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幸せな甘味
コロナ禍になってから、ほぼワークフロムホームになったため、3食作っていますが、買い物は四捨五入したら80になる母が毎日しているため、作る私は母が買った食材を使ってなんとかするしかない。
そして、食材といっても、目新しいものは何ひとつ買ってこない。
私が買おうものなら怒る始末。
フードの仕事をしていなかったら、これを縛りのあるミッションとして楽しめず、大喧嘩になっていたかもしれないと思う。笑
ある日私がスーパーでリアルな買い物をすると怒るけれど、農家さんから直接買ったり、オンラインショップなら怒らないと言うことに気づいたのです。
フレッシュチーズセットが届いたとき、母は最初怪訝そうな顔をしていましたが、美味しいトマトも一緒に頼んでおいたので、母も作ったことがあるカプレーゼにすることに。
レモンオリーブオイルと塩のみと言うシンプルなレシピだから、ごまかしは一切ききません。
さらにはいつもスーパーのモツァレラをゴムみたいで味がないと言う母。
しかし、チーズスタンドのモツァレラを食べたら「濃いミルクを食べているみたいで甘い。美味しいじゃない!」とびっくりしていました。
渋谷に工房があってね、朝1番に搾りたての牛乳を届けてもらって、作っているんだってと説明したら、東京生まれ、東京育ちの母は驚いていました。
その後リコッタもブッラータも美味しくいただきました。
自家製のミックスレタスやマイクログリーンに近所で栽培されたアメーラトマトの規格外品を使っています。
オシャレさは足りないかもしれませんが、ミルクの中のほのかな優しい甘さを感じながらいただく、自然の恵み。豊かで幸せな瞬間だなと思いながらいただきました。
コロナで都会から離れ実家の静岡でワークフロムホームの毎日。スタイリングのお仕事も開店休業中。両親との15年ぶりの同居は大変な部分もあるけれど、食べることは生きること。私がフードのお仕事をしている本質を実感し、両親との残された貴重な時間を共にできる大事な時間なんだなと思い改めてじんわりしました。