時間の矢
外は暑いしコロナだし、なるべく家にいたい。そうするとどうしてもテレビや動画を見ることが多くなる。
家族で観るのはだいたいがナショジオかAmazonプライムの動画で、我ながらコスパよく遊んでいる。
お盆にはBBCの「神秘の大宇宙」(2011)を繰り返し観ていた。エピソードは、時間、起源、重力、光の4つに分かれていて、それぞれに興味をそそる画像を使って説明してある。
どちらかといえば子ども向けのこの番組は、子ども向け故に分かりやすく、CGもきれいなものが使われ、地球の大自然たっぷりで楽しめる。
テーマの1つ「宇宙と時間」では「時間の矢」について説明されている。
現在の宇宙の標準モデルでは,その始まりは粒子が狭い空間に一様に詰め込まれた状態であり,星や銀河が生まれ活動期ともいえる現在の姿を経て,最終的に何もない空っぽな空間になるとされている。
その時間は膨大なので、止まっているように見えても実際は過去から未来へと流れていて、それは「時間の矢」と言われる。
日常生活でも、こぼれたミルクは元に戻らないし、昔のことは記憶にあっても未来のことはない。この宇宙では時間の矢が存在しているからだという。
宇宙の死について触れていて、最終的に何もなくなった状態では時間が経過していることを証明できないので、そこでは時間すら存在しないと物理学者ブライアン・コックス教授は画面の向こうでにこやかに説明していた。
そこで、この番組では取り上げられていなかったショーン・M・キャロルが言ってたマルチバース(多宇宙)の話はどこへいったんだろうと思った。
ショーン・M・キャロルたちが提唱したアイデアは「私たちの宇宙は多宇宙(マルチバース)の1つにすぎず,他の宇宙の中には時間が未来から過去に流れるものも存在する」というものだ。
もしかして、知らないうちに否定する学説が出てきて、証明されてしまったのかな?まぁ、そんなことはある意味どうでもいいが…。
これを初めて知ったときは、未来から過去に流れる時間というのを想像して、すごくワクワクした。
本来は宇宙の話で、何もない(死滅した)空間?から爆発が吸収されるように起こり、だんだん若返っていく宇宙が存在し、全体的にはバランスがとれているという話なのだが、そこにもしかしたらあるだろう地球と同じように生命が存在する惑星を考えた。
年寄りとして生を受け、どんどん若返り、最後は卵子になって消えてなくなるとか。文明がどんどん退化していって、最後は火さえも失うとか。身近なところでは、ミルクコーヒーを飲んでいたら、勝手に分離してコーヒーとミルクに別れてしまうとか。そもそも飲んだものを口から出すのか?分離したものは「飲む」より過去になってるはずだから、その前を考えると…お尻が口なのか?とか・・・。どんな生活なんだろうといろいろ考えてみんなで笑ったものだ。
逆に流れる時間の宇宙に、もしも人間が存在していたとしたら、すごく変な世界だろうが、あちらから見ればこちらこそが変な世界なんだろう。
そもそも、そんなことを考えながらにやけている自分って、ちょっと変かもしれない。暑さのせいかしら。
ブライアン教授はアンドロメガ銀河とこの銀河の衝突もCGで見せてくれたが、すごく綺麗だった。どう考えてもそれを実際に見ることはできないが…とりあえず、物理って面白い!