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ミニストップへの憧憬

 生まれてこのかたミニストップが一切ない地域に住んでいるのでミニストップに憧れていた。Xフライドポテトとかハロハロとか、何やらすごいものがあるらしいとインターネットで知り、加えて自分の地域にはないという事実が僕を駆り立てた。中学生の時にミニストップがイカ娘とコラボして更にその熱は加速。


 今年、東京に旅行へ行った時にすぐ隣にミニストップがあるホテルをとった。本来行けない場所が徒歩1分になり、僕は射精。目を煌めかせて入店して店内を物色して見ると...普通のコンビニだった。Xポテトとハロハロは良いんだけどそれ以外はこれといって...といった感じ。ミニストップに幻想を抱いていたことを自覚した。ミニストップの「遠くにしかない」という要素が事実を歪曲し肥大化させていた。


 こういうことって多分よくあることで、人間は遠い場所、手に入れるのが難しい物、或いは初めてのこと、などに過剰な期待をするものだと思う。望んだ通りになったり見当違いだったりするわけだけど、結果に関係なくそこに至るまでに知覚した高揚は一時手とはいえ虚無を退けていたのだから十分だと思う。この先の人生に同じようなことが無数に待ち構えているだろうけど、そういうことに飽きたり呆れたりしないことが人生で最も大切なことの1つな気がする。
ミニストップ、僕を10年以上興じさせてくれて、ありがとう。

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