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ハーフビルドで小屋を建てる!MOUNTAIN HUT 施工編①基礎~建方

ずいぶん間があいてしまいましたが、前回の記事、「ハーフビルドで小屋を建てる!MOUNTAIN HUT プロジェクト 設計編」の続き。いよいよ施工編です。基礎工事から建て方までをまとめました。建て方以降は大工さん1人の指導のもと友人たちの力を借りて自分たちだけでつくりあげた建物。その過程をみなさんに知ってもらいたくて、この記事を書いています。またしても長いですが、読んでみてください。

ついに着工、基礎工事スタート

地鎮祭を7月3日に無事終えてから、基礎屋さんによる基礎工事が始まりました。基礎工事は根切りといって基礎をつくるために土を掘るところから。お金がなくても基礎を自分でやらない理由はここです。土掘るの超大変。重機を持ってるわけでも扱えるわけでもない素人には手掘りしか選択肢がなく、そんなことしたら基礎だけで数か月経ってしまう上に、素人仕事では精度が出ない。建て方前に心が折れそうです。

加えて白馬はバリバリの寒冷地。凍結深度というのがあって、基礎や設備配管を凍らない深度まで下げないといけないのです。だから通常よりもかなり深く、今回はGL(地面のレベル)から60センチまで掘る必要がありました。超大変。

そんな理由で基礎は最初から基礎屋さんにお願いする以外に考えてませんでした。基礎屋さんがせっせと根切りして型枠組んで配筋してくれている間に私はまたしても旅へ。知床半島を歩いて岬まで行く4泊5日の旅をしておりました。

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そんなわけで根切りの写真はなく、旅の写真ですみません笑。

配筋検査 2019年7月25日

基礎工事が始まって2週間ほど。知床から無事に帰ってきて、構造担当の大川さんを連れて配筋検査へ。大川さんは手塚事務所時代にいつもお世話になっていた構造事務所、オーノJAPAN出身の若手構造家です。イケイケの若手建築家の仕事をたくさんやってるスゴイ人。

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久々に現場に行ったらバッチリ基礎の型枠・配筋ができあがっていました。型枠が組まれると敷地にどんな大きさで建物が建つのかわかってワクワクします!

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大川さんは配筋をざざっとチェックし、アンカーボルトの本数や、型枠と配筋の離れ(かぶり厚)などを丁寧にチェック。寺田さんはトイレに座ってなにやらトイレの空間をチェックしている模様笑。

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私も検査してる風。大町の基礎屋さん、梅沢さんの配筋はめちゃくちゃ美しくて特に言うことありませんでした。足りないアンカーボルトなど足してもらって構造は無事終了。平和に終わりかけたときにトイレに座ってた寺田さんが重大なことに気づく、あれ、設備の配管ないなあ!

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急遽設備屋さんを呼んで打ち合わせ。本当はラップルコンの下に入れといてもらうはずだったのだけど、入ってないものはしょうがない。横から抜ければ問題なしということで、ルートをその場で考えて設備屋さんには明日までに仕込んでもらうことに。白馬のテルミー設備の田中さん、とっても優しい設備屋さんです。ちょっとバタバタしたけど配筋検査は無事終了。次の日いよいよコンクリート打設です!

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検査後はせっかく大川さんが長野まで来てくれたので他プロジェクトの打ち合わせをMIGRANTにて。

コンクリート打設完了 2019年7月30日

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5日後の30日にはすべての打設が完了してました。他の白馬プロジェクトの打ち合わせの合間に現場を見に行きました。

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立ち上がり部分の打設も完了してます。先日わちゃわちゃと決めた配管はバッチリ入ってました。よかった。

プレカット材搬入 2019年8月9日

一週間後、型枠も取れてすっかり基礎ができあがった現場に、前々から発注していた柱梁などのプレカットの材料が届きました。

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これからの施工を考えて、土台は基礎の上に、柱と間柱は敷地の脇に、長物の梁は敷地手前に置いてもらって、無事搬入が完了。

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ちゃんとMOUNTAIN HUTと書いてあってテンションあがりました。

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プレカットってわかりますかね?長さを切るのはもちろんなんですが、柱梁、土台などを組むときに必要なほぞ組みなど、継手部分を加工してくれて、梁同士などを繋ぐ金物を取り付けるための穴もあけておいてくれるんです。上の写真の上に置いてあるのが登り梁のほぞ組のオスの方です。こんなの素人がやるのはかなり大変です。基礎よりはやれないことはないけど、時間と精度を考えるとプレカットが断然お得。ということでこちらもちゃんと業者さんに頼みました。松本のプレカット屋さん、征矢野建材さん。大手なのにこんなちっちゃい仕事もとても親切に対応してくれました。感謝!

建て方直前に模型上棟!2019年8月10日

プレカット材が搬入されてすっかり現場へのテンションの上がりまくった私。10日から夏休み、北アルプス裏銀座からの水晶岳、赤牛岳から黒部ダムまで続く読売新道を2泊3日で歩く山旅の計画をしていましたが、天気が微妙。行けなくはないけど最高ではなさそうなコンディションにすっかりテンションを下げ、山に行くのやめて仕事でもするか!と、私としては超珍しい展開になりました。お盆明けに建て方を控えていたので、それまでに模型をつくりたかったんですね。

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模型があると手伝いに来てくれた人に説明しやすい。自分たちもわかりやすい。そして模型づくりはとても楽しいのです。

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骨組みまでできあがってほくほくする私。模型無事上棟!あとは本番あるのみ!

ついに建て方!2019年8月15日

夏休みは川に行きまくって遊び欲を発散し、まだお盆中の15日、この日ならば大工の青山さんが建て方に来てくれる、天気も持ちそうということで、建て方を決行。大工の青山さんは旧羽山邸の元住民、山口さんの後輩。サーフィンを山口さんに教わり、今では長野県代表だというスゴイサーファーさん。白馬は建設ラッシュ、自分の仕事も超忙しい中、山口さんの頼みならやるしかないですと言って、MOUNTAIN HUTの現場指導を快く引き受けてくださいました。

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土台は建て方前にお施主さんである忠田さんが青山さんの協力のもと取り付けておいてくれました。この日は土台に柱を入れるところからスタート。野沢温泉に私たちと同じころ移住してきたお友達の隼人さんはじめ、忠田さんの後輩の竹田さんなど、頼もしい男手が手伝いに来てくれました。

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MOUNTAIN HUTは、自分たちで施工することを前提に、いかにつくりやすくするかをものすごく考えて設計した建物です。柱をできるだけ短くして、建て方を脚立だけでも安全にできるようにしました。なので私でも簡単に持てる重量の柱。たった30分で柱を建て終わりました。

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柱建ったどー!の記念写真。

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柱の次は、桁梁です。プレカットで柱のほぞの切ってある梁材を柱のオス部分に落とし込みます。上からはめこむだけなので簡単。プレカット様様です。

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桁梁同士にも鎌継ぎの加工がしてあります。

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落とし込んだらハンマーで叩いてがっつり入れこみます。青山さんの指示のもと、みんながんばりました。

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ぐるっと一周、桁梁が入っていきます。

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最後の一辺。寺田さん嬉しそうです。

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桁梁を組んだ後は、桁の上に載せる小屋組みをつくっていきます。ここがこの建物の設計のミソです!通常は大工さん何人もいて足場がある状態で登り梁を架けていくのですが、素人仕事では難しい。簡単に安全に組み上げていけるように、小屋組みを「A」の形にしました。登り梁2本だけだと横に開いてしまう構造が、水平梁を一本入れることで三角形になり、安定するんですね。この形、この大きさであれば地面で先に組んでおく「地組」ができて、地組さえできればあとは安全に載せていくだけ。簡単そうでしょ?

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地組したA型梁をまずは建物の中心、方杖のある大事な部分に架けていきます。

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男性陣総出で、一本目完了!

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2本目以降に進む前に、まずはすべての登梁を地組していきます。

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だんだんペースアップして、さくさくと完了。

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男性陣が力仕事に燃えている中、私はごはんの準備。記念すべき現場メシ第一日目は、島田家秘伝?のナスそうめん。

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ご近所さんからいただいた夏野菜と豚肉を甘辛く味付けしたホットな具材を、冷たーい素麺に載せて勢いよく食べる!のが島田家流。

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力仕事のあとの外ごはんは最高です。

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ご飯後のひとやすみ。A型の梁でできた小屋裏に登ってみる寺田さん。

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私も。三角形の空間、思った通りめちゃいいかんじ。下に人が溢れたら上に板を渡せば寝る場所できる、という算段です。

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さて、午後の部開始。

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最も力のいる上で引き上げる作業は大工の青山さんと、若くてスポーツマンな隼人さんにお任せ。隼人さん来てくれてほんと助かった、、!

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どんどん梁を架けていきます。みんな楽しそう。この写真お気に入りです。

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片側完成!

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さらに反対側をやっていきます。

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このへんまで来るとみんな手慣れたもの。

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上に載せたA型梁は、ラフターロックという金物で桁梁に固定していきます。これも素人仕事でやりやすいようにと構造の大川さんが選んでくれたものです。

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どんどん進めて18時前、ついに上棟!梁が全部付き、筋交いを仮留めして、この日の現場は終了です。

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三角形の連続した小屋組みが、とてもかっこいいです!!
(セルフビルド1日目 6名)

施工編②へ続く

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