見出し画像

【203/1096】丸腰で敵陣に挑まない~境界線(バウンダリー)の話

203日目。今日は本文に「きみトリ」の話題が出てくるので、本を読んだご感想をご紹介します!

「子どもにサラッと読んでもらえるように本棚に仕込んでおこうと思います。
私が思春期の頃にこういう本があったら、自分と向き合うためのよりどころになっただろうなと思います。
学校も大人も教えてくれなかったし、社会とか世間とかどういうところか分からないまま放り出される感ハンパなかったですから。」

本棚にさりげなく置いて読んでもらえるように、とおっしゃってくださる親御さんが多くて嬉しい!


さて、タイトルに「丸腰で敵陣に挑まない」と書いたのだが、
別に本当に「敵陣」なるものに乗り込んでいくことを言っているのではなく、見えない境界線(心理的に心地よく感じる人との距離感のこと)について書こうと思う。

なにかよっぽどの理由でもない限り、武将は丸腰で敵陣に挑んだりしないだろう。
それと同じで、何等かリスクや攻撃性があるかもしれない場に行くときは、あらかじめ、心に鎧や兜をつけて、防御策を図ってからその場に臨むほうが安全だ。

しかし、私は、「鎧を着て、兜をかぶってから、敵陣に挑む」というのが、
めちゃめちゃ苦手だった。
なぜかというと、敵陣だかどうだかがわからないという間抜けさがあった。
なんか楽しそう!と、ふら~っと丸腰で入っていったら、
周り中が手ぐすね引いて攻撃し合っていて、
やべー!ここはフラーっと遊びに来るところじゃなかったじゃん!!と思ってから鎧を着ようとしても、もはや遅い、みたいなことばかりやっていた。

1人でのほほんとニコニコ話を聞いていたら、会議室中が、いつ足を引っ張り敵を欺くか?!みたいな攻防を繰り広げていて、お前はどちらの味方なのだ?!と迫られ、「え?そんなのわかりません!」と言おうものなら、一斉に敵認定される、みたいな。

グループで遊びに行くと言うから、「いえーい」と喜びスキップで行ったら、男女の弱肉強食のバトルが繰り広げられていて、いつのまにやらそこに巻き込まれて疲労困憊するとか。

書いてみると、コミュニケーションに難あり・・・としか言いようがないが、そうだったのだから仕方がない。

これは、つまり、人との距離感がわからない、境界線を引けないということだ。
自分の著書で、「境界線」のことを書いた(本の中では「人間関係のトリセツ」として書いた)のだが、それは自分が出来ずに悩みまくったからということがある。

この境界線を引くのが苦手だったのは、自分が「イヤだ」と言ったことをやめてもらえず、守ろうとしたものは守れず、自分は何もできない無力な存在だと思い込んでいたことも大きい。
「イヤ」と言うことをはっきり言えず、自分の境界線を曖昧にして、踏み込まれるとイヤな顔して不機嫌をまき散らすなどしていたり、逆にいい顔してしまって、自分を削ってしまったりした。

他人から接近されて許容できる範囲を意識するのは、社会生活を送るうえで必要不可欠である。
自分の境界線を意識することは、自分の人としての尊厳を意識することと同じだ。逆を言うと、相手の境界線を意識することは、相手の尊厳を意識することにつながる。
その距離は、相手によって変わるけれど、身体的にも心理的にもその境界線と言うのは存在する。
そして、境界線は相手との親密度によって変化するので、常に同じというわけでもない。柔軟な線とも言える。

この境界線を土足で踏みにじられた体験があると、境界線感覚を危うくする。性暴力被害は一番顕著に表れるが、それ以外でも起こりえる。
境界線感覚が危ういとは、これ以上侵入しないでほしいと思う線を超えてきた人に対して、「イヤだ」と言うことが難しくなるということだ。
あるいは、逆に、相手の境界線を許可なく侵入してしまって、相手から嫌がられたり、避けられたりする。
適切な境界線を引く練習は、自分のためでもあり、相手のためでもある。

先日、私自身が受けているセラピーで、この境界線を再構築した。
自分の中から湧き出たものすごいエネルギーがマグマのように噴火して、その溶岩が固まり、境界線の防壁となった。
境界線を強固にすると、人と関わりにくくなるのではないか?と思われるかもしれないが、境界線を強固にすると感覚が鋭敏になるので、人との距離感を繊細に調整できるようになる。
私を守る鎧と兜ができあがったんだな、と思う。

いつも鎧と兜が必要なわけではないが、必要な時にちゃんとあるのはとても大切なことだ。
心身の健康のためにもね。

では、またね。


■告知です■

★4月のオープンクラスです。
このワークの万能性に驚くのですが、これ、自分の境界線を知るのにもすごくよいワークです。

一息入れる時~引き出す深呼吸
2022年4月29日(金・祝)9:00‐10:30 オンライン
https://shinkokyu0429.peatix.com/


いいなと思ったら応援しよう!

Mayumi INABA
1096日連続毎日書くことに挑戦中です。サポートしてくださるとものすごくものすごく励みになります◎ あなたにも佳いことがありますように!