保健室のなかに
娘の通う小学校の図書室へ、自分の初の著作「きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ」を置いていただけたらと寄贈を申し出たところ、こころよく受け取っていただけた。
たいへんありがたく、10代の子たちの身近にこの本を置いてもらえてうれしいなあと思っていた。
私は、小学校で読み聞かせのボランティアをしていて、時折、小学校の図書室へ伺っている。
寄贈をした後にしばらくして、図書室へ行ったときに、先生から声をかけられた。
「稲葉さん、先日はご本をありがとうございました。あの本なんですが、内容を読ませていただきまして、図書の担当の教師とも相談して、図書室ではなくて、保健室に置かせていただこうと思っているのですが、よろしいですか?」
というお申し出だった。
ああ、先生方がすごくちゃんと読んでくださって、そして、読む子どもたちのことも考えてくださって、どんな生徒たちに読んでもらうのが一番いいだろうと思って、保健室を選んで置いてくださることにしたのだなというのが本当に嬉しかった。
実際に、本を購入して読んでくれている中に、摂食障害や不登校や、保健室への通学をしている子どもたちに読んでもらって感想をくれている人も多い。この本は、そういう10代の人たちに親和性が高いと思う。
だから、保健室に置いてくださるのは、ぴったりだと思った。
本を読んでくださって、そのあとにしてくれた行動で、とても理解されていると感じた。その一連の流れがとても気持ちよく、温かいものだった。
本を出版する前には、そのようなことが起きるとは想像していなかった。
寄贈するときも、まったく思いつきもしなかった。
丹精込めて育て送り出した子が、私の手を離れて、自分の力で居場所を見つけているような気持ちがした。
わたしができることは、あまり多くなく、邪魔しないように見守ること。必要なサポートをすることなのだと思う。
そして、わたしはわたしの今する必要のあることをただするだけだ。
実際の子育てもそうだけど。
それでも、とても嬉しくて、忘れたくない出来事なので、書き記しておきます。
きみトリプロジェクト、まだまだ進行中です。
2月は読書会が開催されます。クラファンリターンで選択された以外の方も、少しですが各回一般枠で参加できます。
いろんな楽しみ方ができる、多様なテーマがつまっている本なので、お読みになったご感想をお聞かせいただけると喜びます!