハイキュー!」や「2.43清陰高校バレー部」もバスケの「黒子のバスケ」も弓道の「ツルネ」も体操の「体操ザムライ」も、まだまだあるけど、どれもよかった。スポーツアニメは心が温まる。そろそろバレエのプリンシパルのお話が始まらないかなぁ。
うらみちお兄さん
最初は、いやぁ、きっとおもしろくないんではと思っていたのに…コロナのせいで色々と制限されてストレスが溜まりつつあった時に出会ったうらみちお兄さん。ストレスなんか何のその!と言わんばかりにストレス発散になりました。うらみちさんは毒を吐くけど、辛辣な子供たちに対してもやさしいし、自己主張の強い仕事仲間にも結局やさしい。全体的に憎めない雰囲気が醸し出されていて、何度見ても癒される。よく考えれば、うらみちお兄さんがきっかけで、いろいろなアニメを観漁りはじめたんだったな。ありがとう、うらみちお兄さん。
サムライチャンプルーとCOWBOY BEBOP
ゆるカッコいい。音楽がいい。うちでゆっくりというより、クラブやバーの片隅で生ぬるい夏の暑さに耐えながら美味しいお酒をなめつつダラっと見ていたい。サムライの話だから、もちろん斬り合いとか喧嘩上等なんだけれど、それでもいい感じのどうでも良さと気を遣わぬ優しさで溢れていて、疲れている頭を癒してくれる、そんな作品だと思う。
平家物語
映像が綺麗で、日本的な色使いがやさしい。エピソードのエンディングの音楽もスチャダラパーaniの声が乗った肩の力を抜いていられるかっこいいもの。「犬王」を観るために前知識をつけておかなければと思っていた時にスタートしたアニメ。日本史で散々勉強したけれど、それとは違い物語がどんどん頭に心に流れ込む。古川日出男著の「平家物語」も「犬王の巻」も読了。歴史物でこんなに綺麗でかっこよくてオシャレなのは今まであったのかな。いい作品。
音楽
MTVやスペシャを見て育った世代なので、このアニメのタッチはたまらなく懐かしさを感じた。何となく、こうじゃない、ああじゃないとやってみていた、うだつの上がらないあの感じ、忘れられない若かりしあの頃。フェスやライヴでのみ味わうことのできる高揚感、徐々に皆がグルーヴに乗って混じり合う感覚、あの夏の日が再現されているようなアニメだった。最近「犬王」を観たけど、同じような感覚になった。
なんだかんだで、この数ヶ月で鑑賞したアニメが100作品を大きく超えていたのには驚きを隠せないけど、アニメって、大変おもしろい。これからもどんどん観ていきたいと思う。
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
恋しているのを隠しているようだけど、「恋してるの?」って聞かれちゃうくらい顔に出ちゃっているらしいよ、いかん、どうしよ。っていう平兼盛の歌。私はアニメが好きになってしまって、今はこんな状況なのだろう。
ここまで読んでくださった方がいるのなら、ぜひオススメ作品を教えてください。よろしくお願いします♪