新たな場所での出会い

私が友達に連れられていった場所はボランティアセンターだった。最初は何故かあまり行く気にはなれなかった。事の始まりは私が学校の通学をみんなと同様に電車で通うことができないか、どうしたらいいかと相談に行ったことがきっかけだった。私は生まれつき手足が不自由だ。
でも座っていたりするとどこに障害を持っているのかわからないらしい。それはいいことなのかもしれないけれど、ときに誤解されてしまうこともある。私は歩くこともできるけれど、長距離はとても大変なので車椅子も利用したりしながら生活している。手のほうも細かい作業をしたり、字を書いたりするのはとてもゆっくりでしか書けない。そのことを理解してもらうのには時間がかかるけれど、私も自分でできることできないことを話すように努めている。
 いつ頃だっただろうか。学校の通学を電車でしたいと思い始めていたのは。私は学校までの通学を親に送り迎えをしてもらって通っている。もちろん感謝している。でも、このままでいいのかと思い始めた。私は車椅子でもスムーズに電車に乗れるようになれば足が疲れている時でも自分で通学できるようになるかもしれないと考えた。でも現実は厳しかった。私の住んでいる地元の駅は車椅子では階段がありとても1人で上ることはできない。また電車との間も段差が高く1人では乗れないのだ。ここの駅にいる駅員さんは1人しかいないし、前に相談したところ「毎日となると難しいね。親に送り迎えしてもらえないの?」と言われてしまった。
甲府の駅に友達と一緒に話に行った時も同じようなことを言われてしまった。私も理解できなかったわけではなかった。でも、親がいつまでも一緒にいられるわけではないし、何よりも自分で電車に乗って学校に通いたいという想いが強かった。私はどうしたらいいのか困り果てていると、友達に「行ってみよう」と言われ連れていかれた場所がボランティアセンターだった。初めてということもあってか、私は少し緊張していた。私の想いや考えをそのまま伝えた。するとボランティアセンターの人は「ここに来ている学生たちに話をしてみますね」と言ってくれた。
 数日してボランティアセンターの方から家にファックスが届いた。内容はここに来ている甲斐縁隊の学生たちに話をしたところ、学生たちも何とかならないかと頭を悩ませていたが、自分たちができることがあれば手伝いたいという返事があったことが書かれていた。また、甲斐縁隊の集まりに来て話をしてみてはどうかという誘いも書かれていた。私はぜひ行きたいと返答しその日を待った。
 当日、私は知らされていた時間より少し遅れてボランティアセンターに着いた。外から見ると人が集まっていて、話をしている様子がわかる。私はとても緊張しながら車椅子で中に入って行った。みんなが自然と私に声をかけてくれて、さっきの緊張が嘘のようになっていくのを感じた。そして一人一人自己紹介をしてくれて、なんだか今日会うのが初めてという気がしなかった。まるでずっと昔から知っていた仲間のような感じた。
 そして、私が電車でどうやって通えるようになるかとみんなで悩み、考えてくれた。最初はみんなで毎日は無理かもしれないけれど、交代しながらやってみようかという意見が出た。まず自分たちでやってみようと休みの日に4、5人で地元の駅から私の学校まで行ってみることになった。
 休みの日、今日はあまり天気が良くなくて雨がパラパラと降っていた。こんな天気で大丈夫かなと心配しつつ友達を連れて駅に向かった。みんなも集まってくれていた。いよいよ切符を買って、階段の所は車椅子を持ってもらい電車もみんながいたので無事に乗ることができた。駅員さんの態度もいつもと違って見えた。とても優しく対応してくれるのだ。やっぱり人がいるからなのか、これには驚きを隠せなかった。
 甲府駅から学校へ、学校から甲府駅と2通りとも違う道を通帰ってきた。途中「この坂は大変だね。」とか「ここはどうしたらいいかな。
とみんなで話し合いながら歩いた。私自身車椅子を押してもらうのに気を使わず自然体で居られた事は本当によかった。途中雨がだんだんと激しくなり、急いで甲府駅に向かった。このまま帰ろうと思ったが、みんなまだ時間があると言うことで、駅員さんに話をしに行こうということになった。残念ながら駅長と副駅長は留守で代わりの方が話を伺ってくれた。私は車椅子でも電車に乗って学校に通学したいという気持ちを伝えた。すると今の状況を私たちにわかりやすく説明してくれた。私たちが聞いたことに関してはきちんと答えてくれた。甲斐縁隊のみんなも自分の意見をはっきり言っていてとても感心したし感動した。 
 甲斐縁隊の皆が私のために一生懸命話をしてくれたこと、何とかならないかと悩み考えてくれたことにとても感謝している。そしてこんな仲間に出会えたことを心から嬉しく思う。これから先も大好きな大切にしていきたい仲間だ。甲斐縁隊のみんな本当にありがとう。
 今回話したことがきっかけになり、時間はかかるだろうけれど車椅子でも電車にスムーズに乗れる日が来ることを願っている。そのためにも今自分にできることをしていきたいと思っている。

高校二年生の時に私が書いた作文。

いまは記憶はないのだけれど、
17歳の時の私はその当時
一生懸命悩み考えたんだね^ ^
本当にその時を生きてきてくれて
どうもありがとう😊そして、その
当時私と出会ってくれたボランティアセンターのみなさん私と出会ってくれて
ありがとう!また機会があるのなら
是非再会したいと望んでいます。

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近藤麻友美 officialブログ
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