「子どもを産んだ人はいい小説が書けない」後日談つき試し読み
私のデビューエッセイ集「夢みるかかとにご飯つぶ」、いくつか試し読みできます。そのリンクとちょっとした裏話をご紹介します。
じつは、このエッセイ、後日談があります。
「子どもを産んだ人はいい小説が書けない」と私に言った人に、このエッセイ集を見られたら気まずいな…とずっと気に病んでいて……。
その方の創作論に助けられたこともたくさんあるし、ベースはいい人間だと知っているので、断絶したいわけではなかったのです。
というわけで、発売前にその方にお会いして、「言われた悔しさをぶつけたエッセイが載っちゃってます!」と申告しました。
ドラマみたいにコップの水を掛けられたりしたらどうしよう、と思ったのですが、全くそんなことはなく、その人は「出版おめでとう」「(あなたの本なんだから)どんなことを書いてもいいんですよ」と言ってエッセイの出版をお祝いしてくれました。
ほっ……。
世の中に失言というものは数多あって、そこには元となる変えようもない固定観念があって、厄介で面倒で絶望したくなるけれど、一方で、それはその人の一部分でしかないことを、私は知っていたいし、それは希望だと思っています。
今日、イラストレーターのオザワミカさんが嬉しい感想を呟いて下さっていて。
愛の余地をいつも残しておきたいな、と改めて思ったのでした。