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大切なことに気付かされた鉛筆書きのメモ
嫌いじゃなかった八重歯を20代になって矯正した。
八重歯の裏っかわの歯が虫歯になりやすかったし、歯が整うとアトピーが治るらしいってなんとなく聞いたことがあって、
高校生の頃に矯正しようかと思ったことがある。
でも、当時は吹奏楽部に入っていて、矯正していると楽器を吹くのが難しいと聞いて断念した。
それから大人になって、どんなタイミングだったか忘れてしまったけれど矯正することに。
完了まで2年半位かかった。
もっと痛いかと思ったけど、思ったよりは痛くなかったし、物が挟まりやすいとか、月一の調整をしてから数日間は硬い物が食べられなかったり(というか こんにゃくみたいに弾力のあるものがつらかった)いろいろあったけれど、やって良かったと思っている。
その歯医者さんに通っている間、20代の私はとにかく遅刻がひどかった。
コンビニで朝7時からのアルバイトの時も2回に1回は遅刻していた。(もしかするともっとかも)
朝7時のオーナーからのモーニングコールがデフォルトになっていた。(私がオーナーだったらとっくにクビにしていたと思う)
歯医者さんにも大概遅刻していっていて、
「遅くなってすみません〜」が第一声だった。
そうすると受付のお姉さまが
「いいえ〜」「大丈夫ですよ〜」
と毎回優しく言ってくれた。
ある時、レントゲンを撮ってもらうとき、私のカルテか何かのファイルがたまたま目に入って、
鉛筆書きで
「必ず遅刻」みたいなことが書かれていた。
おおう。
穴があったら入りたい。
恥ずかしいし、申し訳ないし、なんだかいろんな感情が押し寄せた。
そしてその時思った。
もう遅刻しないようにしなくては。
遅刻ダメ、ゼッタイ。
優しい人にこそ、甘えちゃいけないな、迷惑かけたらいけないな、と
やっと気づけた未熟者。
その日から遅刻は劇的に減った…はず。
あれから約15年。
いまの職場では比較的ちゃんと早めに来る人って思ってもらえているような気が、する。
小さなことこそ大切で、
そういうことこそしっかりやらねばとやっと思えるようになった。
ついさっき見た録画してあった情熱大陸のCreepy Nutsの回を見たら
DJ松永さんが、相方(お笑いじゃないから相方って言わないか)のR指定さんの度重なる遅刻について
「Rさんが遅刻してオレが待たされてる時間、合計して時給換算したらオレ、月まで行けるぐらいの金になります。でも全然いいっすよ。失敗してくれた方が気が楽ですねオレとしては」って言っていた。
自分ができるようになったら急に相手にも厳しく同じことを求めてしまいがちだけれども、
いつだって優しい気持ちでいなくちゃな、って思えた。
あまりにあまりもの時は、それはやっぱり伝えないといけないけれども、ね。