満月のマフィン
ときどき、心が落ちつかずそわそわする夜がある
ああ、今日は満月…
原因かもしれないものを見つけたからか、少し大人になったからか、
調子がおかしい日も、今はだいぶ受け入れられるようになった
眠れない満月の夜には、よくお菓子を焼く
普段、家に甘いものを置いておくと食べてしまうので、わたしの家に甘いものは(ほとんど)ない
夜中にどうしても甘いものが食べたくなったら、試行錯誤して自分で作る
砂糖をハチミツにし、小麦粉を米粉に変えて、大好きなダークチョコレートを使う
好きなものだけで作ると、夜中に食べてもまあいいだろうと、頭も身体も納得して満足して、やっと眠りにつける
日本ほど便利でないドイツに来てから、コンビニのスーパーカップのバニラアイスが手作りマフィンに変わった
満月
月の満ち欠けにあわせて潮が満ちるくらいだから、ものすごいチカラが地球に働いているに違いない
その見えないチカラに、普段わたしたちは気がつくことが少ないが
きっとなにかしらの影響をうけているのだろう
子供が笑い、撫でられる犬が喜んで転げ回り、お腹の空いたネコがミャオミャオ近寄ってくるのと同じような、自然ななにかが
わたしの好きな人は、満月や目に見えない理屈や科学で証明できないことは信じないと言った
じゃあ、わたしたちの間にあるこの感情はなに?
子供のころ、世界は色とりどりの不思議で満ちていたように思う
傷つきやすくて敏感で、その下に燃えるような意思があった
風が吹けばくしゃみをし、褒められれば喜んで精を出し、亡くなった犬のお墓に花を備えるときは、たくさんのおまじないをかけた
当たり前で、意味はない、ただそれだけのこと
あの空に浮かぶ月に、人間が行ったことがあるなんて、信じられる?
どんなことも、望めば可能なのかもしれない
久しぶりに会うことができた友達に、
「自分の価値は自分であげていくのよ」
と昔言われた、という話を聞かせてもらった
望まない限り、月にいけるほどのチカラも湧いてこないはずだ
だから夜の空を見上げる
満月の夜は、空が明るい
ただそれだけのこと
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かもめさんの、こちらの企画に参加させてもらいました。
書くことで、深く考えて繋がる機会を与えてもらい、感謝しています😊🙏
あなたはあなたらしく、わたしはわたしらしく。