日本と海外の働き方の違い 人が仕事を作る日本と仕事に人を当てはめる海外
日本と海外の働き方の違いはなんだと思いますか?
海外転職者向けに書類作成のユーチューブ動画を作成中なのですが(出来たらまたお知らせしますのでお楽しみに!)その中でこんな話もさせていただいています。
”日本は人が仕事を作る”
”海外は仕事に人を当てはめる”
一般的にそのような傾向があると言われてはいます。
しかし、必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。それぞれの文化や雇用慣習が異なるため、日本と海外の仕事の捉え方や採用方針に違いがあるのは事実です。
1. 日本の働き方:人が仕事をつくる
日本の採用に関して、特に新卒の就職をみてもわかるように、
総合職採用が代表的で、「ポテンシャル」や「会社への適応力」を重視します。
採用後に人材を育成し、長期的な成長を期待して配置転換を繰り返します(ジョブローテーション)。
職務が固定されず、必要に応じて新たな仕事や役割を割り当てます。
「人に合わせて仕事を調整する」という柔軟な部分も見られはします。
組織全体での協調性が重視され、職務範囲が曖昧になることもあります。
私も新卒は大手派遣会社に入社しました。特に派遣が業界がどんどん伸びている時期で同期は東京だけでも100名採用があったような時代です。
会社もある程度、学位で決めることはあるとは思いますが、専門のある学位を取得しなければ通常は総合職で、新卒の時は特にクライアントを知るために営業部隊に仮配属になることが多いのではないかと思います。
私も同じように営業部隊に入り、3か月の仮配属終了後、そのまま営業担当になりました。
当時、私の先輩や周りを見ても基本全員が営業または営業に関わる仕事でした。まあ、100人以上も新卒を採用している時期とまだ業界自体が日本でもあまり知られていない頃でしたから中途採用で入る人もまだあまりいない時代ではありましたので、会社が育てるしかいなかったのだと思います。
幸いなのか、派遣会社でしたので、管理部門などは社内でその道のプロの派遣社員を採用していたのを覚えています。
では、海外ではどうでしょうか?
2. 海外の働き方:仕事に人をあてはめる
海外、特に欧米の企業はジョブ型採用が主流で、具体的な職務内容(ジョブディスクリプション)が決まっています。
企業は「この仕事をこなせるスキルや経験があるか」を重視して採用します。
職務範囲が明確で、「担当外の業務は行わない」ケースが多く、スキルや成果に応じて転職する文化が根付いています。
一人一人の専門性が重要で、転職市場も活発です。ポジションが埋まらなければ、専門的な人材を探し続ける傾向にあります。
3. 違いの背景
日本では「企業が人材を育てる」文化が根強く、終身雇用や年功序列といった仕組みが長らく維持されてきました。そのため、特定の業務に縛られない柔軟性を求められることが多く、部署や職種をまたいで働くことが一般的です。
一方、海外では雇用がより流動的で、仕事の目的がはっきりしています。「仕事の成果を出せるかどうか」が重視されるため、即戦力として特定のスキルや経験を備えた人材が求められます。
4.メリット・デメリット
それぞれメリット・デメリットはあると思います。
日系企業の良いところは、色々な職種の経験をさせてもらえる。しかし、その一方で専門性が身に付けられなかったりします。その場合に、海外転職をする方はこの専門性がないことで苦労する場合もあります。
また、よくジョブディスクリプションを明確に書いていない会社も多く、入社してから自分の仕事以外のことをやらされることが多いなど文句を言っている方も多く見受けられます。
残念ながら採用の時は、あったジョブディスクリプションも入社してからあってないようなものになってしまうこともあります。
海外の場合、専門性を持ってキャリアアップをしていくので、専門性がつくメリットは間違いなくありますが、キャリアチェンジをする時には日本に比べて苦労するかもしれません。
また、大学生の時から専門性-インターンー就職となるので早い段階でキャリアの選択を考えていかなければならない傾向にあります。
5.まとめ
どちらの考え方もメリットとデメリットがあります。日本の「人を育てる」文化は長期的な成長や社内の調和を促しますが、専門性が育ちにくい面もあります。逆に、海外の「仕事内容に人をはめ込む」方法は即戦力が求められるため、専門的なスキルが重視されますが、柔軟性には欠ける場合もあります。
このような違いを理解することで、転職や海外就職の際に、自分に合ったキャリアの選択がしやすくなると思います。