ハーフビルドで小屋を建てる!MOUNTAIN HUT 施工編②屋根合板~断熱~防水
前回の記事、ハーフビルドで小屋を建てる!MOUNTAIN HUT 施工編①基礎~建方 の続きです。今回は屋根工事から。
屋根合板貼り 2019年8月16日
15日に建て方を無事終え、次の日16日は屋根の合板を貼る作業。素人たちでやる作業としては2日目です。あいにく午前中は雨降り。せっかく来ていただいたみなさんをお待たせすることに心を痛めつつ、おしゃべりしたりコーヒーを飲んだりしてしばらく雨宿り。
午後からは天気が回復しそうとのことで、大工の青山さんが午後から来るとの連絡を受け、とりあえずごはんの準備。
この日の現場メシはコンビーフピラフ。オリーブオイルに浸したお米を野菜とコンビーフたっぷりのせて炊き上げます。
まだなにも作業してないけれどたらふくご飯を食べる!どんなときもご飯が大事!
この日は前日のメンバーに加えて、北アルプスでビーサン履いてスイカを配ってた大谷さんと、そのお友達の岡崎さんが来てくれました。岡崎さんは超ご近所だということが発覚。ご近所友達ができて嬉しい!
13時半ごろ、ようやく作業開始!この建物は垂木がいらない構造なので、登り梁に直接合板を貼って屋根の剛性を取ります。本来は24ミリを1枚貼るのですが、24がすごく高い、ホームセンターで買えないという理由で、12ミリを2枚貼ることに。なので1枚目の合板貼りのスタートです。
上チームは運動神経良い身軽な隼人さんと大谷さんにお任せ。かなり良いペースで一段目を貼っていきます。まずはガンを使って簡単に仮止めしていきます。
この日も隣のおじいちゃん登場。マイヘルメットをかぶって、貸せ!といってガンを取り上げ、現場を仕切り始めました笑
続いて2段目に突入。
素人たちがせっせと合板を貼っている間に、大工の青山さんが端の材を丸鋸ですごいスピードで切ってくれました。
合板2段目まで貼ったところで、2枚目を重ねていきます。継ぎ目がかさならないように、2枚目の1段目は幅をカットして、横の目地も1段目とはずらしていきます。
2枚目もガンを使って仮止めしていきます。最終的にはタルキックという長ーいビスをたくさん打ち込むのですが、とても大変なのでまずは合板を貼る作業に専念。
15時前には片面完成!ここまで1時間半、はやい!!ひとまず休憩!
ゆっくり休んでから後半戦。休憩の間に塩原さんという女性が手伝いに来てくれました。羽山さんから話をきいて来てくれたとのこと、女の子来てくれてみんなテンションが上がります。
身軽な大谷さんが帰ってしまったので、村男Tシャツを着た寺田さんが上作業がんばっております。
裏側二段目に突入。だんだん身を乗り出せるスペースがなくなっていきます。
裏側もまずは2段目までを二枚重ね。
最後の裏側3段目は、合板に桟木を打ってそれを足場にして作業していきます。下から見ると怖っ。なんなくこなす身軽隼人さんさすがです。
カメラを向けるとちょっとダサいポーズを取ってくれる余裕ぶり。隼人さん、せっかくイケメンなのにね、、笑
そんなこんなでみなさんの協力のおかげで無事に17時前に合板貼り終了!集合写真はマウンテンハットポーズ△ 雨で午後だけの作業になってしまいましたが、なんとかここまでやりきりました。
屋根が貼られた△の小屋裏空間。奥に緑が見えてものすごくかっこいいです!
もう終わりかと思いきや、日が暮れるまでもうひと仕事。2重に仮止めした合板を、タルキックという長いビスで100ピッチで打ち込んでいきます。これが想像以上にハード!
身軽隼人さんも帰ってしまったので、私と青山さんで上を担当。私、高いところは全然大丈夫なんだけど、インパクト使えないんですよ。へたくそすぎて、青山さんの1/10のスピードもないへっぽこぶり。でも実際に手を動かすのはとても楽しかったです。
片面のビスが終わって、作業終了!
季節は夏。次の日からでっかい台風がくるということで、しっかり屋根を養生して、この日の現場は終了。午後だけの作業だったのに、やたら濃密な一日でした。楽しかった!
(セルフビルド2日目 9名)
屋根の断熱工事 2019年8月24日
さあセルフビルドも3日目。なんとなくリズムをつかめてきました。この日も大工の青山さんに来てもらって、いつものメンバーに加えて川仲間の清水さんと、ご近所友達で木工屋の村田さんが来てくれました。屋根作業がやりやすいようにと休みの間に青山さんが簡易足場を設置しておいてくれました。ありがたい!
清水さんは大工仕事は初めて。インパクトってなんですか?という質問から始まって、あの足場登るの?股関節が、、という弱音を吐きつつ、やる気は満々のご様子。
そうして人生初のインパクトを、村田さんに教わりながら楽しそうにやってくれました。先日やり残した表側のタルキック@100打ち込み作業。相変わらずハードな作業。ほんとにこんなにいるのー?とここにはいない構造の大川さんに文句を言ったりしつつ、こんだけ屋根を固くしとけばまたここに大地震があっても全然大丈夫そうだなあと、基本構造がしっかりしていることの大切さを実感したりしました。
地獄のタルキック作業が終わってすでに時刻は11時半。ようやく屋根断熱のための野垂木を取り付ける作業に入ります。
こんな感じで垂木を打ってそれを足場にして上まで取り付けていきます。この野垂木は構造上は不要。断熱がなければこの合板の上に防水して屋根貼っても建物としては完成しますが、居住空間は屋根の断熱がとても大事。手間もお金もかかりますがここは惜しまずちゃんとやります。
片面の垂木が終わったところで12時すぎ。午前中の作業はここまで。みなさんお疲れ様です。良い顔!
さあ、本日の現場メシは、、?
どどーん。笑 寺田さんがノリノリで看板をつくってくれました。
いろんな具材をのっけた冷やし中華!暑い夏はコレでしょ!!
みんなめっちゃおかわりしてたいらげてくれました。
ご飯を食べ終わるころ、構造の大川さんが建て方検査に来てくれました。軸組の精度や、指定の金物がちゃんと取り付けられているかなど細かくチェックしてくれます。
寺田さんの村男キメキメスタイルに苦笑。
いよいよ断熱工事
たっぷり休憩したあとは午後の作業開始。いよいよ断熱材を垂木の間に入れていきます。
スタイロ持ってキメポーズ笑
この建物は、スタイロ40ミリ、垂木45角という断熱層の寸法にしました。スタイロはたいして私たちがよく使うウレタンフォームなどに比べて断熱性能はよくないので、本当はもう少し厚みが欲しいところでした。60くらいにしたかったのだけれど、スタイロは50mmまでの厚みしかなく、60だと2枚重ねになってしまう。それだとかなり金額も手間も上がってしまうのです。なら50を使いたいところだけれど、垂木で50にちょうど良い規格のものがない。屋根や壁は内外の温度差と湿気で内部結露を起こすので、しっかり通気をとるか逆にみちみちに詰め込んで空気を入れないか、どちらかにする必要があります。私たちは屋根はいつもみちみち作戦。垂木と断熱材の寸法を合わせるのはそういう理由です。そんな感じで費用と手間と性能のバランスを考えスタイロ40と垂木45の組み合わせに落ち着きました。見えないところにもいろんな苦悩があるのでした。
15時過ぎ、片面断熱材を入れ終わりました。
続いて裏側へ。私たちは民泊の予約があったので、この日はみんなに任せて先にあがらせてもらいました。断熱工事も無事終了です。
(セルフビルド3日目 7名)
雨降りの間柱設置 2019年8月29日
セルフビルド4日目はあいにくの雨。一日やみそうにありません。雨では屋根は手を付けられないので、壁を進めることにしました。プレカットしておいてもらった間柱材を入れていきます。
これなら私にもできそう!と言って張り切る私。この日のメンバーはいつもの忠田さん、竹田さん、寺田、島田のみ。
工具を使い慣れてる忠田さんはサンダーを使ってはみ出た土台のボルトの頭をカットしたりしてくれました。
間柱作業は順調に進みます。
この日の現場メシは、、
塩やきそば!やきそばって、なんだかんだめちゃ美味しいですよね。この日はキノコをメインに、美味しい箱入りのマイタケをたっぷりいれました。いい味だすんだこれが。
三角の小屋裏で昼寝。ここ、かなり気持ちいいです
午後の作業をしていると羽山さんがスウィーツを用意してくれました。人数少なくてやれることも少なかったけど、のんびり作業できて癒された一日でした。
(セルフビルド4日目 4名)
屋根防水工事 2019年9月7日
セルフビルド5日目。とても天気の良い屋根工事日和!
良いお天気だとテンションも上がります!
現場の準備をしていると、お神輿を担いだみなさんが通りかかって、お神酒をいただきました。この日のメンバーはいつものメンバーに加えて、この前も来てくれた清水さんと、私と寺田さんの手塚事務所時代の同僚、KJこと矢部くんが参戦。可愛い後輩KJが来てくれて超嬉しくてはりきりまくりでした。
じゃんじゃん合板を貼っていきます。
この日の作業は屋根の防水のための合板貼り作業から。野垂木に合板を取り付けていきます。前回の合板は横貼りでしたが、今回は縦貼り。
10時過ぎには片面1段目まで完成。
ここで羽山さん、倉岡さん、宮崎さんのクライマーチーム登場。倉岡さんはエベレストに9回登頂しているガイドさんです。羽山さんと出会った知床でお友達になって、その後エルブルースにも連れていってもらいました。宮崎さんは羽山さんに誘われて入った池田のクライミングチームでご一緒させてもらってます。
クライマーチームは表面のガンの仕上げをしてくれました。いつもは作業はしない羽山さんもガンは楽しそう。
同時並行で裏面も進めます。身体が痛くなりそうな体勢ですね。
両面の1段目を貼り終えるころにお昼。この日の現場メシは寺田さん担当。KJと楽しそうにやっています。
この日は寺田さんのチャーハン。チャーハンは男の料理らしくて、私は担当させてもらえません。
う!ま!い!
やっぱり寺田さんの料理は最高です。この日は大根チャーハン。
午後の作業は2段目の合板から。まずは上に登るための桟木を取り付けていきます。
ここでゆうかちゃん登場。羽山さんにヨガを教わっていたつながりで来てくれました。クロスカントリーの国体選手だったそうで!白馬はスゴイ人ばっかりです。選手は引退して、今はおうちのお宿の仕事をしているんだって。これからちょくちょく来てくれるとのこと、嬉しい!
そんなわけでゆうかちゃんの持ってきてくれたきゅうりで休憩。冷えたきゅうりと味噌、おいしー!!!
休憩後も合板作業が続きます。さすがクライマーの宮崎さん、体勢がプロすぎる!裏側の2段目も貼り終え、いよいよ防水作業へ!
15時半ごろ防水工事開始。防水貼るぞーというところで、またもや隣のおじいちゃん登場笑。俺にやらせろ!というので、やってもらうことに。こうやってやるんだどーと言って、得意げなおじいちゃん。
防水を頂点の部分から反対側に少し折り返して位置決めをして、タッカーでとめていきます。今回はモラサンという改質アスファルトルーフィングを使いました。よくあるルーフィングよりも少しお高くて性能の良いものです。値段は倍にはならないけど持ちは倍になるので、費用対効果を考えると改質アスのほうが良いですね。モラサンもカインズで買えます。
一段目貼り終わり。桟木を取って下の段へ。普通防水は水の流れを考えて下から貼って上に重ねていきますが、今回は上から貼りました。なんでかというと、下から貼ってしまうと防水に桟木を打たないといけなくなるんですね。タッカーなら熱で穴がふさがって防水性能に支障はないけれど、ビスはダメです。なので上から貼り下ろして、2枚目以降のシートは上のシートに下からもぐりこませるようにしました。
そんな方法で3段目まで。ここまでたったの30分。はやいですね。防水が片面終わるころに、合板作業を手伝いに来てくれてた岡崎さんがお友達を連れて遊びに来てくれました。みなさん安曇野近辺にお住まいのご近所さん。マウンテンハットにいると新たな出会いがいっぱいあって嬉しいですねえ。
裏側に突入。またもや俺にやらせろと隣のおじいちゃん。
私も上に登ってタッカー作業をやりますが、結構難しい。うまく芯を打ち込めなくて飛び出しまくり。飛び出しちゃったやつはあとで金槌でたたきこみました。
18時ごろ、両面の防水が完了!端は巻き込んでおいて、この日の現場は終了です。これでようやく雨の心配がなくなり、養生もしなくてよくなりました。
この日の夜はKJが民泊。身体を動かしたあとのごはんとビールは最高です!こうやって現場を理由に東京とかからいろんな人が安曇野・白馬に遊びに来てくれるというのは、とてもありがたく楽し嬉しいことです。
(セルフビルド5日目 10名)
施工編③に続く