温泉施設の家具を、スタッフのみんなとつくる!家具DIYワークショップ@じょんのび館
10月19・20日の2日間、新潟県の西蒲区にあるじょんのび館という日帰り温泉施設で、飲食部分の客席の家具をつくるワークショップを行いました。
なぜDIYで家具をつくることにしたか
じょんのび館さんとは、2年前からのおつきあい。当時、館内の大リノベーションの計画があり、その設計提案をさせていただいておりました。提案は気に入ってもらえて、さあ始めようというころにコロナが始まり、リノベーションは一旦ストップ。部分的にカウンターをつくる工事をしたり手を入れるお手伝いはしたものの、全体計画は止まっていました。
今年、温泉施設のボイラーの工事が必要になり、施設がしばらく休館することになって、リノベーション計画が再浮上したものの、提案当初とは社会情勢も変わり、大々的にリノベーションというよりは、少しずつ、あるものを活かしながらじょんのび館のみなさんが自分たちで考えて工夫してつくりかえていけるような提案がよいな、と思いなおし、当初とは方向性をガラリと変えた、「自分たちでつくる、なおせる、増やせる」リノベーションにしようと提案しました。全体的には家具だけでなく、庭や壁やホールにつくるドームなども含め、全4回のDIYワークショップをする予定です。
素人でも作れる、素敵な家具のデザイン
家具を素人仕事でつくるのは、できるはできるけど正直やぼったいものになりがち。素人仕事でちゃんと安定感を出すのも難しいものです。量販店に行けば安くてそこそこのものは手に入るけれど、やはりそこそこなのです。悪くはない、でも、決して素敵ではない。
自分たちの手で苦労してつくるなら、やっぱりできあがりが素敵なほうが良いですよね。加えて、どんなふうにつくってもしっかり安定する構造である必要がある。材料も、材木屋さんで仕入れなければいけない無垢材ではなく、ホームセンターやインターネットで購入できるラワン合板を使うことにしました。
普通ならラワン合板の天板や座面に、無垢材や鉄で脚をつけて、、となるところを、全部同じ厚みのラワン合板でつくりあげるところがミソです。そうすることで、材料効率がよく、半端材がほとんど出ないんです。無垢材や鉄は、普通に買うのは難しいというのもあります。
板材だけで家具をつくるって、どうするの?というのもミソ。このシリーズ、L字脚シリーズと呼んでいて、合板を脚部分だけL字に組んでいるんです。そうすることで、脚自体の強度も上がるし、貫や天板との固定度が上がって、脚がグラグラしなくなります。この脚がグラグラ問題が、おそらく素人DIYでみんながつまづく点なのかなと思います。
座面を木だけで座り心地良くするのはとても難しいので、クッションも自作することにしました。椅子のクッションって、意外と簡単につくれるんですよ。
↓試作品たちの写真。施工はMIGRANTスタッフさよちゃんが、1人で。
今回はじょんのび館さんの飲食店部分で使うテーブル・イス・ベンチソファーと、お土産コーナー等で使う本棚とディスプレイ棚をデザインしました。基本の形はひととおり、スタッフさよちゃんにモックアップをつくってもらって強度やプロポーションを確認しました。
ワークショップ1日目 まずは全種類1つずつつくる
さて、ワークショップ当日。MIGRANTチームは全体指揮の寺田さんと私、試作を重ねてすべてのつくりかたが頭に入っている隊長さよちゃん、元スタッフのかんちゃん、いつもお世話になってる家具屋シナノスコヤのしゃちょー、アルバイトスタッフの伊藤くんの3人を班長にして、じょんのび館のスタッフのみなさんを各班に配属し、班ごとにテーブル、イス、棚をつくってもらいました。
隊長さよちゃんの描いたつくりかた手順書を見ながら、まずはみんなで手順を把握。
手順を把握したチームから、材料をカットしていきます。合板は必要な幅にあらかじめ家具屋のしゃちょーが幅切りしてきてくれたので、長さ方向のカットだけです
同時並行で、クッション製作班も。布ものならできるわ、という女性たちが担当してくれました。
大工仕事が得意な方々がいて、着々と組み上がっていくイスチーム。
カットした材にペーパーをかける女性陣。チームワーク抜群!
テーブルチームは女性たちがインパクトを握りビスを打ってます!素敵!この姿をみて、ワークショップやって本当によかったなと涙ぐむ私、、
まずはチームみんなで1つのイスをつくってみます。初日は効率より理解優先。
テーブルもテーブルらしい姿が見えてきました。
最初にできあがったイスに次々座ってポーズをとるみなさん。嬉しそうで、嬉しい!
できあがったら、塗装して乾かします。
着々と出来上がり、初日の目標としていた「全種類つくってみる」を無事達成!!みなさんお疲れさまでした!
ワークショップ2日目 効率アップしてたくさんつくる!
1日目に手順を把握し、2日目の目標はできるだけたくさんつくること。すっかり手慣れたみなさんは、朝イチから各チームちゃきちゃきに動き、ものすごい速さで、続々と家具をつくりあげていきました。
着々とテーブルを量産するテーブルチーム。
椅子チームはソファーベンチをつくってます。
棚チームはお土産コーナーのディスプレイ棚をつくってます。
クッションチームも着々と。
続々と組み上がり、塗装も終わるすばらしいスピード感!
大物のディスプレイ棚が完成して、ウキウキいろいろ並べてみました。イケてる!
ソファーベンチ、完成!いいかんじです。
どのチームも、それぞれにできることをやり、着々と家具たちができあがっていく感動、、、!
こんなにたくさん、2日間でできるとは、正直企画した私たちもびっくりでした。おそるべしじょんのび館チーム!
最後に集合写真。本当に楽しく、実りある2日間でした。
予定台数の半数分の材料を置いておいて、あとはみなさんコツコツやってくださいねとお伝えして帰ったところ、すぐに作り終わっちゃって次の材料くださいと言われ、逆に焦ったMIGRANTでした。
家具DIYワークショップを終えて
想像をはるかに上回る盛り上がり、楽しさ、できあがりだった2日間。本当にこの企画をしてよかったと思いました。やりながら感じたことは、これだけ夢中になってつくってもらえたら、このあとリニューアルオープンして使い始めてからも、きっとすごく愛着を持って使ってもらえるだろうなということ。足りなくなったらまた作ればいいし、塗装が効かなくなったと感じたらまた塗ればいい。不具合があっても自分で直せる。お客さんと一緒にまたワークショップをしたりしてもいいし、他の施設でもまたつくってもらえば良い。
同じ温泉施設で働いているとはいえ、きっと持ち場も違って、普段はあまり話さないような人たちが一緒になって物をつくるというのもものすごい良さがあるなと思いました。一緒にワイワイつくるって、本当に自然に団結するし、仲良くなれるんですよね。一般の人たちとやるワークショップも楽しいけど、こうして企業内でやるのも、社内研修のようなかんじで、きっと良いことがあるんじゃないかと感じました。
たくさんの気付きがあった家具づくり。今年は長野県の白馬村でも、同じワークショップをやりたいなと思ってます。そちらは一般の人が参加できますので、興味があればぜひ!他にもやってみたい方いらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせください。
さて、じょんのびさん、次回はなんと、庭に山をつくります!
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